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強迫症の特徴的な6つの思考パターンとは?考え方を柔軟にするヒント

こんにちは。鈴木です。

 

「ちゃんと鍵を閉めたはず。でも、なんだか不安…」

「もしあのとき間違っていたらどうしよう」

「こんなこと考える自分っておかしいのでは?」

 

強迫症に悩む方は、こうした“不安”や“気になる感じ”が頭の中から離れず、同じことを何度も確認したり、考え直したりしてしまいます。

 

実は、こうした悩みの背景には、強迫症に特有の“思考パターン・考え方のクセ”が関係しています。

この“クセ”に気づき、少しずつ手放していくことが、回復への大きな一歩になります。

 

今回はOCCWGという研究グループが提唱した6つの思考パターンを紹介しながら、その思考に気づいたり、思考を少し柔軟にするヒントをお伝えします。

これらを知ることで「あ、自分にもあるかも」と気づきが得られたり、今の悩みの整理がしやすくなるかもしれません。

 



 

 

 

1.過度な責任感

 

「もし私が確認しなかったことで、誰かがケガをしたらどうしよう」

「このままにしておくと、何か悪いことが起こる気がする」

 

このように“自分の行動や考えが、何か大きな問題につながってしまう”と感じやすい傾向があります。

実際には可能性が低いことでも、まるで自分の責任のように感じてしまい、不安が増してしまいます。



対策のヒント

・責任の分担マップを考える

例えば、ガスの元栓を締めるのは自分の役割だったとしても、火事を起こさないためには設備の安全性、他人の注意など多くの要素が関係します。

それぞれ何%くらいの責任があるかを考えてみましょう。

円グラフにして書いてみると良いです。

「100%自分の責任」という発想を現実的に見直します。

 



 

2.完璧主義

 

「ちょっとでもミスがあると落ち着かない」

「完璧に仕上げないと意味がない」

 

完璧を求める気持ちは、良い結果を生むこともありますが、強迫症の方にとっては「完璧じゃない=ダメなこと」という極端な捉え方になりやすく、確認ややり直しが止まらなくなる原因になります。

 

 

対策のヒント

・完璧にこだわるメリットとデメリットを考える

書類を10回確認することのメリットとデメリットを考えてみましょう。

ミスが減る、安心感が得られるというメリットがあるかもしれません。

しかし、時間がかかりすぎて注意される、ストレスがたまる、確認回数が増えてくるデメリットがあります。

メリットとデメリットを天秤にかけて完璧主義のやり方が本当にメリットが大きく、デメリットが小さいかを考えてみましょう。

多くの場合、思っていた以上に効果の少ないことをしていることに気づくことになるでしょう。

自動販売機で100円のジュース買えるのに、完璧に安心できるところが良いと思って信頼できる店に1万円払って買っているようなものです。

 

 



 

3.不確実さへの耐性の低さ

 

「99%大丈夫でも、1%でも不安があると落ち着かない」

「何が起こるか分からないから、準備しておかないと」

 

「もしかしたら…」という不確実性に耐えきれず、不安をゼロにしようと行動が繰り返される傾向があります

 

 

対策のヒント

・確信度の調査をする

あなたが悩んでいないことで日常生活でどれだけ確信をもって行動しているかを調査する。

鍵をかけたか?信号機が青だったか?手洗いは完璧だったか?他人への振る舞いは完ぺきだったのか?など考えてみてください。

ほとんど思い出せない、記憶が曖昧であったりするものです。

生活の中でたくさんの曖昧さを受け入れながら生活しているが普通で、それでも致命的なリスクがそれほど上がっているわけではないことが理解できます。

 

 

 



4.思考と行為の混同

 

「刺してしまえって一瞬思った…本当にやってしまうのでは?」

「悪いことを考えたら自分は危ない人」

 

こうした“考えただけで現実になりそうな感覚”に苦しむことがあります。

これは「考えたこと=本当に起こること」「考えたこと=実際に行動するのと同じくらい悪いこと」と思ってしまう傾向が強いからです。

 

対策のヒント

・考えていることと行動することは別であると考える

考えてみてください。

人を殴るイメージをした人を悪い人間だと思いますか?

実際に殴った人とではどちらが悪い人間だと思いますか?

イメージが浮かんだだけでダメ、浮かんだだけで実際に殴った人と同じように悪いと考えることに違和感が出てきやすくなります。

道徳的に良い悪いの判断は考えていることではなく、実際の行動であることを認識するようにしましょう。

 

 



 

5.思考を完全にコントロールしようとする

 

「強迫観念をコントロールできれば強迫行為をしなくなる」

「思考をコントロールしないとおかしくなる」

 

不安や思考は、本来コントロールしきれないものです。

しかし「不安を完全に消せるはず」と思うほど、それができないことに落ち込み、余計に不安が増えてしまいます。

 

対策のヒント

・思考をコントロールする日としない日を比較してみる

強迫観念や不安を忘れようと努力する一日と、そのような努力をしない日をつくり、比較してみましょう。

強迫観念を考える頻度、不安の度合い、心の疲れ具合など観察してみてください。

事前にどのような結果になるか予想して、実際にどうなったかを検討しましょう。

 

多くの方が「思考をコントロールしようとしないほうが、かえって思考に振り回されない」という実感を、自分の体験を通してつかめるようになります。

 

 

6.脅威の過大評価

 

「ガスの元栓を閉めなかったら、爆発してしまうかもしれない」

「手にウイルスがついていたら、大きな病気になってしまう」

「運転中音がしたら誰かをひいてしったということかも」

このように何か悪いことが起こる可能性を実際よりもずっと高く感じてしまうことです。

実際にはほとんど起こらないようなことでも、「0.01%でも可能性があるなら、絶対に避けなければならない」と感じてしまうのが特徴です。

 

この「もしも」に反応して、確認、洗浄、検索、思い出し確認などの強迫行為を繰り返してしまいます。

 

 

対策のヒント

・実際に起こる確率と自分の反応の仕方を考える


脅威を感じたときには、こう問いかけてみましょう

「実際にこの出来事が起きる確率は、どのくらいだろう?」

「その確率に見合った反応を自分はしているだろうか?」

 

感情の強さ=現実の危険性ではありません。

不安を感じていることと、それが現実に起きることとは別です。

 

実際の経験と照らし合わせることで、不安に思っていることは過大評価だと気づきやすくなります。

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

今回説明した6つの思考パターンは、知らず知らずのうちに強迫観念や強迫行為を後押ししてしまうため、少しずつでもその存在に気づいていくことが大切です。

また、強迫症の改善には考え方だけでなく、あえて苦手なことにチャンレジしていくことが必須となります。

思考に気づき、行動も変えていくことで強迫症を改善させることができます。

 

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