2019.12.27 | 強迫性障害全般
強迫観念が不安な時に起こる動悸や息苦しさへの対処法
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
強迫症(障害)で強迫行為をしないでいたりすると不安が強くなり動悸や息苦しさ、冷や汗、震えなどの体の症状が出るかもしれません。
「ドキドキしてきて息苦しい、これはまずい状況かも」
「なんかおかしくなってしまうかも」
と考えて強迫行為をしたり怖い状況から逃げ出してしまうことがありません?
今回は強迫観念が強い時や曝露反応妨害など不安が高まった時に起こりやすい動悸や息苦しさなど体の出てくる症状への対処について説明します。
こんな人は見てください
・強迫観念が強くなると動悸、息苦しさ、汗をかくなど体の症状がでて大丈夫か不安
・体の症状に対してどうすればよいのか知りたい
強迫症に限らず不安への基本的な考え方なので参考にしてください。
なぜ強迫観念が強くなるとドキドキしてくるのか?
なぜ不安になると動悸や息苦しさなどが体に出てくるのか?
わかりやすい説明として「戦うか逃げるか反応」というものがあります。
目の前にクマが現れたらどう感じるでしょうか?
危険が身に迫ると人は逃げるか戦うかをしなくてくてはいけません。
血圧を上昇させるので、心拍も上がりドキドキ、息苦しさ、汗が出などが出現します。
逃げるか戦うかの準備を体がしているのです。
これが「戦うか逃げるか反応」です。
脳が「危険だ!戦うか逃げるかの準備だ!」と警報をだして体に身を守るための命令をしているんですよ。
人にとって危険を回避する重要なシステムといえます。
不安が強い時は強迫によって警報機が壊れていると考えよう
この重要なシステムで悪さをするのが強迫症です。
不潔強迫の人が汚いと思っているものに触ろうとしたら「それは危険だ!ウィルスで死んでしまうかも!」と警報を鳴らすと動悸がしてくるってわけです。
なんでもかんでも「危ない!」と警報を鳴らし続け、曝露をして苦手なものに触ったり強迫行為をしないでいるとさらに警報を鳴らします。
体は戦うか逃げるか反応をするのでさらに動悸がしてきたり息苦しくなったりします。
ご存じの通り強迫は脳をだますのが上手です。
実際には苦手な物に触ることをしてもウィルスで死んだりすることはないのですが、警報機を壊してイタズラをしているのですよ。
「強迫行為をしないと大変なことが起こるぞー」って。
体の症状への対応
強迫での不安は強迫のイタズラなわけだから本来であれば警報機がなっても、逃げようとしたり強迫行為をして安心させる必要はないです。
警報機が鳴り続けるから動悸が収まらないし、息苦しいし「このままでは気がくるってしまう」って思うかもしれません。
人によっては「無理はするな」という体の警告だ、と勘違いして強迫行為をしてしまいます。
しかし、戦うか逃げるか反応は本来身の危険を守るシステム。
体は不快かもしれませんが危険なものではないのです。
だから動悸や息苦しさなど体で出てくる症状はほっといて大丈夫。
警報機が静かになるまで今自分がやりたいことをやりましょう。
慣れないうちは呼吸法などリラクゼーション法をやってもよいですが何もしなくても100%いつか収まります。
あと「ドキドキは体が自分を助けてくれようと頑張っているんだ」と体の症状を受け入れる方法もあります。
ストレス全般、ほかの不安系の症状にも使えるかもしれません。
これについてはこちらの記事を見てください。
警報機にびっくりしなくなると改善しやすい
ずっと警報機がなるのは嫌だな(ずっと強迫観念でドキドキするのか)と考えるかもしれません。
しばらくの間は大変かもしれませんが、それは大丈夫。
最初は警報機にびっくりしたかもしれないけれど、だんだん警報機がなってもびっくりしなくなります。
要するに慣れるということ。
あー、またいつもの壊れた警報機かって感じで。
動悸や息苦しさがあってもそのままやり過ごすことができて、体の症状にも慣れてくるのです。
そうすると戦うことも逃げることもする必要がないことを学ぶので、動悸や息苦しさも出てこなくなってきます。
ただ強迫行為をしてしまうと「警報機のいう通りにしなかったら大変なことになって対処かも」と考えるので、いつまでも慣れることはなく動悸が息苦しが不安になる度に出てくることになります。
警報機を無視したら危険な人になってしまうのでは?
ここで「警報機を無視続けてそれに慣れたら本当の危険も察知できなくなるのでは」という疑問が出てくるかもしれません。
不潔強迫の人は不潔で危険なものも平気となり、
確認強迫ならいつもミスばかりするズボラな人になり、
縁起や加害強迫なら不道徳なことも平気な殺人鬼のようになるかも、
と考えるのでしょう。
そこも大丈夫です。
強迫症の人の警報機は敏感すぎるのです。
なんでもかんでも危険、少しでもスッキリしないところがあれば不快だから直すべき、とか超敏感センサーなんです。
強迫は警報機のセンサーを超敏感にするイタズラをしているといえます。
だから強迫症の治療は敏感すぎるところを鈍感にしていくこと。
警報機を無効にするわけではないのです。
センサーを鈍感にしていくためにはあえて危ないと思っているものを警報機の前に差し出してみる(不潔だと思っているものに触るなど)とか極端なことをやると、ちょっとした刺激ではセンサーが反応しなくなります。
これによって警報機は正常に戻り、強迫症も改善していくのです。
決して危険を察知できない人間になるということはありません。
不安も適度に感じつつ、生活に支障のない感じになりますよ。
まとめ
強迫行為をしない時などに起こる動悸や息苦しさなどの体の症状は異常なのではなく、体の防衛反応と考えてください。
不快ですが危険なものではないのでほっといて大丈夫。
必ずおさまります。
強迫行為をしないでいると毎回不安でドキドキしていたのが鈍感になりそのうち動悸や息苦しさなども徐々に減ってきますよ。
動画バージョンはこちら
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