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突き飛ばしてケガをさせたか不安!加害恐怖の治し方の手順とコツ

こんにちは。鈴木(@komayamac0)です。

歩いているとき「誰かを突き飛ばしたのではないか?」と不安になり、何度も確認していませんか?

道や駅のホーム、階段やエスカレーターでも不安で仕方ない。

すれ違った相手が子どもやお年寄だとさらにエスカレート。

強迫症の一種「加害恐怖(強迫)」です。

不安だからといって振り返って確認したり、頭の中で「大丈夫」と言い聞かせてもうまくいきません。

今回は加害恐怖の改善方法についてご紹介します。

改善コツをつかみ実践すれば、加害恐怖がグッと軽くなります。

 あなたの加害恐怖が悪化する理由

なぜあなたが「誰かをケガをさせたのでは?」と加害恐怖で悩んでいるのか?

それはあなたが心配性や自信のない性格からではありません。

不安を消そうと安心する行為をしているからなのです。

例えば歩いていてすれ違った人に「ぶつかってケガをさせたのでは?」と不安になったとしましょう。

「ぶつかってケガをさせたのでは?」など思い浮かぶ不安な考えが「強迫観念」です。

不安だから振り返って確認します。

何も起こっていないので安心しますが「やっぱり不安」となり確認が止まらなくなります。

頭の中で「何も起こってないから大丈夫」と言い着かせても止まりません。

「振り返って確認」「頭の中で何も起こっていないから大丈夫」と安心させる行為が「強迫行為」です。

次第にぶつからないように道の端を歩いたり、手をふって歩かないようにしたりします。

最終的には歩行者のいる道路を歩くことができなくなることも。

このように不安を解消しようとして、確認をしたり、道の端を歩くなど安心させるような行為をすると、どんどん症状は悪化します。

不安は安心させることにこだわればこだわるほど強くなる性質があるからです。

何気なくやっていた確認が止められなくなり、どんどん悪化していくのはこのためです。

 改善方法は曝露反応妨害法

加害恐怖を改善するには、曝露反応妨害法という方法が有効です。

曝露反応妨害はあえて不安な状況にさらして不安に慣らしていく方法です。

例えば「ケガさせたのではないか」という場面にあえて出向いて、確認をしないでそのままにしておきます。

不安は一時的に強くなりますが、時間と共に落ち着いてきます。

これをやることで不安な考えが起こってもやり過ごせるようになってくるのです。

理屈の部分の詳細はこちらの記事を参考にしてください。

曝露反応妨害の基本的な考え方を解説 強迫性障害の方は必見です

 曝露反応妨害法の手順

曝露反応妨害の具体的な手順を説明します。


まずは以下の3つをリストアップします。

①苦手・避けている場面

②強迫観念

③強迫行為

①苦手・避けている場面

加害な考えが起こるため不安な場面を挙げてください。

人ごみ、駅のホーム、階段、エスカレーター、子どもやお年寄りがいるショッピングセンター、傘をさしている時

②強迫観念

苦手な場面で起こる不安な考えやイメージ(強迫観念)を挙げてください。

「ぶつかって転ばせてケガをさせてしまう」

「駅のホームにいた人を線路に突き落としてしまう」

「傘を通行人につきさしてしまう」

③強迫行為

不安場面で安心するためにやっていることをあげてみましょう。

ぶつかっていないか確認する、腕をふってあるくことはしない、端を歩く、傘は持ち歩かない、駅のホームは人がいないところを歩く、子どもやお年寄りがいたら逃げる、大きなバッグは持ち歩かない、「頭で大丈夫」と考える、など。

