2018.06.17 | 確認・加害強迫
「他人を殺してしまうのでは」と不安な強迫の克服法
こんにちは。鈴木です。
殺人や強盗、痴漢などニュースを見ると「自分もやってしまうのでは?」と不安になって、不安なことを避けるタイプの強迫の人がいます。
「急に発狂して、コントロールできなくなり、人を殺してしまう」など考えていませんか?
包丁やハサミなど武器になりそうなものを使えなくなったり、人を避けたりして支障をきたすようになります。
今回は、上記のような症状で困っている人の対処法について紹介します。
実践することで怖い想像に振り回されなくなるでしょう。
まず自分の強迫観念と強迫行為を把握しましょう。
強迫観念について
強迫観念は「ナイフで人を刺してしまうのでは」など、浮かんでくる不安な考えです。
これはわかりやすいでしょう。
強迫行為について
強迫行為は、不安を解消するためにやっている行動や思考パターンです。
強迫観念があることでやっている強迫行為を振り返りリストアップしてみましょう。
以下が例です。
・包丁、ハサミ、眉用のハサミなど鋭利なもの、武器になりそうなものを使用できない。
・鋭利な物を持ち歩くのを避ける
・自分のバッグの中に鋭利なものがはいっていないか確認する
・鋭利なものを使用する時に頭の中で「自分は何もしていない」と言い聞かせる
・周囲に「何もしてないよね」と確認する
・不安になりやすい場所(人ごみ、電車、小学生や高齢者などいるところなど)を避ける
これらの行動は一時的には安心しますが、やればやるほど不安は強くなります。
自分の行動や記憶に自信が持てなくなり、症状が悪化していくのです。
このため強迫行為をやめていく必要があります。
忘れがちなのは、頭の中で「自分は何もしていないから大丈夫」など安心させるのも強迫行為なのでご注意下さい。
克服方法
克服方法は「誰かを傷つけてしまうのでは?」という不安に慣らしていくことです。
リストアップをした強迫観念と強迫行為を参考に自分が怖いと思っていることをしていきましょう。
基本パターンは以下の2つのことをします。
1.強迫観念は肯定する
例
人を殴ったのでは?→人を殴った
こんな感じで不安をあおって不安な考えに慣らします。
「もし本当に殴っていたらどうするのか?」と考えたくなるでしょう。
基本は「不安なことは起こってから考える」として、「殴った時の対処」などは考えないようにしましょう。
2.強迫行為とは逆のことをする、またはやらない
例
眉用ハサミを持ち歩かない→あえて持ち歩いて人ごみに行く
包丁の使用を避ける→家族の前で包丁を使って料理をする
このようにこれまでやってきたこととあえて逆のことをやって、不安の強さを上げていきます。
最初は不安ですが、何度もやっていくうちに不安に慣れてきて、強迫観念にとらわれることが少なくなるのです。
もちろん、銃刀法違反にならないよう法律は守って練習はします。
難しいと思ったときはハードルを下げて、徐々には難しいものにチャレンジしましょう。
例
人前で眉用ハサミを使用
→人前でハサミを使用
→人前でカッターを使用
→人前で包丁を使い料理をする
やってもうまくいかない時は
もし、やってもうまくいかない時は、以下のことが考えれます。
※「怖くてできなかった」は除きます。
1.練習回数が足りない
数回やっただけだと怖いままです。できれば毎日、飽きるくらいまで何度もやりましょう。
2.安心させながらやっている
例えば包丁を使い料理をしている時に「大丈夫。誰も傷つけていない」と言い聞かせるなど、安心させながらやるのは強迫行為をやっているのと同じです。
頭の中で安心させないようにしましょう。
3.そもそも直面する不安がズレている・やり方が間違っている
これは専門的な知識が必要なことがあるので、一般の方が自分自身では気づくのは難しいです。
専門家に相談した方が早いでしょう。
まとめ
あえて不安なことを考えて、安心することとは逆の行動をやり、不安の強さを上げてそれに慣れていくことで、強迫は改善します。
最初は怖くて少しずつできるようになってきます。