blogブログ

頭の中の強迫行為をやめる方法 うつにも使えますよ

こんにちは。鈴木です。

 

強迫性障害の人は頭の中で安心するためにやっていることあるものです。

・「鍵をさっきしめた」「汚いところにさっていないか」と記憶をたどる

・「5を数えるのをすっきりするまでやろう」とすっきりさせようとする

・悪いことが思い浮かんだから良い言葉を思い浮かべる

・「自分のやっていることが本当に正しいことか」と考え続ける

 

これをやってしまう人が多いのですが、一時的に安心しても悪化します。

メンタルチェッキングなど強迫行為の一種です。

メンタルチェッキング中心の症状についてはこちら記事を参考に。

頭の中の確認で動けない 強迫性緩慢について

 

手洗いをやめるとか、確認をしないとか、目に見える強迫行為はジャマするのはわかりやすいですよね。

この場合は頭の中では最悪のストーリーを考えているとジャマもできます。

 

しかし、頭の中の強迫行為中心の人はどのように邪魔していけばよいのかわかりにくいもの。

考えないようにしよう、って思っても考えてしまいますし。

そんな時は行動していくと良いのですが、行動しながら頭の中で強迫行為をしている人も多いです。

 

今回は頭の中の強迫行為を邪魔する方法をご紹介します。

最近認知行動療法でうつや不安に使われている方法です。

 

こんな人におすすめ。

・頭の中の強迫行為が中心の人

・すっきり感を求めるタイプの人

・考え込みが多くて気分が落ち込み気味の人

 

強迫以外にもメンタルヘルスを保つ方法としても使われているので身につけておくと便利です。

考え込みんで落ち込むことが多い人は練習してくださいね。

 

 

不安な時は過去や未来の妄想の中にいる

 

まずおさえておきたいのは不安な時や強迫行為をやっている時って、頭の中の妄想に浸っているということ。

 

そういう時の妄想って基本的には過去のことや未来のことです

 

過去→「鍵をしめたかなぁ」「変なことを言ったのではないか」「何かに触ったのではないか」

未来→「泥棒に入られたらどうしよう」「このままだと気が狂う」「悪いことが起こる」

 

鍵を繰り返し確認している人って、どこに注意が向いていると思います?

鍵の確認に注意が向いていると思っていませんか?

違います。

鍵を閉めるという「現実」ではなく、「鍵がきちんとしまっているか」「閉まっていなかったら大変なことになる」「はやく締めなきゃ」「閉まった感覚がない」という不安・あせりなど妄想に注意が向いています。

悪夢を見ながら行動してるようなもの。

ですからいくら鍵をしめても安心する行動をしても実感がないのです。

064959

 

 

頭で安心材料を探すことは妄想に引きずり込まれる

 

安心するために頭の中で「鍵しめた」「○○だから悪いことは起こらない」と、考えます。

妄想(頭の中)にまた注意がいってますよね。

妄想に注意が向くので、いくらでもイリュージョンを見せることが可能です。

 

すっきりしないとなぜか気がくるってしまいそうと考えさせる、

確認したものを確認していないかに思わせる、

触っていないものを触ったかのように感じさせる、とか。

 

いくら安心しようとしても、後でどんどん不安になるのが強迫。

安心させる行動は強迫のエサになります。

ってことは、強迫としてはどんどん考えさせて、妄想の世界に引き込んだ方がいいわけです。

「不安でしょ。気持ち悪いでしょ。だから頭の中で確認しなさいよ~」ってささやきます。

 

こうして妄想の底なし沼にどっぷりつかって、強迫の思うツボに。

 

頭の中の確認は、妄想の世界に引きずり込み作戦のワナ。

強迫性障害を悪化させていくのです。

385324

 

 

妄想から脱出する方法

 

この状態を改善するには、妄想から脱出することが必要です。

そのためには「過去」「未来」の妄想から「今・現在のこと」に戻ると良いのです

「今・現在」に戻る方法の一つが、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感に注意を向ける練習。

 

ボーっと妄想の世界に浸っている時に、誰かから手で「パン」ってたたかれたらハッとしますよね。

あれは音に注意が向くので「今」に戻る方法の一つと言えます。

 

不安な時、ちょっと外に出て動いていたらそっちの方に注意が向いていつの間にか大丈夫になってきたって経験ありますよね。

動くことで、見ているもの、聞いているもの、動くこととか、「今やっていること」に注意が向きやすくなっているのです。

 

何かを見たり聞いたりを感じ取ってるってことは「今」に注意が向いています。

「今」に注意が向くと、妄想がしにくいのです。

理屈で説明するだけだと実感がわからないでしょうから、実際にやってみましょう。

現在に戻る

 

 

五感に注意を向ける練習方法

 

視覚を例に練習します。

 

cat00659[1]

 

 

顔の形、目、鼻、口、髪の色、髪型、服の色、質感、しわ、一つ一つじっくり観察して、絵が完成するくらい細かく言葉にして実況中継してください。

「顔の形は○○で、しわが××くらいあって、色は△と▽を混ぜ合わせたような色で・・・」という感じで。

 

どれくらい細かく見ていけばよいかというと、

この絵を見ていない人に、この絵を描いてもらうために言葉で伝えて、絵を完成させられるくらい。

 

やっている途中に雑念が浮かんだら、「別の考えにそれてたな」くらいにして、実況中継に戻ってください。

 

さぁ、どうぞ。

まずやってみてください。

 

やっている途中どうでしたか?

実況中継することに集中していませんでした?

なかなか他のことを考えにくかったのではありませんか?

