2025.08.06 | 強迫性障害全般
旅行やイベント前に強迫症状が悪化しやすい3つの理由と対策
こんにちは。鈴木です。
強迫症で旅行やイベントの前になると、鍵の確認や荷物の準備などで「自分でもやりすぎだ」と分かっているのに、特定の行動がやめられない。
ずっと不安で、休みが台無しになったらどうしようと考える。
そんな症状が決まって悪化し、楽しみなはずの気持ちが強い不安や焦りに押しつぶされそうになっていませんか?
この記事では、なぜ旅行やイベント前に強迫症状が悪化しやすいのか、その主な理由3つとそれぞれの対策をご紹介します。
「予定のたびに強迫症状がひどくなるのがつらい……」
「もっと気楽にイベントを楽しめるようになりたい」
そう感じている方にとって、この記事はきっと前に進むためのヒントになります。
理由① 長期間確認できない不安
旅行や長期休暇はすぐに確認できない状況になるため不安が強くなりがち。
例えば、家を空ける時間が長くなることで、「鍵を閉め忘れて泥棒に入られたらどうしよう」「ガスの元栓を閉め忘れて火事になったらどうしよう」といった「もしも」の不安が募りやすくなります。
これにより、
・何度も鍵を確認する
・写真や動画をとる
など、必要以上に確認行為を繰り返してしまいます。
本来楽しいはずの出発前が、こうした確認行動に多くの時間を費やされ、精神的に疲弊してしまうのです。
対策
確認することで一時的に安心を得られます。
しかし、やがてまた次の不安が生まれてしまう根本的な解決にはなりません。
かといって、いきなり確認しないことはハードルが高いもの。
このため普段から確認しない練習をしていくことが必要です。
具体的な練習の例:
・鍵を閉めたあと確認せずに出発してみる。
・ガスの元栓や家電の電源を、あえて「見ないまま」家を出てみる
「確認しなかったけど、何も起きなかった」「不安は時間とともにマシになった」という経験を積み重ねることで不安に強くなっておきましょう。
普段からこれらの練習をしていくことで長期間確認できない状況でも確認しないでいられる力がついてきます。
理由② 気になることがあるとずっと頭から離れないのでは?という不安
理由1にも関連することですが「せっかくの旅行中に、仕事のミスや家の戸締まりの心配が頭をよぎって心から楽しめなかったらどうしよう…」と不安になりませんか?
「旅行を100%楽しむ」という目的のために、気になる可能性の芽を、今のうちにすべて摘み取っておかなければならない」と考えるのです。
しかし皮肉なことに、その完璧を目指す行為自体が、出発前の貴重な時間とエネルギーを奪い、あなたを疲弊させてしまうのです。
対策
以下の3つのステップを踏んで、「ずっと気になって楽しめなかったらどうしよう」というあなたの考えが本当なのか実験してみましょう。
多くの場合気になることがあっても「意外と大丈夫だった」という新しい体験を、あなた自身に積み重ねることができます。
ステップ1:まず「こうなるだろう」と予想する
出発前に、「もし〇〇をしなかったら、旅行はどうなってしまうだろう?」と、一番心配なことを具体的に想像してみます。
例:確認が完璧じゃないと旅行中ずっとそれが気になって、楽しめないだろう
ステップ2:予想が本当かを試してみる
確認をあえて完璧にやらずに、少し気がかりなまま旅行に出発します。
不安を感じても大丈夫。
「今は新しいやり方を試しているんだ」と考えてみましょう。
ステップ3:あとで「実際どうだったか」を振り返る
旅行中や旅行後に、ステップ1の「心配事」と「実際に起きたこと」を比べてみます。
「確かに気になる瞬間はあったけど、想像したほど“ずっと”ではなかったな」
「不安はあったけど、美味しいものも食べたし、笑った時間もあったな」
このように、思い込みと現実の“ちょっとしたズレ”に気づくことが、とても大切です。
この「あれ、思ったほどじゃなかったな」という気づきこそが、あなたを縛り付けている「〜しなければならない」という思い込みを、少しずつ緩めてくれます。
不安がゼロになる必要はありません。
大切なのは、「心配しながらでも行動できた」そして「想像した最悪の事態は起きなかった」という事実です。
この小さな発見が、次からのあなたをもっと自由にしてくれるはずです。
理由③ 「体調を崩したら大変」という不安で過剰な準備をしてしまう
「もし旅行先で体調を崩したらどうしよう…」
特に病気への不安が強い方に多いのですが、この不安から、出発前に何度も体調をチェックしたり、考えられる限りの薬をスーツケースに詰め込んだり、休み前に病院に行く(病院がない地域には遠出しない)という行動がやめられなくなります。
これは「万全の準備をしておけば、不測の事態にも対応できる」という安心感を得ようとする行為です。
しかし実際には、未来のコントロールできないことに対して過剰に備えることになり、その準備行為自体が大きな疲労やストレスを生んでしまいます。
対策
「完璧に備えなくても、何も問題なく過ごせた」という経験を積み重ねることです。
「準備万端ではない状態」で行動しても、心配していたような深刻な結果にはならなかった、ということを体験していきましょう。
例
・旅行に薬はもっていかない、または「もしものため」の分はあえてもっていかない
・不安でもすぐに熱を測ったりネットで調べたりしない
・「もし体調が悪くなったら…」とその後の展開を詳細に考えるのをやめ、「その時になったら考えよう」と考える
これらの小さな挑戦を通じて「体調が悪くならなかった」「完璧に準備しなくても、いざとなれば何とかなるもんだ」という新しい学びが得られます。
この「『もしも』は起きなかった。そして、たとえ起きても自分は対処できる」という自信が、過剰な準備という重い荷物から、あなたを解放してくれるのです。
まとめ
旅行やイベント前の強迫症状は、楽しいはずの時間を不安でいっぱいにし、心身ともに疲弊させてしまうことがあります。
しかし、その症状が悪化する主な理由を理解し、適切な対策を講じることで、あなたはもっと自由に、心からイベントを楽しめるようになります。
不安が完全にゼロになることは難しいですが、大切なのは不安を抱えながらも新しい行動に挑戦し、「思ったほどではなかった」「何とかなった」という成功体験を積み重ねていくことです。
あなたの旅行やイベント前の準備を少しでも楽にし、心から楽しめるようになるためのヒントにしてください。
