2020.11.08 | 強迫性障害全般
強迫症に「手洗い・確認は3回まで」がうまくいかない理由と対策
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
強迫行為は減らそうと「確認は3回まで」など「〇回で強迫行為をやめよう」とやっている人いませんか?
一部のカウンセラーなどからこのような指導される場合はもあるようですが、認知行動療法の専門家ではないことがほとんど。
この方法でうまくいく人もいるかもしれませんが、ほとんどの人はうまくいきません。
強迫行為を減らせてもまたよくなり切っていなかったり、すぐに悪化してしまう人も多いです。
今回はこの理由と対策について説明します。
うまくいかない理由① 一回やりだすと止まらない
強迫行為を我慢していると「あと一回だけ」「これで最後」という誘惑に負けて、一回やったら止まらなくなったという経験はありませんか?
一回やったら止まらないのが強迫。
例えばダイエット中に目の前にケーキがあって一口だけ食べて我慢って難しいですよね。
ちょっと食べたら「もういいや」と思ってどんどん食べたくなるもんなんです。
それと同じ。
ましてや「3回で我慢」とか中途半端な我慢の仕方だとかなり難しい。
中途半端に我慢した分、もっと強迫行為をやりたくなって止まらなくなります。
多くの人は「確認や手洗いは〇回までに減らす」というのが小さなステップと考えがちですが、かなり難しい方法なんですよ。
うまくいかない理由② 強迫行為をしているから
「確認は3回まで」は厳密にいうと強迫行為をしているんです。
下手をすると「確認を3回したから大丈夫と考えよう」とか安心させようとしてしまいます。
「○○だから大丈夫」と考えるの強迫行為の可能性があって、きちんと不安に直面しておらず中途半端になっています。
3回から少しずつ減らしていければいいのですが、そこからは減っていきません。
「3回くらいで確認が済めば別に生活に支障がないからいいじゃん」と思ってしまうのです。
この誘惑に多くの強迫の人がのってしまいます。
「それで治ったってネットで見た」とか思いませんした?
そのような「一見楽そうに見える情報」に希望を見出したくなりますが、疑ってかかりましょう。
治療を中途半端にして強迫行為を残していると、一時的にはよい状態が続いても再発は必至です。
この状態は「強迫とうまく付き合っている状態」ではないのです。
強迫行為を減らそうとする努力はよいのですが、きちんと治療をやりきるようにしましょう。
絶対だめではないけれど、他のやり方の方がよい
強迫行為の回数を決めて減らしていくのは絶対ダメというわけではありません。
ある程度までうまくいくこともあるし、私も意図的に少しずつ確認や手洗いの回数を減らしていくことをやることはあります。
しかし、多くの人はすでに「〇回まで」と回数を制限するやり方で失敗しているものです。
中途半端に我慢すれば、我慢した分だけ強迫行為をもっとやりたくなるもの。
「強迫行為を我慢したらもっとひどくなった」と考えてしまう可能性があります。
このため他の方法をやった方がよいです。
どのような対応がいいかはケースバイケースですが強迫行為を減らすヒントをお話します。
強迫行為を減らすヒント
オススメなのは手洗いや確認回数の回数を決めるのではなくて、強迫行為をしなくても我慢できそうなところから練習していくこと。
例えば確認強迫の人で外出前にガスや窓、コンセント、電気のスイッチなど確認していた場合「電気のスイッチなら確認しないでやれそう」と思ったら、まずそこから確認しないでやってみるとか。
不潔強迫の人なら手洗いの時間を減らすというよりも「○○だったら触っても手洗いしないで我慢できそう」というものからスタートするとか。
このようにハードルは低くてもよいから強迫行為をできるだけしないでいられることをやっていく方が不安に慣れやすいです。
「自分の場合はどうやったらよいの?」と疑問に思ったら、必ず認知行動療法の専門家に相談して自分に合った克服方法を教えてもらうようにしましょう。
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