2017.03.12 | 強迫性障害全般
曝露反応妨害法をやっても良くならないと思ったらチェックするべきポイント
こんにちは。鈴木です。
強迫性障害を改善には、曝露反応妨害法が不可欠です。
実行することで7~9割の方が軽減するといわれています。
曝露反応妨害法についてはこちら。
曝露反応妨害法の基本的な考え方を解説 強迫性障害の方は必見です
ただ「曝露反応妨害法をやってもよくなっていきません」っていう人がいます。
よくよく話を聞いていると、ほとんどの人がマズいやり方をしていることが原因なんです。
この記事では、曝露反応妨害・行動療法やっているのに良くなっていかない理由について4つ書いていきます。
当てはまる人はチェックしてみてください。
やり方を間違えず実行していけば、どんどん改善していくと思います。
1.強迫行為をやっている
「やっているのに良くなっていない」って人のほとんどが、強迫行為をやってしまっているんです。
これにつきます。
そもそも「良くなっていない」ということは、強迫行為をしていることなので。
「〇回だけ確認」とか「少しだけ手洗い」とか「普通の人程度くらいにやる」とか「怖くてできないからここまで」とか、結局不安を下げるためにやっているとダメなんです。
中途半端に我慢をすると、我慢した分を取り返すように強迫行為が増え、下手をすると悪化します。
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これは普通の不安?強迫性障害の不安?どう見分ければよいの?って疑問に答えます
強迫行為はちょっとやればやめられなくなります。
改善には普通の人かどうか関係なく不安に慣らすことが必要。
その他の強迫行為はこういうものも。
・頭の中で「大丈夫」と言い聞かせている
・他人に「大丈夫だよね」と確認している
・ネットで不安なことを調べている(使用したら危ないもののか?など)
・ネット上の掲示板などで「これって大丈夫ですか?」と、確認している
・「正しいやり方」を医師やカウンセラーなどに何度も確認する
自分が強迫行為をしていないか?をチェックしてみましょう。
2.積極的な曝露をしていない
不安なことに直面する「曝露」をやることが改善のキモ。
改善するための曝露は自然には生じにくいのです。
このため、わざと自分から不安なことを引き起こしていく必要があります。
それなのに、
・手洗いを我慢する
・確認を我慢する
・不安になってもスルーする
とか、強迫行為をしないことばかりをやろうとしている人が多いです。
手洗いは我慢するけれど、汚いものには触れない、では練習になりません。
普通に生活してて、不安になったら我慢、とかもなかなか改善しないでしょう。
もちろん強迫行為をしないことは大切です。
しかし、治療はあえて不安を強くして、それに慣らしていくことが必要だと思ってください。
詳しくはこちらを参考に。
あとうまくいっていない人って「どう考えばいいか?」ってばかり考えている傾向があります。
考えてもうまくいきません。
不安なことに挑戦する行動をしましょう。
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3.そもそも直面するべきところが間違っている
例えば洗浄強迫があるからといって、不潔強迫とは限りません。
縁起が悪いことを避けるためにやっている人もいるし、すっきりするためにやっていたりします。
何度も確認しているとはいっても、恐ろしいことが起こりそうだからやっているとか、なんとなくしっくりくるまでやろうとしているとか、いろいろあります。
何が不安かによって、治療方法は変わってきます。
だから「○○強迫にはどうしたらよいか?」と考えているとやり方を間違えるおそれがあります。
そういう時は、自分が何が不安・嫌なのか?ということを掘り下げていきます。
そうすることで、自分が直面すべきどころを特定できます。
こちらに書いています。
強迫行為の理由がわかると、どんな挑戦をすればよいかわかります
4.練習回数が足りない
週に一回だけちょっと曝露反応妨害とかやってもそりゃうまくいきません。
週に一回ジムに通うけれど他は運動しないで暴飲暴食してます、ってのと同じです。
人にもよりますが、毎日複数回練習していくことが大切です。
練習は2週間以上空くと効果がなくなるといわれています。
毎日、飽きるくらい何度もやる、って勢いが必要です。
行動療法って筋トレみたいなものです。
だからモチベーションの維持が大切。
モチベーション維持のためにはこちらも記事も参考にしてください。
まとめ
なかなか曝露反応妨害がうまくいっていないと思ったら以下のことをチェックしてみましょう。
強迫行為をしていないか?
積極的に曝露しているか?
自分の中心的な不安に曝露できているか?
練習回数は十分か?
チェックしてもうまくいかない、わからない場合は専門家に相談しないとずっとわからないままです。
そんな時はカウンセリングでご相談くださいね。
動画バージョンはこちら