2018.09.29 | 強迫性障害全般
強迫性障害が再発しやすい人の特徴と2つの対策
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
強迫が以前より良くなり日常生活に支障があまりないと思える程度までいったけれど再発した、という経験はありませんか?
強迫は油断するとすぐに元に戻ってしまうやっかいな病気です。
再発への対策を考えることは必須でしょう。
今回は強迫が再発しやすい人の特徴とその対策について説明していきます。
再発の可能性をグッと抑えられるはずです。
再発したというより、良くなり切っていなかったことが多い
実は「強迫が再発した」と言っている人の多くは、「再発した」というより「良くなりきっていなかった」ということの方が多い印象です。
例えば
・不潔強迫の人が5時間シャワーを浴びていたのが、1時間になった。
・不潔強迫で日常生活は大丈夫になったがベッドだけはきれいにしておきたい状況が続いている。
・外出するのに一時間かけて確認していたのが、15分になった
・頭の中で「大丈夫」と安心させながらやっていたら、以前よりスムーズに動けるようになった
これはこれで改善しているところがあります。
生活が楽になり、良くなった実感が得られていることでしょう。
で、この時期にこんな風に考えていませんか?
「普通の人でちょっと神経質な人でもこれくらいはやっているし」
「これ以上がんばって不安定になったら怖いし」
「生活やれているからこれくらいでいいよね」
実は、これが落とし穴なのです。
「生活にそんな支障がないから」は再発の元
上記の状態は以前より軽くなっていますが、決して治っているわけではありません。
200キロ体重があって体調が悪かった人がダイエットを頑張って、一時的に100キロになったようなもの。
決して油断できる状況ではないでしょう。
生活に支障がなければ強迫的な症状があっても病気とは言えないかもしれません。
しかし、一度病気と言えるくらいまでなった人がこの時点で、改善をやめてしまうと後で悪くなる可能性はかなり高いでしょう。
麻薬中毒になった人のイメージをしてください。
その人が「以前より半分くらいまで量を減らすことができた。だからこれからも麻薬続けていいよね」
「麻薬が合法な国もあるし、ちょっとくらいやっても普通でしょ」
と言っていたらどう思うでしょうか。
「それだときっとまた麻薬が増える」と思いませんでした?
強迫もこれと同じです。
苦手なところを残しておけば、そこから悪化していきます。
強迫は弱ったとしても、甘いところを見つけてまた強くなるのです。
ネットなどで「強迫を自力で改善した」という情報の多くが改善していないことが多い印象です。
よくよく見てみると強迫行為をしていたり、強迫が残っていることがほとんどです。
もちろんすべての強迫を永遠にゼロにする、ということは難しいでしょう。
しかし、最低限「苦手だけどできる」「苦手だが囚われなくなっている」くらいまではやっておかないと何かの拍子に強迫は強くなります。
中途半端に良くなった状態で現状維持でいいやと思うと現状維持すらできなくなるです。
現状維持は後退だと思った方が良いです。
苦手なところは挑戦していくことが再発を防ぐ
再発を防ぐためには、苦手なところを残さず克服していく必要があるでしょう。
どれくらいまでやったらよいかはその人によって違います。
ヒントとしては「普通かどうか」などはおいておき、怖いなと思うことはどんどん挑戦していくことです。
不潔強迫の人ならトイレの後は手を洗わないでベッドに汚い感覚を広げていくとか(それが怖ければ)。
日本人的な普通で考えてしまうとトイレの後の手洗いはするのが普通となってしまいますから。
どこまでやってよいかわからない人は認知行動療法の専門家と相談した方がよいでしょう。
自分なりにやってもなかなか改善しないものです。
もちろんどこまでやるかは自分次第。
「苦手なところはどうしても挑戦したくない」というのなら、後で困る可能性があるリスクを引き受けることになります。
それも一つの選択。
それが嫌なら中途半端で終わらないように治していきましょう。
どうやったら強迫への挑戦を続けるられるか?についてはこちらの記事を参考にしてい下さい。
油断しやすい「挑戦しない言い訳」を事前に把握しておこう
以前より改善した時に陥りやすい思考パターンを事前に抑えておくも有効です。
よくあるのはこの例。
「これくらいまでやって維持できればそれでいいだろう」
「昔から自分はこれくらいやっていたし」
「普通の人でもこれくらいやっているし」
「これ以上不安なことに挑戦して、せっかく改善したのがまた悪くなったら嫌だ」
強迫が少し良くなってきたときのために覚えておき、「これだとあとでまた困るぞ」と言い聞かせてもよいかもしれません。
何をどれくら改善したらよいかわからないって人はカウンセリングでご相談できますよ。
動画はこちら