2016.06.12 | 強迫性障害全般
強迫性障害に認知行動療法をやっても悪くならないのか?って疑問に答えます
こんにちは。鈴木です。
今回はこのよくある質問にお答えします。
これはよくいろんな人から聞かれる質問なんです。
行動療法は不安で避けていたことをあえてやっていく方法ですからね。
「もっと悪くなったらどうしよう」って疑問がわくでしょう。
先日、OCDサロン(強迫性障害の方のLINEグループです。参加希望の方はこちら。無料です)でも話題に出たので書いていきます。
結論から言えば「きちんと最後までやり通してもらえればそんなことはない」です。
それなのに、どうしてこのようなウワサが飛び交うのでしょうか?
考えられるのは2つ。
①やり方が間違っている
そもそも行動療法のやり方がマズイとなかなかうまくいきません。
代表的なのは
・確認の回数を「○○回だけ」にしよう
・手洗いの時間を数分ずつ減らしていこう
これはこれで少し軽くなるかもしれませんが、なかなか良くならないでしょう。
特に「○○しない」って目標を立てている人は注意してください。
・「確認しない」は目標にしてはダメ! 強迫に挑戦する前に知っておきたい目標の立て方
「○○だから大丈夫」「自分を信じよう」とか頭の中で安心させながらやってもダメでしょう。
そりゃ「行動療法やっても良くならなかった」となります。
②最後までやり通せないで終えてしまう
ちゃんとしたやり方でやっても、不安に直面する覚悟がないままやると、だいたい挫折します。
思っている以上に不安に直面しないと、中途半端にしか良くなりません。
中途半端なやり方や気持ちでやると、強迫行為をしないようにした時、我慢できなくなります。
我慢した後の強迫行為は格別です。
これまで我慢した分もっと強迫行為をやってしまいます。
ケーキをずーっと我慢した後にケーキを食べると、いっぱい食べたくなりませんか?
で、「行動療法やったら悪くなった」と感想を持ちます。
お医者さんやカウンセラーから「行動療法は悪くなる」っていわれる理由は?
そもそも行動療法は薬よりも効果が高いことが世界中でわかっています。厚生労働省がだしているマニュアルにも行動療法は勧められていますし。
というか、薬と行動療法以外科学的根拠のある方法ってないです。
他にあったら私が真っ先に紹介しています。
こんだけ世界中で結果が出ているのに、なぜ日本のお医者さんやカウンセラーから「悪くなる」「表面的な対処療法だからよくならない」と否定的な意見があるのか?って疑問に思いませんか?
その理由は以下の通りです。
「行動療法をやると悪くなる」と言っている人は、行動療法を専門的にやったことがないから。これは断言できます。
また専門のカウンセラーを雇ったことがないのです。
よく一般の方が誤解しているのは「医師やカウンセラーなら認知行動療法の教育を受けてくるだろう」というもの。
教科書でやるくらいでまず実践を学ぶことはありません。
行動療法を専門的にやっている人は日本では超少数派です。
やったとしても
「確認を普通の人くらいにしましょう」「手洗いを短くしましょう」ってまた中途半端なやり方をやってしまうので、当然患者さんは良くなりません。
つまり、やり方をきちんと理解していないし、それによって結果を出したことがないし、専門家が少ないので見たこともないのです。
そりゃ「行動療法をやっても良くならない・悪くなった」という結論になります。
行動療法をやって良くなるために
要するに「行動療法やったら悪くなる」っていうのは、やり方を間違っているか、怖くて途中で挑戦をやめてしまったか、の可能性が高いです。
だから情報は鵜呑みにしないほうがよいです。
では、行動療法をやって悪化しないためにはどうしたらよいのでしょうか?
行動療法はやるのが大変。だからこそ挑戦したら結果が欲しいですよね。
良い結果をだすために以下のことをおすすめします。
行動療法の専門家のもとで治療を受ける
理屈の上では強迫性障害は一人でも治せます。
しかし、ほとんどの人が挫折します。
やり方を間違っていたり、途中でやりきれなかったりが原因です。
「一人でなんとかできないか?」って思っちゃうんですよね。
それで行動療法受けるまでに時間がかかります。
筋トレやダイエットだって、プロと一緒にやった方が早く結果を出せる可能性は高いです。
ですから専門家のもとでやった方が近道でしょう。
ただ専門家を見つけるのが難易度高いです。
大学病院とか行ってもほとんどいませんよ。
ホームページで「認知行動療法もやってます」って書いていても専門ではない人がやっていることがよくあります。
「○○療法、○○療法、○○療法、いろんなのやってます!」ってのは候補から外したほうがよいです。
専門家を選択する時は注意しましょう。
やり通す覚悟をもつ
行動療法は他人から「やれ」と言われてできるものではありません。
強い不安に直面してでもやり通す覚悟が必要。
不安だからといって途中でやめると不安はもっと強くなります。
「強迫から逃れたい」「強迫観念をなくしたい」という「逃げ」の気持ちでは挫折する可能性が高いです。
このため、やり通す覚悟をもって行動療法に挑みましょう。
近くに行動療法の専門家がいなくて困っているって方は、電話かスカイプのカウンセリングはいかがでしょうか?