2015.02.10 | 強迫性障害全般
なぜ強迫の不安に慣れないのか?3つのチェックポイント
こんにちは。鈴木です。
強迫性障害の治療の基本は不安に慣れていくこと。
行動療法の基本です。
でも「何度も挑戦しているけれど、なかなか不安に慣れないんです」って人もいます。
そんな風に思った方は「やっぱり自分は治りにくい」「行動療法は効かない」と考えるのはまだ早いです。
どんどん落ち込んでくるし、怪しげな治療法に走りやすくなります。
ではどうすればよいのでしょうか?
不安に慣れないって思った時にはチェックしてほしいことがあります。
よくある3つのチェックポイントを挙げてみました。
詳しく聞いていくとだいたいの方があてはまることが多いです。
練習回数が少なすぎる
週に数回程度しか練習をやっていないなど、練習回数が少ないと不安にはなかなか慣れません。
よくよく聞いていくと明らかに練習回数が少ないことが多いです。
また不安は一度慣れても、何もしないで時間が経つと復活する性質があります。
何回もやれないものもあると思いますが、やれるものはどんどんやっていくようにしましょう。
例えば、玄関のカギを確認しないでそのままでいる練習をしたとします。
数日に一回程度やってもなかなか慣れません。
何十回とやらないとダメです。
できれば連続で。
不潔強迫や洗浄強迫の人は数日間全く水に触れない、汚いと思ったものに触り、きれいにしておきたい場所を汚していくことを集中的に何回もやっていきましょう。
徹底してやる、あきるくらいまでやるって思った方が良いかも。
どこかで安心させている、どこかで強迫行為をやっている
一番多いのと考えられるのがこれ。
せっかく玄関のカギを確認しなかったとしても、アタマの中で「大丈夫だ」と安心させようとしているのがよくある例です。
大丈夫であることを頭でわかることが練習ではありません。
どんな不安でも恐ろしいことを考え続けたとしても、そのままやるべきことをやっていくことが大事。
不安で良いのです。
だって不安に慣れる練習ですから。
あと本人が思っている以上に多いのが、細かい強迫行為をやっていたり、一時的に我慢しても後で強迫行為をやっていたりするということ。
そして「やっぱり不安に慣れないから強迫行為やらないとダメだ」「このまま強迫を我慢していると一生不安のままだ」となっていませんか?
苦手な場面を残したままになっていませんか?
きちんとやり通さないと不安にはなかなか慣れていきません。
これらのことは自分では気づきにくいかも。
強迫や不安をなくそうとしている
不安に慣れるいうイメージが間違っている可能性があります。
不安に慣れることは不安を感じなくなることではありません。
強迫観念がなくなることでもありません。
不安があっても日常をやれるようになる、というニュアンスの方が近いです。
時々強迫に囚われることがあっても、それが連続して続いていなければ良いのです。
はじめは「強迫観念や不安は結構あるけど、本当にこんな感じでよいのか」と不安かもしれませんが、数ヶ月やり続けていくことそれほど気にならなくなってきます。
「強迫観念があってはいけないし、不安があってはいけない」と考えているといつまで経っても慣れないって考えるでしょう。
強迫をなくすことに強迫的になってはいないでしょうか?
こんな人は自分がどのような生活を送っていきたいのか?を考えてみてください。
不安を抱えながらも、やりたいことやっていけるようになると変わってくることがあります。
もちろん強迫行為はせずにですよ。
あとこちらの記事も参考になるかもしれません。
いかがですか?
一応チェックしてほしいところを3つだけあげましたが、もしかしたら自分ではわからないことも多いかと思います。
そんな時は認知行動療法の専門の人に相談してください。
近くに相談相手がいないって方は、カウンセリングでご相談くださいね。