2017.07.16 | 確認・加害強迫
強迫性障害で万引きしたか不安で悩んでいる人の対処法
こんにちは。鈴木です。
お店に行ったとき「万引きしたのでは?」と不安でバッグを確認している人いませんか?
強迫ではよくある症状です。
テレビで万引きGメンとか見て怖くなってません?
今回は、万引きが不安な強迫性障害の対処法について説明していきます。
怖いかもしれませんが、実行すれば良くなっていきますよ。
なぜ悪化しているのか?悪循環を理解しよう
まずは何が悪循環になっているか理解しましょう。
お店に入って商品を触っていなくても「さっきバッグに商品をいれたのではないか」と考えます。
強迫観念です。
不安なのでバッグの中を確認します。
最初は、一回だけったのが回数が増えていき、帰宅しても確認したり、頭の中で万引きをしていないか記憶をただろうとしたりします。
これが強迫行為です。
強迫行為は一時的な安心はありますが、やればやるほど怖くなります。
確認をやたらするので店員に怪しまれて、さらに不安なる人もいます。
だんだん買い物が苦痛になり買い物に行かなくなります。
避ければ避けるほど、強くなるのが強迫。
お店にいく→不安で確認→つらくなるから回避→さらに不安が悪化。
このようにしてどんどん不安になってきます。
万引きが怖い人は「商品に傷をつけてしまったのでは」など、他の類似した不安がある人もいます。
確認&回避をリストアップ
確認行為をしたり、回避をしているとどんどん悪化します。
ですから、これをやめなくてはいけません。
やめるためにはまず万引きが不安でやっていることを把握する必要があります。
よくある確認&回避の例を挙げます。
これをやると悪化していきますよー。
・バッグ、ポケットの確認
・頭の中で思い返す
・頭の中で「大丈夫」と考える
・レシートを確認
・一人で買い物をしない
・家族に「とってないよね?」と考える
・冤罪への対処をネットで調べる
・バッグのファスナーはきちんとしめる
・支払いの時、現金はしつこく確認
・現金が怖いからクレジットカード・電子マネー払いをする
・商品を触らない
・商品を触ったら、戻したかを確認
・不安になった商品は全部買う
他にもいろいろあるでしょう。
自分が不安でやっていることは何か?リストアップしてみましょう。
あえて不安なことをやってみる
基本的な治療法は買い物して、リストアップした確認&回避とは逆のことをやっていくと良いでしょう。
不安なことをあえてやっていくことで「万引きしたのでは」と考えても、やりすごせるようになってきます。
不安なことをやって強迫が改善していく仕組みはこちらの記事をご覧ください。
・曝露反応妨害の基本的な考え方を解説 強迫性障害の方は必見です
例えば
・バッグのファスナーを開けっ放しでとか買い物をする。
・商品にさわっても必要なければ戻す。
・レシートはもらわないか捨てる。
ポイントは上記の例のようにするのではなく、自分が「怖いな」と思っていることや避けていることをやりましょう。
ここを間違うといくらやってもうまくいきません。
やっていくうちに囚われが少なくなってきます。
「ホントに万引きしてしまったらどうするの?」「バッグの中に入っていたらちゃんと返さないと犯罪じゃないですか!」と考えるかもしれません。
これは強迫観念のささやきですよ。
人にもよりますが「犯罪をおかしているのでは」など最悪のストーリーの不安感に慣らしていくのが練習となります。
強迫観念のささやきに惑わされないようにしましょう。
「あえて」は大事
「あえて」やってみることが大切です。
「単に買い物にいって我慢する」と受け身的なやり方でもダメではないですが、積極的に不安と向き合う姿勢がないとあまり改善していかないのです。
このため、積極的に不安になっていくようなことをしていきましょう。
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苦手なところは残さない
「前からバッグのファスナーしめてたし、わざわざファスナー開けてやる必要はないだろう」
「わざわざ怪しまれるようなことをするのはおかしい」
と考えて避ける人がいます。
バッグのファスナーを開けられるようになることが目的ではありません。
怖さに慣れていくことが目的です。
怖いところを残しておくと改善しきらないのでまた悪くなります。
このため不安場面は残さないようにしましょう。
強迫が良くなるってどんな状態?
「練習していったら万引きしていないかどうか、自分でわかるようになるのですか?」と聞く人がいます。
このような質問をしたくなる人は注意です。
「万引きしていないかどうか白黒はっきりつけたい」にこだわって確認するのが強迫ですからね。
こだわると強迫は悪化していきます。
「確認しなくても、悪いことは起きなかった」と頭で納得させる練習ではないのです。
頭でわかろうとすると確認せずに買い物ができて店員にも引き止められなかったとしても「今、警察に通報されていて調査されているかもしれない」など不安なことを思い浮かべます。
まだ起こっていないことはいくらでも不安になるタネになるんですよ。
結果的に「万引きしてないだろう」となると思いますが、あくまでもそれは結果としてそうなるのであって。
改善してくると万引きをしたどうかということをあまり考えませんし、考えたとしても流せる状態になっています。
「万引きしているかはっきりわかる」というより、曖昧な状態に耐えられるようになって結果的にあまり考えなくなっているって感じでしょうか。
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まとめ
「万引きしたのでは」と不安な強迫の人は、これまで不安で確認してきたこと、回避してきたことを積極的にやっていくと、とってもよくなってきます。
地道に不安に慣れる練習をしていきましょう。
動画はこちら