強迫行為は目に見えるものだけではなく、「頭の中で大丈夫と考える」、「記憶をたどる」など目に見えないものも含まれるので忘れないでリストアップしましょう。

参考記事

2種類の強迫行為を理解しよう!強迫の例とその対応

基本的な治し方

①~③のリストアップしたことを参考に不安に挑戦します。

基本パターンは以下の通りです。

①の「苦手な場面」に行って

②の「強迫観念」は「不安なことは起こっている」と考え

③の「強迫行為」とは逆のことをする

例を挙げます。

混んでいる駅が苦手。

歩くと確認してしまう。

ぶつからないように端っこを歩いたり、腕はふらないようにしている。「ぶつかってケガをさせ一生ものの傷を負わせてしまったのではないか」と不安な人の場合。

①の「苦手な場面」は「混んでいる駅」ですから、そこに行きます。

②の「強迫観念」は「一生ものの傷をおわせてしまったのではないか」なので、それを「一生ものの傷を負わせてしまった」と「不安なことは起こっている」と考えます。

③の「強迫行為」とは逆のことをやります。

道の端を歩く→道の真ん中歩く

腕を振らないで歩く→大きなバッグをもって大きく腕をふって歩く

振りかえって確認→確認しない

頭ので「大丈夫」と考える→一生もののケガを負わせてしまった」と考える(②と同じ)

以上のことをすることで、すごく不安になりますよね。

この不安は時間とともに薄れてきます。

思い出すとまた怖くなりますが、安心させる行為はせずにそのまま日常生活を過ごしていくようにしましょう。

何度も繰り返していくことで、不安な考えが浮かんでもやりすごせるようになってきます。

 どこから挑戦するべきか?

①の「苦手な場面」の難易度が低いところからだとやりやすいでしょう。

ただ簡単すぎてもあまり効果がないので、ほどほどに怖いところから始めていった方が良いです。

どこから始めていけばよいかはこちらの記事を参考にしてください。

どこから強迫に挑戦すればよいの?4つの始め方

③の強迫行為をどこまでやるか、やらないでおくかの調整をすることでも難易度の変更ができます。

大きなバッグを持ち歩いて道の真ん中を歩くのがまだハードル高いなぁって思ったら、まずは何も持たずに道の真ん中を歩くことから始める

 不安な考えそのものに慣らしていく方法

それでも怖くてなかなかできない場合は「強迫観念」の考えに慣れていくことから始めるのも手。

やり方はまず「強迫観念」について最悪のストーリーを考えます。

最悪のストーリーの例

人にぶつかって大けがをさせた。ほっといて家に帰った。そのケガ人は死んでしまった。警察が家にきて殺人の罪に問われる。家族や周囲から責められ、家庭は崩壊。

最悪のストーリーを考えたら、書き出してみまましょう。

その最悪のストーリーを毎日20分間、考える時間をもちます。

繰り返し考えることで、だんだん考えた時の不安に慣れてきます。

考えただけでも怖い!って人は練習になるでしょう。

最初は苦痛ですが、何度もやっていくうちに慣れてきますよ。

自分の強迫を治すために他人を危険にさらしてもよいのか?

加害恐怖の練習をしていくと「強迫を治すために他人に危険にさらしてよいのか」と思う人がいます。

「万が一何かあったらどうするんですか!他人が死んでからじゃ遅い!」と安心を求めたくなるでしょう。

参考記事

確認しなかった後、本当に何かあったらどうするの?

そもそも「他人を危険にさらす」と考えていること自体が強迫観念なんですよ。

他人にとっては危険と思わないことでも、強迫のせいで「危険だ」と思っているのでこのように考えます。

その不安に慣れていくのも治療となります。

今回ご紹介した方法をやることにより「他人を危険にさらしている」という考えも薄らいでくるでしょう。

 強迫がよくなった人に勇気をもらおう!

それでも怖い!って思った人は

確認強迫が良くなった人のインタビューがありますので、勇気を出してやってみましょう!

良くなった人のインタビュー①

良くなった人のインタビュー②

まとめ

「人にぶつかってケガをさせた」と不安な加害恐怖の人の改善方法を説明しました。

①あえて苦手なことをする

②不安な考えは「起こっている」と考える

③安心させる行為はしない

これらのことをやることで大幅に症状が改善されます。

どこからやっていけばよいかわからない、一人でやるのが難しい時はカウンセリングで相談してくださいね。

動画はこちら

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