2018.07.27 | 強迫性障害全般
強迫性障害を認知行動療法で治そうとしたきっかけをまとめてみました!
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
強迫に最も効果があるとされている認知行動療法は、改善率は高いですが自ら不安に直面するためやる気がないとできないのがデメリットです。
「改善した人はどうして苦しい認知行動療法をやろうとしたの?」とよく聞かれます。
そこで今回は強迫が改善した人がどのようなきっかけで認知行動療法で治そうとしたのか?を、私が実際に強迫が改善した方から聞いたことをまとめてみました。
認知行動療法で治そうと思ったきっかけについて、大きく3つに分けられました。
1.薬や他の方法が効かなかった
最初から認知行動療法をやろうと思ったって人は少ないように思います。
いくらネットで認知行動療法が有効と知っていても、わざわざ不安にあえて直面することなんてしたくないでしょう。
そうすると過去を追及するようなカウンセリングや、栄養、運動、などで治そうとします。
当然強迫は改善しません。
また病院に行く人が多いでしょう。
病院に行くとほとんどが薬物療法となります。
薬物療法はきちんとした科学的根拠もある治療法ですが、
・効かない
・効いても結構症状が残っている
・やめると再発率が高い
という結果になる人もいます。
と、なるともう認知行動療法しかないのです。
こんな感じで「もう他の方法はないから認知行動療法をやるしかないと思った」とおっしゃる方が多いですね。
2.一生このままじゃ嫌だと思った
強迫になると日常生活にいろいろ支障が出ます。
好きなことがやれなくなる、毎日強迫観念に悩まされる。
症状がなくなったと思ったら、また出てくる。
「もしかして、一生このまま?」と考えると、絶望感に陥り、消えたくなってしまう人もいます。
しかし、絶望感から一転、「一生このままは嫌!」と考え認知行動療法に踏み出すことを決心したって人は多いです。
「絶望」は「希望」があるから感じるもの。
強迫に支配された現状維持ではなく、自分の人生を歩みたい!と考えたことがきっかけになるようです。
3.家族のためにやらなくてはと思った
強迫の人は周囲を巻き込みやすいです。
このため家族関係がかなり不安定になります。
強迫である本人は家族に理解がないと考え、家族は巻き込みで苦労しておかしくなりそうなのにさらに要望する本人にイライラするというパターンが典型。
家庭崩壊してしまう人も少なくありません。
パートナーや子どもとの楽しい時を過ごせなくなります。
このように家族を巻き込んでいることで「このままじゃいけない」と感じ、治そうと考える人って結構います。
家族を大事に思っている人なんかは特に治そうとするきっかけになりやすいです。
共通していること
3つのきっかけに共通しているのは、
・「このままではいけない」「もう認知行動療法をやるしかない」と今の状況に危機感があること
・家族との時間、趣味など楽しい時間、こうありたい人生、など不安を乗り越えた先に欲しい未来があること
逆に
「困ってはいるけれど、今のままでもある程度生活できているし、なんか探せば他のいい方法があるかもしれない」
「勇気が出るコツってないかなぁ」
「とにかくこの不安をなくしたい」
「どうやったら安心できるかを知りたい」
って人は認知行動療法に踏み出そうとはしないですし、やっても挫折をしてしまう可能性が高くなる印象です。
「そんなこと自分もすでに思っているよ」って思った人へ
「危機感もあるし、やりたいこともある、でも怖くて踏み出せない」と思っていませんか?
そうなんです。
多くの人はそんな風に考えてはいるのです。
では、改善する人との違いは何か。
実際に行動しているかどうかです。
改善する人はここで行動に移します。
つまり認知行動療法をやろうとします。
「怖いけどやるしかないからやる」って感じです。
改善しない人は「どうやったら、やるしかないって思えるのか」「勇気がでるコツ」など「心持ち」を変える情報探をします。
自己啓発とか心理学とかの情報を集めてばかりいる人が多いです。
「情報はもっているけど改善しない人」は注意ですね。
改善のための「きっかけ」って実はすでに自分の中にあるものです。
それを活かして行動するかどうかなんですよ。
最後に行動すると決めて実行するのは自分です。
それでも「コツ」が欲しいという人へ
そんなこといっても、やっぱりきっかけをつかむコツが欲しいですよね。
2つほどコツを紹介します。
①以下の質問を自分に問いかけて答えを思い出す
・自分はどうして不安に直面してまでも強迫を治したいのか?
・強迫行為をしているデメリットは何か?
・強迫がよくなったら何がしたいのか?
・今一歩踏み出すとしたら何ができそうなのか?
これらの質問に自分に問いかけ、苦しくても認知行動療法をやった方がよい理由を整理してみるとよいでしょう。
なかなか前に進めない時、苦しい時に思いだしてみるとよいかもしれません。
考えたら実行に移しましょう。
②強迫に挑戦している人の影響を受ける
ネットで情報を集めることが多いと思いますが、
・「強迫って治らないよね」というネガティブな情報
・「鍵をかけた時に写真をとって安心させたら外出できました」という強迫行為をしているだけで改善はしない情報
・「ポジティブに考える」など自己啓発的な情報
・怪しげな情報
が多く、参考にしても改善はしません。
人は周囲の影響を受けやすいという心理的な傾向あります。
上記のような情報や「強迫で苦しい」というネガティブな情報は苦しい時ほど「もしかして不安に直面しなくても治るかもしれない」「自分だけじゃないんだ」と安心できます。
反面、挑戦できないことも影響を受ける可能性があるのです。
一方、認知行動療法しかない、不安に挑戦しよう、苦しくてもがんばる!って人の情報をみて影響を受けるようにすることで、一歩踏み出しやすくなります。
認知行動療法をがんばっている人を見つけて影響を受けるのも手でしょう。
ただ、これをしても行動に移せない人が多いかもしれません。
それはもう情報を集める段階は終わっていて、あとは行動するのみ。
情報集めは単なる挑戦することからの逃げになっているかもしれません。
一歩踏み出しましょう。
まとめ
強迫を認知行動療法で改善した人のきっかけについて紹介しました。
きっかけ自体は自分自身の中にあるものです。
強迫行為をしている現状のマイナス点を考え、克服するプラス面を考え、まず一歩踏み出すことがおススメです。
動画はこちら