2016.10.16 | 強迫性障害全般
強迫を無視するだけではダメな理由
こんにちは。鈴木です。
強迫の言っていることを無視するのは大事です。
「手を洗わなかったらバイキンが広がって病気のになるかもよ」っていう声は無視していきましょう。
しかし、この「強迫を無視する」ってのはちょっと注意が必要なんです。
多くの人が無視しようとして、なかなか良くなりません。
この記事では強迫を無視するだけではなぜ良くならないのか?について説明します。
かなり多くの人がここでひっかかっているので、参考にしてください。
強迫は「単に無視」ではなく「いじめる」方がよい
まずおさらいをしましょう。
強迫性障害を治すためには以下の二つをします。
①曝露
不安なことにさらされ続ける
②反応妨害
強迫行為(手洗いや確認)をしない
これをやることで不安なに慣れていき、強迫が良くなっていくのです。
特に①の曝露は大事です。
曝露は自分から不安に近づいていき不安に慣らすことなんですね。
よく「手洗い・確認を我慢するのが曝露反応妨害」だと思っている人がいます。
そのような側面もありますが、実際はただ我慢するというより、自ら不安につっこんでいって不安にさらされ続けて強迫行為はしない、といったような積極的行動が曝露反応妨害なんです。
だから強迫をただ無視というより、言っていることは無視して逆のことをやっていくことが大切なんです。
例を見てみましょう。
強迫を無視するだけのイメージは
・強迫が「手洗いや確認しないと大変なことになるかもよー」っていうのをプイってそっぽむく感じ。
これはこれでいいのですが、曝露反応妨害は強迫が言ってきていることと「積極的に」真逆のことをやっていくイメージですから・・・
・強迫が「それを触ったら手を洗わないと病気になっちゃうよ」と言ってきたら、あえてもっと汚いものに触って手を洗わない
・強迫が「水道の蛇口の確認しなかったら水道代大変なことになっちゃうよ」って言ってきたら、蛇口を少しあけて出しっ放しにする
こんな風に「怖いことが起こるよー」と脅してくる強迫の言葉を「無視」するより「じゃぁ、あえて強迫の言い分とは真逆のことやっちゃえ」と「積極的にいじめるってイメージ」でやると弱くなってくるんですよ。
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強迫を無視しているつもりが逃げになっていませんか?
ところが、強迫を無視するってことを中心にしている人は、積極的に不安なことをやらない人が多い印象です。
「いつも不安だからあえて不安になる必要がないのでは?」とおもいがち。
しかし、それでは「強迫が出てきたら無視して我慢」と防戦一方。
調子が良い時は流せて、悪くなると流せないのではありませんか?
またあえて不安なことをしないので
「普通の人はこれくらいは手洗い・確認するからいいよね」
「これだけはどうしてもやりたくない」
と、苦手なところはやらないのいるのではありませんか?
それをやっていると良くなったり悪くなったりを繰り返します。
だいたい強迫が出てこないことを祈り、強迫観念が起こりそうな状況を避けようとし続けます。
強迫観念を受け入れることができないんですよ。
強迫観念が起こりそうな状況を避けることは強迫行為と一緒。
避けたいと思っているのでいつまでも強迫の不安に慣れてきません。
多くの人がここに引っかかります。
強迫行為をしないってばかりに注意が向いている人は気を付けてください。
まとめ
曝露反応妨害方は強迫がきたら無視して我慢して防戦一方でいるのではなく、積極的に強迫のところに行き攻めていじめてやる、が正解。
強迫をいじめるには、わざと汚くする、危なそうな状況をつくる、縁起の悪いことをする、モヤモヤさせる、など色々あります。
どうすれば強迫をいじめられるかを考え、実行にうつして下さい。
一人でやってもなかなか継続できないものです。
そんな人は私が一緒に治すお手伝いしますよ。