2019.04.28 | 強迫性障害全般
入浴時間が5時間から10分台に!強迫症が改善した人の事例を紹介
こんにちは。鈴木(@komayamaco)です。
強迫症の人が良くなっている事例を知ることは大事です。
改善することがわかると希望が持ちやすいですからね。
これまで3~6ヶ月と比較的早く改善した人の例を紹介してきましたが「そんな早く良くなっていない自分は治りが悪いのか?」と焦ってしまう人もいるようです。
そこで今回は一年ほどかけて少しずつやった人の事例を紹介します。
最後に本人へインタビューも少し載せました。
洗浄強迫や不完全恐怖が中心ですがいろんな人に参考になるかと思うので是非見てください。
入浴に5時間かかるようになった!
今回の事例は齋藤さん(仮名)です。※ご本人にブログ掲載の許可は得ています。
齋藤さんは、リモコン、手すりなど汚れていると思っているものに触ったら手を洗うようになり、手洗いの時間が長くなっていきました。
外のものが怖くなり外出が億劫になります。お金も汚いと思うようにもなりました。
買ってきたものは洗ってからでないと触れませんし、帰宅すると部屋着に着替えないと部屋にはいれません。
手洗いをすれば「石鹸がついてるのはないか?」と手洗いがやめられず、入浴時間はシャワーだけで5時間かかり生活にかなり支障が出ていました。
そのほかにもこんな症状がありました。
・ドアの鍵、ガスの確認
・水道は「きつくしめすぎていないか」と何度もしっくりくるまでやり直す
・水道の蛇口、ペットボトルの「きつく締めていないか」と考えやり直す
・苦手な数字を見ると、別の数字を考えたり見るなどして打ち消す
・他人と話している時「ちゃんと理解しているか」「ちゃんと伝わっているか」を気になり相手に確認する
・動画や書籍はきちんと理解できないような気がして戻る
病院は受診せず、自宅に引きこもるようになります。
そこで認知行動療法を希望し、カウンセリングが開始となりました。
強迫の克服の様子
齋藤さんと話し合い、まずは汚れなが気になり手洗いをすることから改善していくことにしました。
汚いと思っているリモコンを触ったり、リモコンをキレイにしておきたい場所であった洗濯したあとの洋服やベッドにもっていきました。
同じようにお金を触り、キレイにしておきたい場所に汚れを広げていきます。
トイレの後の手洗いをしないでそのままにしたり、外出先でいろいろと触った後に帰宅してそのまま過ごしてもらいました。
入浴については体を洗うだけでなく壁や床の髪の毛も洗い流すのに時間がかかっていました。
まずは周囲のものから洗い流すのをやめ、体は完璧じゃない洗い方をするなどして少しずつ短くしていきます。
他の症状も気になっても確認しない、やり直さないでどんどん行動していく練習を繰り返しました。
半年後、いろいろできるようになりましたが、ベッドを汚すことなどはまだ抵抗があり、細かい強迫行為は残っていました。
入浴時間は当初の5時間から短くなったものの一時間半はかかっていて、治っているとは言えない状態でした。
その後やや停滞していた時期もありましたが、あきらめずに少しずつ短くする練習を続けます。
一年後には、だいたい30数える程度で体を洗い流せる程度までなり、シャワーだけなら10分ちょっとで出られるようになりました。
強迫症状で生活に支障はなくなり、久しぶりに髪を切りに行ったり、車を運転できるようになり、生活の幅が大きく広がりました。
本人インタビュー
-カウンセリングを受けようと思ったきっかけは何ですか?
自分と母親で強迫をどうしようと話し合っていたら、母親が鈴木さんのブログを見つけてくれたんです。認知行動療法をブログを読んでみたんですけど、「ほんとによくなるのかなぁ」「これ一人でやるのきついなー」っ思ったのででカウンセリングを受けようかって。頼むんだったら鈴木さんかなぁと思って申し込みました。
-認知行動療法をやって大変だったことはありますか?
風呂だと「本当に短くなるのか?」とか思いました。短くできてきた後も「これ以上どうするのか?」とか。
他のやつも「これ(練習について)本当にやるの?」って(笑)
自分の中では当たり前と思っていたことをやってはいけないってのが大変でした。
-大変だったと思うのですが、なぜ治療をやり通せたと思いますか?
基本は治したいからというのはありましたね。
できないことに対して達成するのをやりたいというのがあって、負けたくないのがありました。
あと鈴木先生の存在も大きかったです。いろいろ考えるからこうなった(強迫)のかもしれませんが、世の中にはこの病気のことは理解しにくいと思いますし、理解してもらえたのはよかった。
-これから治療をしようかと思っている人にアドバイスを!
やればよくなるよ(笑)
えらそうなんですけど・・・アドバイスですかーなんていったらいいかなー
-「やればよくなるよ」で大丈夫ですよ(笑)
おわりに
齋藤さんは最後には今後強迫が出てきたとしても「まぁやれるだろう」と思えるようになったそうです。
強迫は時々顔を出すので「出てきても対処できる」という自信がついたことは大きいと思います。
洗浄強迫だけでなく、不完全恐怖のような「スッキリ感」を求める症状など様々な強迫があったのですが、がんばってやっていました。
齋藤さんの事例から地道にやっていけば時間がかかっても多数の症状がよくなることがお分かりいただけたのではないでしょうか。