2016.05.22 | 強迫性障害全般
ストレスへの対処法 強迫観念の不安を力に変える方法とは
こんにちは。鈴木です。
強迫性障害でもなんでもそうですが、ストレスをどう扱うかは重要です。
ドキドキしたり汗が出てきたりすると「ストレスだ」と思うでしょう。
多くの人はストレスをなくそうとします。
しかし、心理学の研究ではストレスをなくそうとすることはうまくいきません。
もっと別の方法が良い結果を出しています。
今回は不安を中心にしたストレスへの考え方をご紹介します。
ストレスと強迫はセットのようなもの。
強迫性障害に挑戦する時の対応の参考になるので身につけておくと役に立ちます。
ストレスが役に立つと思うと心が強くなる
クイズです。
ストレスを
A:「悪いものだからなくそう」
B:「役に立つところもあるから利用しよう」
どっちに考えたら健康状態が良くなるでしょうか?
心理学の研究では答えはBです。
ストレスが高まると集中力・やる気が高まる効果があるのです。
集中力が高い時ってリラックスではなく、緊張感がある時ですよね。
ストレスや緊張は役に立つ側面があることはあまり知られていません。
例えば人前で話す時に緊張してドキドキを感じたとしましょう。
心理学の実験では、大勢の前で話す時に「リラックスしよう」と考えるのと「ワクワクしている」と考えるのでは、緊張度合いはどちらも下がらなかったけれど、後者の方がうまく話すことができるという結果が出ています。
その他にも仕事や勉強・運動でも緊張感があるとパフォーマンスがアップするのです。
このことからストレス場面では「ドキドキ」「汗が出ている」は「ワクワク」「興奮している」「体が脳に血流を送ってエネルギーに変えている」と考えると良いと言われています。
リラックスしたり不安を下げたり必要がないのです。
ストレスや緊張は力の元になるから。
「ドキドキは力になっている」と考えて、やることやっていると緊張していてもすばらしい結果が出るのです。
逆に「ドキドキしたり、汗をかいたりするのはストレスで、ダメだからなくそう」と思っていると、緊張度合いが高まるだけで不安はもっと強くなります。
ストレスを受け入れることが大事。
これを知っておくと、不安な時の考え方って変わってきますよね。
強迫からエネルギーを吸い取ろう!
強迫性障害でもこのストレスへ対応は役に立ちます。
強迫行為をしないで、あえて不安なことをするとドキドキしたり、汗をかいたりするでしょう。
いやーな感覚もしますよね。
「不安だから安心しなきゃ」って思いがち。
ここで「このドキドキや体の感覚は、自分に力を与えているんだ」と考えましょう。
心臓がやる気を出すためにエネルギーを脳に送り込んでいるイメージです。
緊張が体全体に感じるなら、体全体にエネルギーが行き渡っていると考えましょう。
そうすればドキドキは「なくすもの」ではなく「強迫に対抗するために必要なもの」と変わりますよね。
不安になりドキドキさせる強迫観念はエネルギーの供給源みたいなもの。
だから強迫観念は歓迎した方がよいのです。
強迫性障害のLINEグループ(OCDサロン)の中では「モヤモヤウェルカム」として、お話ししたこともありました。(LINEのグループについてはこちら)
強迫行為なんかしてはいけません。
不安を下げることは、強迫に挑戦するエネルギー補給を止めることですからね。
不安が強くなればなるほど自分が強くなります。
一定年齢以上の男性なら知っているかもしれませんが昔「酔拳」ってありましたよね。
酔拳は酒を飲むことで強くなる拳法。
「酔えば酔うほど強くなる」ってやつ。
あれと同じ。
強迫性障害の治療は不安に慣れることですからね。
不安が起こらないと治療にならないのです。
まさに心の筋トレ。
だから自ら強迫の不安を引きずり出すようなことをしましょう。
汚いものに触る、危険だと思っていることをやってみる、不幸になりそうなことをやってみる、とか。
その時に起こる不安は歓迎しましょう。
強迫から自由にしてくれるエネルギーですからね。
どんどん強迫からエネルギーを吸いとってください。
まとめ
ストレスは敵ではなく役に立つと考えれば、力に変えることができます。
逆にストレスは敵で減らすものだと考えれば、どんどんストレスによって力をうばわれるでしょう。
強迫も同じです。
強迫に挑戦して不安でドキドキするのは体があなたにエネルギーを補給している証拠と考えましょう。
不安を強くすればするほど、強迫に対抗するあなたの力は高まります。
強迫にエネルギーを吸い取られるか、強迫からエネルギーを吸い取るかはあなた次第です。