2017.04.16 | 強迫性障害全般
強迫性障害を治すには 強迫に挑戦する一歩を踏み出すための3つのポイント
こんにちは。鈴木です。
強迫性障害を治すには、今のところ認知行動療法が一番効果があります。
実行すれば7~9割の人が改善するといわれています。
しかし、最初の一歩を踏み出すのを躊躇してしまう人が多いでしょう。
不安なことに直面しないと強迫はよくなりませんからね。
この記事では、これから認知行動療法で強迫を改善しようとしている人が一歩踏み出す時の3つのポイントについて書いていきます。
これから治そうとしている人は参考にしてください。
ポイント① 治療は認知行動療法以外にないことを受け入れる
強迫性障害の治療で効果が実証されているのは、薬以外では認知行動療法くらいです。
しかし、これを受け入れるのが難しい。
認知行動療法はあえて不安に直面していくため苦痛を伴うのがデメリットです。
だから「こんな方法じゃなくてもっといい方法はないか?」って考えてしまうんです。
そういう人が認知行動療法を始めても、苦しいことに直面すると他の方法に逃げようとして挫折してしまう可能性が高くなります。
しかし、他の治療法に探して、いくらカウンセラーに話を聞いてもらっても、トラウマや原因探しをしても、催眠をやっても、サプリメント飲んでも、○○式をやってもよくなりません。
最近はやりのマインドフルネス「だけ」をやってもダメです。
時間とお金のムダとなるのでしょう。
・・・と直球でお伝えをしても、多くの人は「他の方法やっても治らないのだ」と体験しないと納得してもらえないので「他の方法は全く科学的根拠はないしおススメはしませんが、気になるならどーぞ」と言う時もあります。
よく「強迫がとっても良くなる薬が開発されるまで待ちます!」という人もいます。
もちろん、その可能性がないわけではありません。
ただ今のところその気配はなさそうです。
どうしても「他の新しい有効な方法を待つんだ!」って人へのアドバイス。
「いつまで待つか?」を決めておいた方がよいでしょう。
そうでないと、いつまでも同じ苦しみが続くだけなので。
他の方法はないか?って探しているうちは、認知行動療法はおススメしません。
「この方法しか治す方法がないのだ!」という心持ちは大切です。
実践していけば、かなりの人がよくなっていきますよー。
ポイント②「強迫に挑戦できない理由」ではなく「強迫に挑戦する理由」を考える
認知行動療法しかない!ってわかっていても、「勇気がでない」という人が多いでしょう。
「どうやったら勇気が出ますか?コツを教えてください」
「他の人はどうやってできたのですか?」
とよく聞かれます。
強迫がよくなった人に「なぜ不安でも実行できたのですか?」と聞くと「もうやるしかないと思って」「このままじゃ嫌だと思って」という人が多いです。
「やるしかないって思ってやる」「このままじゃ嫌だ」と考えたって、動けるわけではありません。
「どう考えるか?」ではなく、とにかく行動しなくてはいけないのです。
要するに「えーい!」ととりあえず一歩踏み出すしかないんですよ。
それを聞いたとしても「やっぱりそうなんだ。じゃ、やります」って人は少ないですよね。
強迫に挑戦するという勇気とかやる気というのは、外から与えられるものではないのです。
外からもらった勇気というのは、不安に直面するとあっという間に崩れ去るものです。
「勇気が出るコツ」とかそんなおいしい方法はなくて、一歩踏み出しながらすすんでいくしかないことを受け入れることが大切です。
あえて「コツ」があるとすれば、自分の中にある「なぜ治したいのか」という気持ちと向き合うことでしょう。
よく「なぜこうなったのか?」「なぜ自分はできないのか?」「こんなことやって万が一のことがあったらどうするの?」と、「やれない理由」を考えてしまいがちです。
「やれない理由」を考えると、人はやらない確率が高くなるといわれています。
それを「なぜ治したいのか」と「治す理由」「不安でも挑戦する理由」を考えるようにしましょう。
そうすることで前に進む気持ちに変わってくるかもしれません。少なくとも「やれない理由」を考えるよりもよい方向にいきます。
「治す理由」等を考えるには以下の質問が役に立つかもしれません。
・強迫が良くなったらやりたいことは何か?
・よくなったらどんなよいことが起こりそうか?
・このままでいたらどんな結果になりそうか?
・一歩としてできることは何か?
このあたりをじっくり考えてみてください。
これについてはこちらの2つの記事に書いているので参考にしてください。
ポイント③ 高いハードルのことばかりを考えない
テレビで強迫性障害の認知行動療法をやっているのをみることがあります。
皆さん、記憶に残っているのは「便器に手をつっこむ」という場面でしょう。
それを見て「あんなことは絶対できない」と考え、認知行動療法を躊躇していませんか?
高いハードルを意識して「できる気がしないからやらない」になりがちです。
認知行動療法を始めていないのに、高いハードルができないと思うのは当然のこと。
「こういう時はどうするのだろう」とまだ始めていないのに不安になり、考えて動けてなる人が典型です。
人はまだやったことのないことに対する不安があると、先延ばしてしまいがちです。
それでは強迫の思うつぼ。
ではどうすればよいか?
難しいことに挑戦する時は、低いハードルをこまめに挑戦していくことで改善する行動を継続しやすくなります。
特に具体的に何をどうするかを決めることです。
具体的に何をすればよいかはこちらの記事を参考にしてください。
そうしていくうちに高いハードルも「できそうだな」と思えるようになります。
ちなみに不潔強迫の人は便器に手をつっこまなくてもほとんどの人はよくなりますが、それくらい不安なことをやることは必要でしょう。
それも「やっぱりそこまで不安なことやらなきゃいけないのだ」と高いハードルは考えず、低いハードルを乗り越えることだけを考えましょう。
一歩踏み出しやすくなります。
「納得するまでやらない」は強迫のワナだ!
3つのポイントをご紹介しました。
最後に一番大事なこと。
まずはやってみることです。
「心持ち」「良くなる方法」「どうすればよいいか」ばかり調べて、動けない人も多いです。
「本当に良くなるのですか?」「本当に何か不安なことが起こったらどうすればいいですか?」と何度も確認したくなるでしょう。
こうなると一歩踏み出せないです。
やり方がわからない時は、まず行動療法の専門家のもとにいきましょう。
相談しにいって継続してやるかやらないかは自分次第ですが、どうすればよいかはわかります。
近くに専門家がいない時は、私のようにスカイプや電話で相談できる専門家もいるので「相談できるところがない」ということはありません。
「一歩踏み出すか踏み出さないか?」だけです。
強迫は完璧に「大丈夫」と思えるまで、あなたを行動させません。
それは強迫のワナです。
強迫はあなたに一歩踏み出されるのが怖いので、いろいろと「認知行動療法をやれない理由」を探し出すでしょう。
そのワナにはまらず、行動してください。
そうすることで強迫にとらわれた生活から脱出できるでしょう。
近くに相談機関がないって人は、私と一緒に相談しながら一歩踏み出しましょう。