2016.08.14 | 確認・加害強迫
「悪口を書いたのでは」と不安 確認強迫はどう克服すればよいか?
こんにちは。鈴木です。
「誰かの悪口を書いたのでは」
「自分は何か失礼なことをいったのでは」
「卑猥なことをネットに書いてしまったのでは」
こんなことを不安に思って確認を繰り返している人はいませんか?
要するに「自分が何かマズイことを言ったり書いたりして、それを他人に知られたらどうしよう」という不安。
何か紙に書いたと考えれば、じーっと紙を確認。
ごみ箱から紙を拾って書いていないか確認することも。
「失礼なことを言ったのでは(書いたのでは)」と考えれば、
「さっき変なこと言っていないよね」
「さっき悪いこと書いていなかったよね」
他人に確認します。
「大丈夫だよ」と言われて安心。
そんなことを繰り返していくうちに、外出先で壁や本に「書いてはいけないものを書いたのでは」と不安で怖い場所を避けるようになります。
ペンをもったり、ネットを見たりするのが出来なくなる人も。
この強迫症状についてどう克服していけばよいかについてご紹介します。
なぜ不安が強くなるのか悪循環を把握しよう
まず悪循環を把握しましょう。
「失礼なことを言ったのでは?」は強迫観念です。
不安になるので「書いていないか確認」「言っていないか確認」をします。
これが強迫行為です。
確認すると一時的に安心しますが「すっきりしない」「ちゃんと確認ができていない」と考え、確認が止まらなくなります。
不安を解消しようとする行為が不安をもっと強くさせていると覚えておきましょう。
悪循環を断ち切る方法
克服するためにはこの悪循環を断っていきます。
強迫性障害を克服する上で必要なのは基本的に2つ。
①曝露(不安なことにさらされること)
②反応妨害(強迫行為をやらない)
曝露について
この症状に対しての曝露でわかりやすいのは不安な場面にさらされること。
不安で避けていることが何かなぁと考えてみると良いでしょう。
・人前で自分の意見を話す
・ネットで書き込みをする
・自分の恐れている状況を作る、場所にいく
とりあえず、わざと何か変なことを言ったり、書いたりする状況をつくっていくと良いです。
その時に頭の中では「大丈夫」など安心させずに「もう悪口を書いてしまった」とわざと怖いことを考えましょう。
とっても怖い考えに慣れていくと、たいていの強迫観念が出てきても流せるようになってきます。
この後で書いていますが「大丈夫」と安心させるのは強迫行為です。
もう少しレベルを上げるすれば、
・他人に知られたら困ること(人の悪口、卑猥なこと)を書いた紙をやぶかず捨てる
のように、わざと不安度を上げることを積極的にしていきましょう。
反応妨害について
反応妨害はわかりやすいですね。
「確認しない」だけなので。
他人への確認もやめましょう。
強迫行為をしないでいるのは難しいものです。
その時のコツについてはこちらの記事を参考に。
強迫行為をしないコツ
克服は曝露をして不安になれさせていくことが大事。
安心させようとする行為は基本的にやめましょうね。
見逃しやすいのは頭の中の確認。
・「大丈夫。変なことを言っていない」と自分に言い聞かせる
・「変なこといってないよなぁ」と記憶をたどる
これも強迫行為です。
その場でやらなくても、後でやっている場合があります。
安心させようとする行為は基本的にやめましょうね。
「確認しないでいれば書いたか(言ったかどうか)どうか、正確に区別できるようになる」と思っている人がいますが、それを目指すのは逆効果です。
これも「正確な認識ができるようになって安心したい」という心理の現れ。
「確認しなくても自信が持てるようなる」「安心できるようになる」にこだわっているうちは良くならないのです。
強迫がよくなってくるというのは、安心かどうかをこだわらなくなってくることなんですよ。
不安な場面にさらされて、安心させる行為をしない。
これを繰り返しましょう。
周囲の対応も大事です
周囲の人も「大丈夫。変なこと言ってないよ」「自信もちなよ」など安心させることはいってはいけません。
一時的に安心させても、あとでもっと不安になってしまいます。
麻薬と同じです。
「不安な人をみるとかわいそうだから」と安心させるのは、もっと相手を苦しめるだけなので気をつけましょう。
自分はどう練習していけばよいのかわからないって方はカウンセリングで相談してくださいね。