2020.04.09 | 強迫性障害全般
強迫性障害の認知行動療法の治療期間はどれくらい?
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
強迫症で認知行動療法をやった場合、治療期間は人によって様々です。
でも「だいたいの目安とか知りたい!」って人も多いと思います。
また治療していてもいつまでカウンセリングに通えばよいか知りたいでしょう。
ゴールがある程度見えないと一歩踏み出しにくいものです。
そこで今回は強迫症の認知行動療法をやった場合の治療期間について書いてみます。
・強迫の経験年数と同じくらい治療期間がかかるのか?
・一般的な認知行動療法の回数の目安は?
・どんな人が早くよくなりやすいのか?
・どんな人が時間がかかりやすいのか?
「治療期間」と「最後まで良くなる」とは違うもの。
ここではだいたい生活の支障がなくなり治療を終える人は、どれくらいの期間かかっているか?についてです。
一般化できるものではなく、あくまでも私見ではありますが参考にしてください。
「強迫になって何十年」って人でも何十年もかからず改善します
「強迫になってから何十年も経っている場合は、治るのもそれと同じくらいかかりますか?」と聞かれることも多いです。
答えはNOです。
何十年強迫に悩んでいても、きちんと治療すれば早くよくなる人も多いです。
例えば、25年悩んだ人でも4ヵ月で改善したことを以前記事にしました。
あせりは禁物ですが、ちゃんとやればそんなにかからないです。
むしろ強迫になってあまり経っていなく「認知行動療法はつらいから、催眠とかサプリメントとか、○○療法とか他の方法ないか」って探している人なんかは、なかなか良くならないです。
また「強迫は脳の病気で自分では改善ができない」と思い込んでいる人はなかなか前に進めないです。
「苦手なことしなくても改善するとか、そんなおいしい方法ない」と考えて、認知行動療法をやる人が強迫になった期間にかかわらず良くなりやすいです。
ましてや「強迫は治らないから強迫行為をしながら一生付き合っていくしかない」と医療機関で説明されることもあるようですが、そんなわけありません。
少なくとも認知行動療法をやるなら「何年悩んでいても自分次第でよくなるんだ」「自分次第でよくなるんだ」と考えていた方がよいですよ。
では、どれくらいの治療期間が必要なのか?について。
週に1回15~20回くらいかかってもおかしくはない
よく研究なんかでやっている強迫性障害の認知行動療法のプログラムは週1回、15~20回くらいのものが多い印象です。
「絶対にそんなペースと回数でやらないと治らないの?」
と思った方。
そんなことはありません。
実際のカウンセリングはその回数以下で終わることもあります。
もちろん、それ以上かかることもあります。
ただそれくらいはかかってもおかしくないよ、くらいのニュアンスで考えてください。
私のカウンセリングでも15回コースを設けているのはそのような理由から。
数回認知行動療法をやってみてよくならなかった、って人いますがそれってやったことにならないです。
もちろん回数こなしたからよくなるわけでもありませんが、人によっては思っている以上にやる必要があるかもしれません。
特にいろんな強迫症状がある人、後述しますが少しずつやっていきたいって人は時間がかかりやすくなります。
やり方によっては年単位で時間がかかることもあります。
どんな人、やり方が早く治療が終わりやすいのか、時間がかかるのか?について説明します。
早ければ一ヶ月で改善することも
早い人では、一ヵ月以内で終えられる人もいます。
特に洗浄・不潔強迫系の人は、一気にやればかなり早い期間で良くなります。
もちろん、かなりの覚悟がないとできませんが。
短期間で終えられる方は、最初の方から強い恐怖に直面しながらできた人です。
みんなができるわけではないでしょう。
また洗浄・不潔強迫の人で私が訪問して一緒に汚いものに触りながらとか、キレイにしておきたい場所を汚しながらやった場合とか早いです。
そこまで早くなくても、順調にいけば2~4か月くらいでよくなる人もいます。
私がカウンセリングで8回コース(LINEとメールの無料相談3ヶ月)を設定しているのは、このあたりが目安となっています。
もちろん、コツコツやっている人は順調でもそれ以上かかります。
ただし、早く良くなっている人は注意が必要です。
良くなったからといっても、強迫のクセはまだ残っているものなので、治療は終えてもしばらくは自分で不安に挑戦していくことが必要です。
数ヵ月に一度、カウンセリングを受けていくと再発率が下がるともいわれています。
ダイエットのように一度痩せたから好きに生活していってわけではなのです。
強迫に気をつけながら過ごすようにしていくとよい状態が維持されます。
数ヵ月~数年かかる人
時間のかかる人もいます。
というか、多くの人はある程度時間をかけながらの方が合っているかと思います。
一気にやるのは不安だからコツコツやっている場合や、様々な強迫や病気が併発している場合などです。
数年かかりながらやっている人もいますよ。
コツコツやるタイプの人は時間がかかりますが、少しずつやっていくのでとっつきやすいです。
特にこんな人はコツコツ時間をかけながらやっていった方が結果的に早くよくなります。
・焦って一気に治そうとしてやり切れずに失敗している
・強い不安に挑戦することを恐れて、治療に踏み出せないでいる
・ハードル高いところは無理としか思えないけれど、低いところからだったら挑戦できそう
ただ、このやり方のデメリットは不安に挑戦しやすい反面、時間をかけてコツコツやるのでやる気の維持が大変です。
某有名な先生が「少しずつハードル低いところからやってうまくいった人はあまりみたことがない」っていってたくらいです。
実際はそんなことないのですが、大きな良い変化がないと「よくなっていないのでは」「いつまでこれを続ければよいのだろう」と不安に感じて挫折してしまいそうになる人はいます。
これを乗り越え、やる気を維持する必要があります。。
やる気を維持するためにはカウンセリングを受けながらがおすすめです。
筋トレやダイエットを数ヵ月~年単位ですると、ほとんどの人が続きませんよね。
トレーナーのもとでやると、続きやすいのは想像しやすいでしょう。
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強迫性障害の認知行動療法は専門家に相談しながらやった方が良い理由
自分でなんとか治したい、って思うかもしれませんが多くの人は失敗するので早めに認知行動療法の専門家のもとでやった方がよいです。
ただ認知行動療法の専門家をみつけること自体が難しいということはありますが。
少しずつやっていく方法についてはこちらの記事に書いています。
まとめ
当たり前のことですが、治療期間は人それぞれです。
焦ってやってもうまくいかないので、多くの人にとっては時間がかかってもゆっくりやっていくのがおすすめ。
もちろん、どんだけ不安なことをやってもよいという覚悟のある人は、一気にやっていく方が早く良くなるし、成果が実感しやすいのですよ。
自分に合った治し方を選択してください。
動画はこちら