2016.11.06 | 強迫性障害全般
手洗い・確認しないっていつまでやればよいの?強迫性障害と心のメンテナンスについて
こんにちは。鈴木です。
よくある質問について。
「良くなったらこれまで通り手洗いしていいですか?」
「良くなったら今まで通り確認していいのですか?」
要するに「強迫の練習が終わったら今までと同じように手洗いや確認をやってよいか?」ということでしょう。
この質問に答えていきます。
今まで通りでは、強迫にとらわれます
質問の答えは基本的にNO。
特に治療を始める初期段階でこの質問をしてくる人の多くは
「今だけ我慢したら、あとでキレイしたり確認したりしたい」という心理が働いていることが多いです。
この発想自体が強迫に囚われたものなんですよ。
数日間手洗いや確認しないで頑張っても、これまでと同じようにするとすぐに元に戻ります。
ダイエットして目標の体重になってから、これまでと同じでような食生活に戻してよい、とはならないのと同じ。
だからこれまでのように手洗いや確認をやってはダメ。
もちろん不安に慣れてきたら、手洗いや確認を最低限する練習はします。
しかし、それは「あとで安心したい」という囚われから脱した後。
「でも昔はそんなじゃなかったし、他の人は手洗いも確認もしちゃってるし、フツーになりたいだけ」とか、とにかく「やっぱりキレイにしたい、確認をしたい」って強迫に囚われた考えがたくさん出てくるでしょう。
この考えも治療していけば少なくなります。
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治療する時は
「もうこれまでのキレイな自分や確認グセのある自分を捨てる」って覚悟を持った方がよいです。
そういう人が強迫性障害を克服していっています。
心のメンテナンスと考えましょう
良くなってからも、強迫への不安に慣れる練習のため時々は汚いものに触ったり、あえて確認しないとかやるようにしましょう。
また不潔強迫の人は普段から手洗いはできるだけしないように心がけた方がいいですよ。
心のクセは油断するとまた元に戻ってしまいます。
こういうと「一度強迫になったらずっと気をつけながら生きていかなきゃいけないのか」と落ち込んでしまうかもしれません。
そんな人は考えてみて下さい。
皆さん、野菜を食べたり、運動したり、きちんと睡眠をとったり、体のメンテナンスをしてますよね。
このことについて「ずっと運動してバランスのよい食事をこころがけなきゃいけないのか」と落ち込む人はいません。
心も同じでなんです。
心の健康は何もしなくても維持できるものって思っていませんか?
メンテナンスは絶対必要。
体の調子を崩した人じゃないと、体のメンテナンスの重要性に気づかないとのと同様、心の調子を崩さないと心のメンテナンスの重要に気づけないものです。
強迫性障害になった人は、心が健康にいられる良さに気づきますよね。
普通に生活できることがどんだけ楽か。
せっかく心の健康の重要性に気づいたのなら、メンテナンスに力をいれていきましょう。
強迫性障害の場合は筋トレのように、日頃から不安に慣れるようにしていくことで、再発を防ぐことが出来ます。
特に認知行動療法は治し方とメンテナンスの仕方を学べるんですよ。
まとめ
健康な人でも心のメンテナンスはやるべきこと。
自分が不調に陥るクセに気をつけることは何にもおかしくないですよね。
だから「強迫良くなったから、好きにしていいんだ」とならないようにしてください。