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【強迫症】不安階層表を作っても改善しない人が、無意識にやっている3つの間違い

こんにちは。鈴木です。

 

強迫症で不安階層表を作ったけど、作り方がわからない、うまく進まないと悩んでいませんか?

 

不安階層表とは不安な場面を数値化したリストのことです。

 

【不潔強迫の不安階層表】

100点(最高の不安): 駅の公衆トイレのドアノブを触る(その後、洗わずに顔を触る)

80点: 電車のつり革や手すりを素手で握る(その後、自分のスマホを操作する)

60点: コンビニでお釣りの小銭を素手で受け取る

40点: 自宅の玄関の床を触る

20点: テレビのリモコンを触る

 

多くの場合、点数の低いところからチャレンジしてきます。

認知行動療法(曝露反応妨害法)を受けている人なら一度は書いたことがあるのではありませんか?

 

しかし、私の経験上、これを上手くつくれていなかったり活用できていなかったりしている人が多いです。

 

本記事では、改善しない人が無意識にやってしまっている「3つの間違い」と、その改善方法を解説します。

この記事を読めば、なぜ今の練習で行き詰まっているのかが分かり、今日から効果的な練習を再開できるようになります。

 

 

 

 

【間違い1】「我慢リスト」になっている

 

不安階層表を使っている人が最も陥りやすい罠があります。

それは、項目が強迫行為(手洗いや確認)をしないと我慢ばかりになっていること。

 

【我慢だけの階層表】

 

100点: 手洗いの回数を1日5回以下にする

80点: 入浴時間を30分以内に終わらせる

60点: 外出から帰ってきた時、服を着替えない

40点: スマホをアルコール除菌シートで拭かない

20点: 手を洗う時、石鹸を2プッシュまでにする

 

 

すべての項目が「〜しない」「〜以内にする」という禁止・制限のルールになっています。

これが絶対だめというわけではありませんし、このようなことから始めることもあります。

しかし、問題もあって例えば「手洗いを1日5回以下にする」という目標を守るために、「そもそも一日中何も触らないようにして過ごす」という「回避」を使うようになることも。

 

これでは効果的ではありません。

 

手洗いを制限して我慢することが目的ではありません。

本来の目的は「苦手な物に触れ手洗いをしなくても、恐れていることは起きない」「手洗いしなくても不快感は薄れる」ということを学習することです。

 

手洗い我慢することで手洗い時間はある程度短くなりますが、この学習は起きにくいのです。

 

これを防ぐために、項目の書き方を工夫する必要があります。

 

項目を「○○しない」ではなく「○○する」に変える

 

「〇〇しない」だけではなく、不安を高める行動も含めた「〇〇する」という形に書き換えるのが有効です。

「手洗い・確認などを我慢する(反応妨害)」ことと、「あえて不安なことを実行する(曝露)」ことを組み合わせるのです。

そうすることでより練習の効果を高めることができます。

 

具体的にどう変換すればよいのか、強迫のタイプ別に例を見てみましょう。

 

 

不潔強迫の場合

△手洗いを我慢する

○ 「電車のつり革を握った手でおにぎりを食べ、食べ終わった後も手を洗わずに過ごす」

 

 

加害強迫の場合

△誰かを突き落としたと思っても確認しない

〇駅のホームで人の後ろを手を振って歩き、確認しない

 

 

縁起強迫の場合

△不吉な数字が浮かんでも行動をやり直さない

○ 「あえて不吉な数字を考えて、やり直さずそのまま行動する」

 

このように、「何をして(曝露)」、「その後どうするか(反応妨害)」までを一つの項目として設定するのがポイントです。

 

 

もちろん、最初は曝露が不安で難しいと感じる場合もあります。

また反応妨害メインにしかなりにくい項目だったりすることもあるでしょう。

 

その場合は、まずは「強迫行為を減らすこと」に集中するのも立派な戦略です。

無理をして挫折するより、まずはできる範囲で「反応妨害」から始めることは、決して間違いではありません。

 

ただ、もし「強迫行為は減らせたけれど、うまくいかない」と行き詰まりを感じているなら、次のステップに進むタイミングかもしれません。

強迫行為を我慢するだけでなく、自分から不安な対象に近づいていく「曝露」を取り入れることで、さらに改善が進みやすくなるでしょう。

 

 

【間違い2】不安が低いところから順番にやらなければと思っている

 

多くの人は、階層表を低い不安から高い不安へと順番にチャレンジする「階段」のように捉えています。

 

もちろん、これは全部が間違いではありません。

しかし、「順番通りでなければならない」とルール化してしまうと、かえって改善を邪魔してしまうことがあります。

 

 

低い順に進めることにこだわりすぎると、無意識のうちに「不安は小さくなければならない」という思い込みを強化してしまうのです。

 

「低い不安なら安全だから取り組める」 そう自分に言い聞かせて練習することは、裏を返せば「高い不安は危険で耐えられない」と解釈してしまいます。

 

この解釈の何がまずいのでしょうか?

