2024.05.19 | 強迫性障害全般
【強迫症】つらい侵入思考の特徴と対処法
こんにちは鈴木です。
侵入思考って聞いたことありますか?
自分の意思とは無関係に突然頭の中に入ってくる思考やイメージ、衝動のことです。
強迫症の人であれば「鍵がかかっていないかも」「手が汚れているかも」という思考や縁起が悪いイメージ。
うつ病や不安症の人でもあります。
強迫症の人の場合、侵入思考をこじらせたものが「強迫観念」と言われています。
侵入思考を知っておくことは大切です。
侵入思考をこじらせないことで強迫症を悪化させないことにつながるから。
この記事では侵入思考の特徴と対処法について説明します。
強迫観念について考え方のヒントになるはずです。
侵入思考と強迫観念の違い
侵入思考をこじらせてのが強迫観念と説明しましたが、侵入思考と強迫観念と浮かんでくる中身に違いはありません。
強迫じゃない人でも思い浮かぶので、侵入思考であれ強迫観念であれ浮かんでくる内容自体は異常ではないと言えます。
「鍵がかかってないかも」とかよく不安になる人いますよね。
強迫症の人は「こんなこと考えているのは自分だけだ、異常だ」と考えがちですが、強迫観念と同様の内容は普通の人の8~9割で思い浮かぶと言われています。
では、侵入思考をこじらせて強迫観念となる人とそうでない人の違いは何なのでしょうか?
下の図は侵入思考と強迫観念との違いの一部です。
図の説明をすると・・・
「抵抗感」は浮かんできた思考にたいして過度に抵抗することですが、強迫症の人は抵抗感が強いと言われています。
「思考のコントロール」は考えないように思考のコントロールをしようとうること。
例えば考えない努力をするとか。
強迫症では考えない努力はさらに考える結果となるので逆効果となりやすいです。
「中和」は何か悪いイメージが出てきたら良いイメージを思い浮かべるなど苦痛を取り除くような行為をします。
強迫症じゃない人でもやろうとしますが、強迫症では中和に躍起になっています。
「意味づけ」については「他人に危害を加える」というイメージが出てくると「イメージが出てくるということは自分には危害を加える可能性があるということだ」と意味づけすることです。
加害系や同性愛や小児性愛に関する強迫症の人に多いですよね。
このブログを見ている人は強迫観念になっている人なので、思い当たるところがあるのではないでしょうか。
侵入思考への対応方法の基本
図をみてわかるように、侵入思考に対して「変な考えが浮かんでるなぁ」「不安だけどほっとこう」くらいにとらえてほっとけると侵入思考程度。
何かしようと躍起になったり強迫観念に意味づけしたりすることで強迫観念へと発展すると考えられます。
ということは、侵入思考への対応の基本は、不快な考えが浮かんできても、抵抗しよう、考えないようにしよう、無くそう、対応しようとしたり、浮かんできたものに意味づけしようとしたりせず、普通に生活する、ということになります。
要するに「ほっとく」「スルー」ということ。
そうすることで侵入思考についてひたりにくくなり、時間とともに思考は薄れてきます。
もちろん、2度と考えないということではないです。
「ほっといたら、考えないようになるんだ、消えるんだ」と考えると、侵入思考に対処しようと躍起になっているのと同じになるので注意が必要です。
何度も浮かんできますがその度にほっとくことができれば悪化することを防ぎやすくなるのかもしれません。
こじらせている場合、数ヶ月単位での対応が必要となるので焦らずに対応しましょう。
「ほっとく」「スルー」についての詳しい解説はこちらを参考にしてください。
強迫観念を「流す」「スルー」のコツ
強迫症の人については侵入思考を「ほっとく」という対処だけでは不十分なことが多いです。
すでに一般人が経験する侵入思考の段階ではないので。
あえて苦手なことにチャレンジしたり、不安なことが起こるのか実験してみたり、積極的な改善への試みをする必要があります。
ただし、強迫観念をほっとこうとする方向性は一緒。
侵入思考と強迫観念に違いを理解して、躍起になって対応していることがあれば侵入思考はほっといて何か行動に移していくことを心がけましょう。
まとめ
侵入思考の特徴と対応のまとめは以下です。
・侵入思考も強迫観念も内容自体は変わらず病気でない人も思い浮かび異常ではない
・侵入思考をコントロールしたり信じたりすることで強迫観念へ発展しやすい
・基本対応は侵入思考はそのままにしてほっとくこと
うまくいかない時は認知行動療法の専門家に相談してみてください。