2018.09.06 | 確認・加害強迫
鍵の確認強迫がある人が、鍵の写真をとってはいけない理由
こんにちは。鈴木です。
「鍵の確認がやめられなかったのですが、そこを写真をとって安心したら外出ができるようになりました。これは強迫行為って言われますけど、外出できるようになったのになぜダメなのですか?」
確認強迫の人から時々聞かれる質問です。
鍵など外出前にきちんと鍵をかけているか確認するだけでなく、写真をとったり動画をとったりする人がいます。
これは強迫行為なのですが、「強迫行為でも早く外出できるようになっているのだからいいじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、これをやっていると強迫が良くならないのです。
なぜ良くならないのか?今回はこの質問に答えていきます。
確認強迫以外の人も当てはまることなので、参考にしてください。
強迫行為をしながらでは悪化していくだけ
外出する前に鍵の写真や動画を撮るなど安心させることによって、以前より早く外出ができるようになったとしましょう。
しかし、そのような行動をしている人は早く外出ができるようになっても、強迫は治っていないでしょう。
前よりはマシになったとしても、悩んでいるかと。
それどころかもっと気にになるようになり、どんどん確認の種類が増えてきたのではありませんか?
例えば、このような種類の強迫行為。
・頭の中で記憶をたどって確認する
・指差し確認
・チェックリストを作って確認
・家族に確認してもらう
・動画をとる
・そもそも写真をきちんととれたかを確認する
一時的に鍵の確認が減ったとしても、不安はもっとひどくなるばかりです。
別の強迫行為をしているだけですからね。
ですから強迫行為をして外出できるようになっても、強迫は改善しないのです。
強迫行為は麻薬だ!
強迫行為は麻薬に例えられます。
「不安な時に麻薬をやったらすぐに気分がすごくハイになって、元気になっていろいろできるようになった!」
強迫行為をやっていろいろできるようになる、ってのはこれと同じです。
最初はいいかもしれませんが効き目が弱くなり、もっと麻薬が欲しくなるでしょう。
「不安な気持ちを改善するには麻薬しかないのだ」
と、麻薬をやめない理由を正当化しようとします。
鍵の確認で目でみる確認をなくすために、写真をとって安心しようとするのは
「覚せい剤をやめるために、大麻をやろう」と言っているようなもの。
そんな人がいたらなんとアドバイスしてあげるでしょうか?
おそらく「一時的に楽になってもどんどん悪化するからやめなよ」と言ってあげますよね。
まやかしの成功体験にまどわされてはいけない!
この「麻薬」が強烈なのは、ある種の成功体験をしてしまうことが一因。
鍵の確認ばかりで外出できなかったのが、写真をとることで外出できたことは「うまくいった」と感じられるのです。
「前より良くなったのだから、もっと安心させられたら良くなるに違いない」と思うかもしれません。
「どうやったら鍵をかけたと確信できるようになるか」と安心できることばかりに目がいきます。
「まやかしの成功体験」を信じてしまうと、後で困ってしまうのです。
人によっては、別の強迫行為をやることによって以前より楽になる人もいますが、途中から行き詰ります。
以前より良くなったけれど、なかなか改善しないって人によくある話です。
強迫行為は改善策ではなく、新たな問題を作り出すだけ。
まとめ
以上のことから強迫行為をやることによってできることが一時的に増えても、悪化していくのでやめましょう。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があります。
克服のために、強迫行為をせずに不安に慣らすことが必要です。
強迫行為をせずとも、不安にとらわれず行動がスムーズにできるようになることが大切。
まやかしの成功体験にとらわれず、真の成功体験を経験するように努力しましょう。