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強迫症が治ったら強迫観念は考えなくなるのか?って疑問に答えます

こんにちは。鈴木(komayamaco)です。

 

よくある質問があって

「強迫が良くなったら強迫観念を考えなくなりますか?」

 

薬でも認知行動療法でもなんでもいいから強迫観念をなくしてほしいと思っている人も多いでしょう。

そんな人にとっては強迫観念がないことが治るイメージだと思っている人も多いはず。

 

そこで今回は強迫症が良くなったら強迫観念を考えなくなるのか?について書きます。

この問題は強迫観念にどう対処すればよいのか?につながる大切なこと。

現在強迫症でお悩みの方は強迫観念との付き合い方の参考になる思います。

 

 

 

強迫観念を2度と考えない、ということはない

 

いきなり結論から言えば「強迫観念の内容を考えなくなるということはありません」。

 

「うわー、やっぱり強迫は治らないんだ。お先真っ暗」と思ったあなた。

最後まで読んでください。

絶望的な話ではないので。

 

「強迫観念がなくなる」を「2度と不安な考えが浮かばない」ってこととしてしまうと、それはないだろうということです。

 

例えば「さっき誰かを突き飛ばしてケガをさせたかも」と悩んだ人が治療して全然気にならなくなったとして、この先ずっと考えないのかっていわれたら、可能性としては記憶を抹消しない限りないんですよ。

 

人って良いことも悪いことも覚えているものはいくらでもありますよね。

それを自分の嫌なことだけ記憶からパーンとなくすことはできないことは想像に難くありません。

 

何年も苦しめられ続けた強迫観念を一生忘れるって無理なんです。

 

強迫観念があっても「治る」

 

「やっぱり絶望的じゃないか!」と思ったあなた。

ちょっとお待ちを。

 

じゃぁ、一生強迫観念に苦しめられるのか?と言われればそれは違います。

 

皆さんも嫌な思い出の一つや二つはありますよね。

それを記憶から抹消しない限りは、楽しい人生を送れないことになるのでしょうか?

違いますよね。

思い出したら嫌なものとして体験するかもしれないけれど、ずーっと浸ることなく過ごしていることの方が多いはず。

「そんなこともあったよね」みたいな。

 

強迫も同じで「誰か突き飛ばしてケガさせたかも」と考えることはあるにせよ「いつものやつか」程度で流せるので、全然困っていないので治っている状態といえます。

繰り返し不安な考えが浮かぶことが少なくなりますし、苦痛に感じることもほとんどなくなります。

 

それを「強迫観念が浮かんでくるうちは治ったことにならない」としてしまうと、いくら治療しても治らないことになります。

強迫観念を恐れ、考えないことを願っている人に多いです。

せっかく強迫行為を少なくしても「今のは強迫観念か」「どこからどこまでが強迫観念か」と新しい強迫的なこだわりを生み出しかねません。

 

強迫観念はなくすものではなく、うまく対処法を学び囚われないようにするものと考えると治療がうまくいきます。

 

 

自分の強迫観念はフツーじゃないから異常なんだと思った人へ

 

ここまで読んで

「嫌な思い出は誰でもあることだけど、こんな異常なこと考えるのは普通じゃないでしょ」

と思った人がいるかもしれません。

 

「普通の人は『誰かを突き飛ばした』なんて考えない。この考えは異常だ。異常なのだから考えをなくさない限り治ったことにならない」

ということですよね。

 

実は普通の人でも9割くらいの人が普通では考えないことが頭に思い浮かんだ経験はあると言われています。

 

内容は人それぞれかもしれませんが、普通の人は普通ではないことを考えても「変なこと考えちゃったな」程度で済むのに対して強迫の人はものすごく「意味のあること」と考えます。

 

例えば殺人のニュースを見ていたらそれが記憶に残り「他人を殺してしてしまったイメージ」がふと浮かぶことが出てくるかもしれません。

普通の人は浮かんでも「怖いこと考えたな」と思うだけ。

強迫の人は「そんなこと考えているのは自分が殺人鬼の素質があるのかもしれない」「そんなこと考えたら家族が死んでしまうかも」など、考えていることに「意味」をつけてしまいます。

「なんでこんなこと考えたのだろう」と原因探しをしてしまうのも理由の一つ。

人によっては「人殺しを考えたことは、人を殺したことと同じくらい罪深いこと」と、悪いことを考えただけで悪いことをしたことと同じと考えて苦しみます。

 

このように「変な考え」は普通の人でも考える現象なのですが、強迫の人は考えの内容にこだわり打ち消そうとする行動をエスカレートしていくから病的になるのです。

 

強迫観念が浮かぶのが問題なのではなく、考えていることに対して自分の反応の仕方が問題になっていると考えてください。

 

 

 

強迫観念をなくそうとしないことが、考えないことにつながる

 

強迫観念はなくならいと書きましたが、実は改善してくるとほとんど考えなくなることはあります。

「結局どっちだよ!」と突っ込まれそうですが・・・。

考えなくなるのは強迫観念が浮かんでもやり過ごせるようになったからであって、強迫観念が浮かばなくなったからではありません。

逆説的ですが強迫観念をなくそうとしないことが、強迫観念をなくしていくことにつながるんですよ。

 

強迫症の治療をする時は強迫観念をゼロにしようとせず、強迫観念が出てきても対処できる自信をつけよう!と思ってやると克服しやすくなるのでおススメです。

 

動画はこちら

 

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