2016.04.03 | 強迫性障害全般
強迫の誘惑に負けそうになったら失うものを意識しよう
こんにちは。鈴木です。
強迫の治療で大事なのは治療へのモチベーション。
怖いことに挑戦していかなきゃいけませんからね。
こればっかりは、どんなに本を読んでも有名な先生のところにいっても、最後は自分自身です。
以前、モチベーションには「良くなったらどんなメリットがあるのか?」を考えると良いことを書きました。
これはこれでよいのですが、他にも考えてみるとモチベーションに役立ちそうなことがありますので、ご紹介します。
失っているものを意識しよう
強迫行為をやり続けることで失うものを意識してみましょう。
これがやる気アップにつながることがあります。
怖いことが起こらないように、強迫行為をやっていますよね。
冷静に考えれば、確率が低いかもしれない。
しかし、確率がゼロではないなら、確実な方を選んでしまうのが人間の心理。
損をしたくない、失いたくないのです。
それが自分の利益に反することでも。
強迫行為によって、生活(利益)はとってもつらいことになっていると思います。
しかし、そのつらい生活よりも「万が一を防ぎたい」という気持ち(損をしたくない)の方が上回っているはずです。
人は得をするより、損をすることに敏感なんです。
失いたくない気持ちが強いといえます。
この心理を逆に利用するとよいのです。
考えてください。
強迫行為をやることで安全を保ち大切なものを失わないようにしているかもしれません。
しかし強迫をやっていて本当に損をしていないのでしょうか?
本当に大切なものを失っていないのでしょうか?
家族を大切にしたいと思えば「家族に不幸なことがおこったらどうしよう」と考えて強迫行為をするかもしれません。
強迫行為は本当に家族を大切にしたいと願っているあなたの価値観に合致するでしょうか?
家族との生活はどうなっていますか?
望んでいたものでしょうか?
きっと違うものですよね。
家族との時間、関係性、どんどん失っていませんか?
確認や手洗いで失っているものはありませんか?
日常生活、恋愛、仕事、遊び、なんといっても「時間」。
確認や手洗いが自分が望んでいる人生となっているのでしょうか?
以前より症状がちょっとマシになった。
もっと不安なことに挑戦したら、せっかくよくなったものが台無しになってしまう。
だから現状維持を選んでしまう。
これはやってしまう間違いです。
強迫に挑戦しないことは現状維持ではなく後退です。
少しずつ怖いものが増えます。
今できていたこともできなくなってくるのです。
そもそも現状維持しようとして挑戦しないことで何か大切なことを失っていませんか?
強迫によってたくさん失っているものがあるでしょう。
それでよいのでしょうか?
「そんなんでいいわけがない!」
そう思えるなら一歩ふみだしましょう。
失うものを意識すると強迫行為で得られるものよりも、自分が本当に大事にしているもの・変化しなくてはいけない理由が見えてくるものです。
すぐに「でも・・・怖いし・・・」といつものパターンに戻るかもしれません。
そんな時は「でも・・・」というほどに、失うものが増えていくと考えてはいかがでしょうか?
まとめ
モチベーションを上げる方法の一つは、強迫に挑戦して得られるメリットを考えること。
もう一つは強迫のいう通りにして、失っているものを意識すること。
なかなか一歩踏み出せない人、強迫の誘惑に負けそうな人は一度考えてみてください。
自分で動き出さなきゃいけないけれど、一人でやるのは孤独だし大変そうだなぁって思ったらカウンセリングへ。