2020.04.28 | 強迫性障害全般
電池もれなど本当に危険なものが怖い強迫症の人の対処法
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
本当に危険なものについての強迫観念にはどうしたらよいのでしょうか?と質問を受けることがあります。
例えば、電池漏れやアスベストが怖いとか「人を殺してしまうのではないか」など。
通常は危険だと感じていても強迫観念なので、苦手なものに直接触ったり確認しなかったりと、あえて不安なことをして慣らすことで強迫症は改善します。
しかし、中身が漏れている電池やアスベストに直接触ることは危険なのでできません。
今回は本当に危険なものに対してどのようにすれば克服できるのか?について説明します。
自分が避けていたことに挑戦することで改善する
電池漏れを例にして説明します。
電池漏れが不安な人は、電池漏れしている電池だけが苦手な人はいません。
電池漏れがあった電化製品から始まり、電池漏れしていない電池や電化製品、電池漏れがあった場所、または「電池漏れがあったのではないか」と感じた場所など、当初の電池漏れから広がっています。
このため実際の電池漏れ以外で「電池漏れしているのでは」「電池漏れが広がっているのでは」と不安で避けていることにあえて挑戦していくことが練習となります。
使用済み電池、電化製品、以前電池漏れをしていた場所、など自分が触れなくなっているならそれらを触ってみるとか。
アスベストや農薬なども同じです。
ちなみに電池やアスベスト、ウィルス系のことを調べて知識をつけることで安心し強迫が改善するのでは?と思う人もいますがそれは逆効果です。
その理由についてはこちらの記事をご覧ください。
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「人殺しをするのではないか?」などの不安では、人を殺してしまうのが不安で避けていることをすればよいです。
包丁で刺してしまうのではないか?と不安で包丁が人前で使えないであれば、包丁を使った料理を人前でするなど。
このように強迫観念によって避けていることに対して避けないようにしたり安心させないようにしたりして挑戦してください。
事前に避けたり安心させたりしていることをリストアップして整理すると、どこからやっていくかを検討しやすいのでオススメです。
みんな自分の強迫観念は本当に危険だと思っている
このように強迫への挑戦は危険なことをするのではなく「危険だと思いこんでいること」「危険ではないか?と不安なこと」に挑戦することなのです。
といっても、強迫の人は「これは思い込みじゃなく本当に危険なんだ」と考える人が結構いる印象です。
強迫症は「頭で大丈夫とわかっていてもやめられない」とは限らないです。
人によっては危険だと確信をもっている人もいます。
「何も恐れていたことは起こらない」と理屈で証明することはできないです。
そういう意味では「本当に危険なことに挑戦する」と感じてしまうかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。
強迫症で悩んでいるってことは危険ではない、または危険の確率が低いことに対して囚われているので強迫なのですよ。
本当の危険で悩まされているは強迫じゃないです。
自分が気になっていないところはリスクを引き受けながら生活しているものです。
あまり「危険じゃない」ってここで繰り返すのも安心をしてしまうのでよくないのですが・・・。
自分とは他のタイプの強迫観念の人をみて
「なんでそんなこと怖いのか。自分の観念の方が本当に危険で大変だ。他のタイプの強迫の人はいいよね」
と思ったことありませんか?
他の強迫の人からみたらあなたの強迫観念も同じように思われています。
危険か安全か白黒ハッキリつけるのはやめよう
それでも「どこまでが危険で危険じゃないか、はっきり教えてください!」
と白黒つけたくなりますよね。
家族や医師、カウンセラー、ネットで質問したり調べたくなるかもしれません。
でもそれはやめた方がよいです。
「最悪こうなる」という情報に対して「やっぱり危険だ」と判断したり、
「カウンセラーがそこを触っても大丈夫と言っていたら大丈夫だろう」
と安心させようとしたりしますよね。
白黒はっきりさせて100%の安心を得ようとすると強迫行為になってしまう可能性があります。
「最悪のことが起こる可能性をゼロにしなければ危険」
「ゼロは無理でもできる限りゼロに近づけたい」
出来る限りリスクはゼロに近づけたいと考えるのはおかしくないです。
しかし、それにとらわれた生活をしているから支障が出ているのですよね?
であれば、強迫を改善するためには白黒はっきりつけず、リスクを受け入れられるようになることが大切。
加害系の強迫によくあるのですが「強迫を治すために他人を危険にさらすのか」と考えているのも強迫観念にとらわれた考え方。
こんな風に説明しても納得はいかないかもしれません。
そんな人でもあえて挑戦することで危険だと感じてしまうことは少なくなってきます。
「心持ちを変える」では強迫は改善しません。
苦手なことに飛び込んでいくことが必要です。
「それでもやっぱり危険って思ってしまう!強迫症の人しかこの気持ちはわからない!」って思ったそこのあなた!
「強迫を治すために家族を危険にさらすのか?」と悩んでいた加害強迫の人が改善したらどんな心持ちになっていったか本人の感想を載せている記事がありますので参考にしてください。
記事の後半に書いてあります。
まとめ
今回は電池漏れなど直接触れるなどできない危険なものに対しては、直接ではなくそこから広がって避けているものをメインに挑戦していくとよいです。
「やっぱり危険だと思ってしまい、何からすればよいかわからない」
と考えている人は認知行動療法の専門家のもとで相談しながらやってください。
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動画バージョンはこちら