 

 

視覚の場合は、これくらい細かく見ていきます。

同じように他の感覚にも応用していきます。

 

聴覚:何が聞こえてます?エアコンの音、車の音、時計の針の音などきき続けてください。少なくとも3つ以上の音を見つけましょう。

 

嗅覚・呼吸:どんなニオイがします?息が入って、出ていく感覚をそのまま感じ取ってください。

 

皮ふ感覚:足の裏の感覚は?イスや床に触れている感覚は?手はどんな感覚がある?体中の皮ふ感覚を実況中継してください。

 

味覚:口の中はどんな感じ?意識すると唾液が出てきませんか?舌の動きや口の中に当たっている感覚はどうですか?実況中継してください。

 

これも雑念が浮かんできたら、「浮かんできたな」とそのままにして実況中継に戻りましょう。

実況中継としているのは、細かく五感を観察するために使っている言葉なので、本当に声に出す必要はありません。

 

これをやると頭の中の確認がやりにくくなります。

 

普段からこれを練習してください。

一つの感覚につき一分くらいやってみましょう。

毎日一回以上はやってください。

 

 

 

不安な時の使い方

 

本番では不安な考えや頭の中の強迫行為に気づいたらすぐに「何が見える?」「何が聞こえる?」「どんな皮ふ感覚がある?」と問いかけてみてましょう。

立ち止まってやるのではなく、体を動かしたり次にやるべき行動をしながら問いかけて実況中継します。

 

行動はできるだけゆっくりやってください。

着替えているならば、ゆっくり着替えましょう。

着ている服の質感や袖を通すときの皮ふ感覚を感じ取りながら。

 

歩いているなら、歩いている時の足の裏の感覚、足の感覚、風をきる皮膚感覚、見えるもの、聞こえるもの、いっぱい実況中継するものあります。

 

料理や掃除、会話している時も同じです。

 

うつっぽい時も使えます。

うつの時も過去と未来の妄想にとらわれていますよね。

同じようにやっていくことで、あーでもない、こーでもないと、考え込んで落ち込んでいくことから脱出できます。

 

 

ゆっくり動く

 

可能ならばスローモーションか!ってくらいゆっくりやってください。

特に強迫行為をやってしまっている時は、あせって早くなんとかしようとしてしまいます。

そうするともっと妄想の世界に引きずり込まれるのです。

「早くなんとかしなきゃ」ってのも頭の中に注意が向いてますからね。

五感に注意を向けて超スローモーションにしながら行動していくと、「今やっていること」に注意が向いて妄想から脱しやすくなります。

ものすーーっごく「早く動きたい!」ってイライラすると思いますけど。

強迫行為をやらないにこしたことはありませんが、やってしまってもコントロールできることはあるんですよ。

 

 

気そらしではないし、集中できなくても良い

 

これをやると強迫行為をジャマするので、モヤモヤしたままだし、安心したいから強迫行為をしたくなるでしょう。

嫌なことを忘れたり、楽になる方法ではないので注意してください。

不安を抱えながら、強迫行為をせずにいろんなことができるようになるエクササイズみたいなもの。

 

モヤモヤをすっきりさせたい、安心したいって衝動を感じたらそのままにして、実況中継に戻ってください。

 

「なかなかうまくいきません」って人がだいたい言うのは「やっても実況中継に集中できません」ってこと。

実況中継に集中できなくてもOKです。

「集中しなきゃ」ってのも「あせり」なので妄想の世界に引きずり込まれます。

「集中できていないな」って思ったまま、実況中継に再び戻りましょう。

また「気をそらす」こととは違います。

嫌な感覚を持ちながらも、別の感覚を感じる取るイメージです。

繰り返しやっていくと、妄想の底なし沼から脱して頭の中の確認をジャマできるようになります。

「集中できないまま」「すっきりしないまま」「不安なまま」、五感に注意を向けながら行動してください。

 

この練習は数回やってもダメ。

数ヵ月単位で練習していく必要がある方法です。

「不安を抱えることができるようになる脳の筋トレ」と思って粘り強くやってください。

 

 

まとめ

 

頭の中で安心させようとすることも強迫行為です。

そのままにしておくとなかなか良くなりません。

特に頭の中の強迫行為が中心の人は練習が難しいですよね。

今回は、頭の中の強迫行為をジャマする方法を紹介しました。

すぐに結果が出ない方法ですが、やっていくと少しずつ結果が出てくるので練習すると良いです。

うつなどのマイナス思考の泥沼にはまって考え込んでいる時にも使えますよー。

 

「このやり方でいいのかな」って疑問に思うこと多いですよね。

一人でやるとうまくいかないことが多いです。

そんな時は私と一緒に治療していきましょう。

カウンセリングの申し込みはこちら。

 

対応地域

  • 北海道
  • 青森
  • 岩手
  • 宮城
  • 秋田
  • 山形
  • 福島
  • 東京
  • 神奈川
  • 埼玉
  • 千葉
  • 茨城
  • 栃木
  • 群馬
  • 山梨
  • 新潟
  • 長野
  • 富山
  • 石川
  • 福井
  • 愛知
  • 岐阜
  • 静岡
  • 三重
  • 大阪
  • 兵庫
  • 京都
  • 滋賀
  • 奈良
  • 和歌山
  • 鳥取
  • 島根
  • 岡山
  • 広島
  • 山口
  • 徳島
  • 香川
  • 愛媛
  • 高知
  • 福岡
  • 佐賀
  • 長崎
  • 熊本
  • 大分
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 沖縄

海外

スカイプのみ対応

© KOMAYAMA COUNSELING OFFICE. All rights reserved.

Top