2020.08.02 | 確認・加害強迫
【確認強迫】大事なものを落としたのでは?と不安な人の克服法
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
外出先で椅子に座って立った時
「大事なものを落としたのでは?」
と考え何度も確認する人いませんか?
確認強迫でよくある症状です。
今回は「大事なものを落としのでは?」と不安で確認している強迫症への対処法について説明します。
実践することでとっても改善しやすくなりますよ。
なぜ不安が強くなるのか?を理解しよう
まず悪循環を理解しましょう。
外出先で椅子に座って立った時(きっかけ)、「何か大事なものを落としたのでは」と不安になります(強迫観念)。不安だから確認して(強迫行為)一時的に安心はしますが、「きちんと確認できていないかも」とまた不安になり、確認を何度もしてしまいます。
それを繰り返すと不安になるのが嫌だから椅子など苦手な場所を避けるようになります。
強迫行為はやればやるほど、避ければ避けるほど不安になる性質があります。
最初は数回だけだった確認が何十回と増え、椅子から立った時だけだったのが歩いている時など「何かおとしたのでは」と不安が広がり、どんどん生活に支障がでてきます。
確認せず不安に慣らす
改善するためにはあえて不安な場面に行って(曝露と言います)、確認をやめて(反応妨害と言います)不安に慣らす練習が必要です。
曝露も反応妨害も聞いたことない、よくわからないって方はこちらの記事を見てください。
確認をやめれば不安は強くなりますが、そのまま確認しないでいると不安に慣れてきます。
何度も繰り返していくうちに椅子から立っても不安が出てこなくなったり、出てきてもそれほど不安は生じなくなってきます。
しかし、ただただ確認しない!みたいなことをやってもうまくいきません。
以下の手順でやってみましょう。
不安になるきっかけを把握しよう
まずはどんな時に「大事なものを落としたのでは」と「強迫観念」が出てくるかを把握しましょう。
・椅子に座った時
・バッグから財布を出した時
・歩いている時
・ファスナーのついていないバッグで外出した時
・ごみを捨てる時
これをリストアップしてみましょう。
生活の中でよく不安になっていること、不安だから避けている場所などを思い出してみましょう。
普段の生活の中で不安になったらメモをしてリストに加えていくのもよいですよ。
強迫行為と避けていることを把握しよう
次に強迫行為と不安で避けていることも把握しておきましょう。
例
・何度も確認する
・ファスナーのついていないバッグを避ける
・免許証など大事なものは持ち歩かない
・何度も振り返る
・他人に「何も落としていないよね」と確認する
・ごみを捨てるのを避ける
・頭の中で「何か落としていなかったか」と記憶をたどる
確認や逃げていることなどはわかりやすいのですが「頭の中で記憶をたどる」「何も落としていないから大丈夫と納得するまで言い聞かせる」など頭の中でやっている強迫行為は忘れがちなので注意しましょう。
頭の中の強迫行為についてよく知らないって人はこちらをご覧ください。
不安に挑戦しよう
基本的には上記でリストアップした「きっかけ」をあえて作ったり、「回避していることに直面」をしたりして、「強迫行為をしない」ことをします。
不安なことをあえてやっていくことで、不安に慣れて改善されます。
例
・椅子にあえて座って立ち(きっかけ)、確認をしない(強迫行為をしない)
・ファスナーのないバッグを使って買い物をして、不安でも確認しない
・免許証などをポケットの中にいれて自転車に乗り確認しない
・確認せずにごみを捨てる
「確認は3回はやる」とかやらないほうがよいです。
だいたいうまくいきません。
麻薬中毒の人が「ちょっとだけ麻薬やってもいい?」
と言っているようなもので、やりだしたら止まらないもの。
「最後に一回だけ」と確認をして止まらないって経験ありませんか?
中途半端にやれば、我慢した分さらに確認をしたくなる副作用が出ることもあります。
もちろん確認しないようにがんばった結果、少し確認してしまったけれど前より確認は減ったというのは進歩です。
まずは完璧にできなくても大丈夫。
とりあえずハードルが低いと思えるものからやりましょう。
最初は確認しないと不安でしかたなかったのが薄れてきます。
徐々にハードルを上げて、繰り返し練習することで結果的に強迫は改善してきます。
たくさん連続で練習しよう
できるだけ連続でたくさん練習したほうがよいです。
例えば、外出先で椅子に座って立って確認をしない、ということをやったとしましょう。
それを一回だけやってお終いにするのではなく、別の椅子に座って立ってを10回くらい繰り返すとか、ファスナーのないバッグで連続でいろんな店で買い物をして確認しないとか。
「確認しないで、不安になってもじぃーっと我慢」ではなく、連続で不安な「きっかけ」のところにさらしていくととっても効果的です。
たくさんやることで慣れるということもありますし、頭の中で記憶をたどることもできないのであきらめもつきやすいかもしれません。
不安なことは起こってから考えよう
「本当に何か落としていたらどうするのか?」と考えるかもしれません。
それは落とした時に考えましょう。
「落としてからじゃ遅い、何か大変なことになるかもしれない」
と考えるかもしれません。
いや、むしろ最初から「落としてから考える」と心から納得できる人なんてそうそういないです。
それでも実際に落とした時に考えることとして安心させず、まずは練習して慣らすようにしましょう。
やっていくうちに「落とした時に考える」となってくるかもしれないし、そもそもそれ自体を考えなくてもよくなるかもしれません。
行動することで考え方も変わってきますよ。
このあたりのことはこちらの記事にも詳しく書いています。
何か落としたのではないか?と不安な強迫タイプは、やれば結構改善する人が多い印象です。
今回の記事を参考に挑戦してみてください。
一人ではなかなかうまくいかないって方は認知行動療法の専門家にご相談ください。
強迫症の人のLINEグループ(無料)もやっています。参加ご希望の方はこちら。
動画はこちらのです。