 

本来、不安は単なる不快な感情であり、実際の危険とは無関係です。

お化け屋敷で例えてみましょう。

 「子供だましの怖くないエリア」と「最恐の絶叫エリア」があったとします。

この2つのエリアで、実際にあなたに危険が及ぶ確率は違うでしょうか?

 

違いませんよね 。

「怖さ(不安)」のレベルが違うだけで、「実際に幽霊に襲われる」確率はどちらも同じ。

 絶叫エリアでどれだけ心臓がバクバクしても、それは演出がリアルなだけです。

 

しかし、「強い不安=危険」という認識のまま曝露を行ったらどうなるでしょうか?

曝露後にたまたま体調や環境要因で強い不安を感じた時に

「不安は感じたけれど恐ろしいことは現実には怒らなかった」

ではなく

「不安が残っているということは危険なんだ」と誤解してしまいます。

 

「不安があっても大丈夫」という自信がつかず、少しの動揺で再発しやすくなるのです。

 

だからこそ、低い方から順番にクリアすることに固執する必要はありません。

不安場面のリストを作ったら、不安の数値の順番ではなく、どこから始めたら生活が楽になるかと考え挑戦しても構いません。

実は、その方が効果的な場合もあります。

 

「すごく怖いだろう」と予想していたのに、「やってみたら何も起きなかった」。

このギャップが大きいほど、「意外と大丈夫だ」という実感が強く心に残るからです。

 

「今日はチャンスがあったから、いきなり80点の項目をやってみよう」 そんな風に、ゲーム感覚で挑むのも有効な方法です。

 

 

 

 

【間違い3】強度・時間・頻度が不足

 

やり方は合っているはずなのに手応えを感じないなら、練習の「強度・時間・頻度」が問題であることがあります。

 

例えば、不安階層表に「ドアノブに触れる」とあっても、以下のようなやり方では効果が上がりません。

 

強度の不足: 「汚染が広がるのが怖いから、指先だけでほんの一瞬だけ触れる」

 

時間の不足: 「触れはするけれど、すぐに洗ってしまう。あるいは、『あとで家族に確認してもらう』という条件付きで、不安な時間を短縮する」

 

頻度の不足: 「気が向いた時や、調子が良い時にだけ1回やる。それ以外の時間はいつも通り儀式をして逃げる」

 

これでは、階層表の課題をこなしたことにはなりません。

「一瞬だったから助かった」「お守りがあったから大丈夫だった」となり不安への考え方はかわりません。

中途半端な練習は、「嫌な感覚」だけを強く残し、かえって不安への過敏さを強めてしまうことすらあります。

 

もし練習が行き詰まっているなら、以下の3つの指標をもとに作り直してみましょう。

 

強度: 「少しでも触れたら病気になる」という予想を確かめるために、あえて手のひら全体で、最も汚いと思う場所を執拗に触り続けてください。

「これほど徹底的に触れても、実際には何も起きない」となるか実験しましょう。

 

時間:「すぐに洗わなければ病気になる」「不安は永遠に上がり続ける」と予想するなら、あえて30分、1時間とその状態を維持してください。

「時間が経過しても、事態は悪化せず、むしろ不安に慣れていく」という経験ができるかもしれません。

 

頻度:「何度もドアノブに触り洗わないことを繰り返せば病気になる」という予想するなら1日に何度も練習を繰り返してください。

何回やっても最悪のことは起こらないことを経験できるかもしれません。

 

 

ポイントは「ここまでやったら、不安なことになことが起こるかもしれない」

階層表の中でそう思うライン(強度・時間・頻度)をあえて設定し、そこを実行してみましょう。

その先で「それでも何も起きなかった」という体験をすることが、自信につながります。

「安心だからやれる」「何も起こらないことはわかっているからやれる」範囲のことをやり続けても、どこかで行き詰ります。

 

自分の予想が大きく外れる体験を繰り返すことで「不安なことは起こりにくい」「起こっても何とかなる」という実感が定着します。

 

 

まとめ

 

今回の内容をまとめると、大切なのは以下の3点です。

 

「行動」をセットにする

単に「我慢する」のではなく、「あえて不安なことをして、その後の儀式をしない」という具体的な行動として設定しましょう。

 

不安の高さにこだわらない

低いところから順番にクリアすることに固執せず、あえて高い不安やランダムな項目に挑むことで、「不安=危険」という誤解を解いていきましょう。

 

「安全ライン」を踏み越える

自分の予想(最悪の事態)を裏切るために、練習の強度・時間・頻度を、自分が「ここまでなら安全だ」と信じている基準以上まで引き上げましょう。

 

自分が作った不安階層表をあるなら今回の記事の内容を参考にして、曝露反応妨害を効果的にすすめていってください。

 

どのようにすればよいかなどわからない場合はカウンセリングでご相談ください。

 

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