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不安なことへの知識をつけて安心させたら強迫症は治るのか?

こんにちは。鈴木(komayamaco)です。

強迫観念に対して理屈で対抗しようとしている人はいませんか?

「エイズへの正しい知識をつけて、どうしたら感染するのかしないのか正しい知識を手にいれたら強迫は改善しますか?」

など

「不安なことへの知識をつけて安心したら考え方が変わって強迫が良くなるのか?」という質問がよくあります。

不安な対象について知識が足りないから、考え方が歪んでいるんだから正しい知識を入れれて安心すれば歪みが治って強迫も治るのか?ということ。

今回はこの質問の答えについて書きます。

知識や理屈で強迫を何とかしようとしている人は参考にしてください。

結論からいえば、不安なことへの知識をつけて安心しようとしても強迫は良くなりません。

頭の中で理屈で考え方を変えようとしてもダメ。

むしろ悪化することの方が多いです。

なぜ理屈で考え方を変えようとしてもうまくいかないのか?

例えばエイズが不安な感染恐怖。

「エイズのウィルスは空気や水に触れると死んでしまう」という知識を得たとします。

「そうか。空気とかじゃ感染しないんだから気にしてなくて大丈夫なんだ」と考えて、これまで不安だったところが自由に触れて強迫が治るかと言われれば治りません。

仏滅の時に「何か悪いことが起きる」、「祟りがあったらどうしよう」と思っている縁起恐怖。

「仏滅(六曜)は仏教とは全く関係ないし、仏教において仏が祟って人を不幸にさせることはない」と知識をつけたとしても「祟りなんてないんだから大丈夫」と考え強迫が治るか?と言われれば治りません。

どちらの例も「そんなこといっても他の説もあるし、万が一のことがあるかもしれない」「やっぱり怖い」と考えるのがオチ。

強迫の人は理屈では大丈夫とわかっていても怖いことも多いですよね。

知識を入れたくらいでは強迫は治りません。

仮に安心して強迫を減らせたとしても、症状は残っているか別の強迫症状で悩むことになるだけです。

それどころか悪化することすらあります。

「○○だから大丈夫」と言い聞かせていると、だんだん何度言い聞かせても安心できなくなります。

知識を得て安心

言い聞かせても安心できなくなる

さらに知識を得て安心しようとする

こんな感じでいつまで経っても安心できず、安心するための本やネット、他人に聞いて知識を得ようとする行為が止められなくなります。

人によってはお医者さんやお坊さんにしつこく「大丈夫ですよね」と聞くようになります。

専門家に聞いても

「もしかして間違ったことをいわれたのでは」「自分がきちんと聞いていなかったのでは」

と安心できることはありません。

つまり知識を得て安心しようとすることが強迫行為になってしまうこともあるのです。

似たようなもので「他人もドアノブに触っているから大丈夫」とか「普通の人がやっているから大丈夫」と言い聞かせることも強迫行為になるので注意が必要です。

頭の中で考え方を変えようとしても考え方は変わらない

よく強迫症の認知行動療法を誤解して「ドアノブを触ったって何も怖いことは起こらないから大丈夫」と頭で安心させて考え方を矯正して「十分に考え方の歪みを治してから不安に挑戦する」みたいな考え方をしている人いますが、それは治療から遠ざかっているだけです。

強迫症の認知行動療法のやり方としては間違っています。

下手すると強迫行為になります。

「お化けなんかいない」と言い聞かせたって、夜のお墓にいくのは怖いものです。

「お化けがいないことが納得できてからお墓にいこう」なんてしていたら一生お墓にはいけません。

怖いことが100%起こらないなんて証明できませんから。

だからドアノブにはHIVウィルスがついていないと言い聞かせていたところで、実際に触ってみないと頭はなかなか納得してくれません。

最近マインドフルネスが流行りで「十分にマインドフルネスで強迫観念を受け入れられるようになったら不安に挑戦しよう」って人いますが、そういう場合マインドフルネスになってないです。

不安に挑戦することから逃げる口実になっている人が多い印象。

考え方は実際に行動しなければ変わらないのです。

「認知行動療法で考え方のクセを治して不安に挑戦しよう」は認知行動療法のやり方としては不適切。

「不安に挑戦しながら考え方の幅を広げていこう」という意識でやりましょう。

認知行動療法にもいろいろありますが、頭の中だけで考え方をなんとかしたら強迫がよくなるやり方なんてないですよ。

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「知識でもなんでもいれないと不安で強迫に挑戦できない」っ人はどうすればよいか?

基本的には知識を得て安心させなくてもできることから挑戦するのをおススメします。

頭で安心させながらでも挑戦して、少しずつ安心させるをやめていく手段もありますが、そういうやり方をやっていくと逃げ癖がついて安心させるのをやめられなくなることが多いです。

中途半端に安心させながら挑戦するよりは、ハードルは低くてもよいから安心させずにやっている人の方が改善しやすい印象。

少しずつできるところからやってけばハードルが高いところもできるようになってきます。

少しずつやっていく方法の基本はこちらにまとめてあるので参考にしてください。

少しずつやってもよくなります!強迫性障害の克服方法

知識を仕入れて安心させてはダメってことに納得いっていない方へ

不安なことへの知識を得て安心しようとすることはダメ!と言われても納得いかない人もいるでしょう。

そんな人は「これまで安心することで知識を得ようとしてきて改善したか?」と問いかけてみましょう。

改善しなかった、少し改善したけれど良くはなっていない、他の症状で悩むようになっている、という結果になっているハズ。

特に知識を得て少し改善したような気になっている人は「知識を得ることが有効だ」と勘違いしてしまい、なかなか悪循環になっていることを受け入れることができません。

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強迫性障害が再発しやすい人の特徴と2つの対策

強迫が改善していないということは、自分が今やっていることがマズイ証拠。

これまでのやり方ではうまくいかないことを受け入れ、変化する勇気を持ちましょう!

動画はこちら

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