2026.05.06 | 強迫性障害全般
強迫行為をやめるための5つの具体策
こんにちは。鈴木です。
手洗い・確認など強迫行為をやめたくてもやめられない。
「今度こそ最後にする」と思いながら、また同じことを繰り返している。
強迫行為はひたすら我慢するだけではなかなかやめられません。
しかし、工夫次第で変わる可能性があります。
この記事では、強迫行為をやめるための具体策を5つ紹介します。
「どうやって強迫行為をやめたらよいかわからない」という状態から、一歩踏み出すための内容ですので参考にしてください。
1.その場から離れる・環境を変える
「手を洗うのがやめられない」「鍵を何度も見てしまう」というときは、まずその場所からすぐに離れることが大切です。
不安のもと(蛇口や鍵など)が目に入っている状態で「やめなきゃ、でも不安だしどうしよう」と考え込んでいませんか?
目のまえに強迫行為の対象があったら、どうしても「もう一回やりたい」という気持ちが湧いてきてしまいます。
そのため、一度別の部屋へ移動して「見えない状態」にした方が強迫行為をやめられやすくなります。
例
・洗い終わったらすぐに電気を消して、洗面所のドアを閉めて別の部屋へ行きます。
・鍵をかけた感覚がなくても、すぐに歩き出す
単に「我慢しよう」とするのではなく、物理的に「やりづらい状況」を自分で作ってみましょう。
2.「強迫行為をやめる」ではなく「別のことをする」
強迫行為をやめるには、「やめよう」と意識するよりも、あらかじめ決めておいた「別の行動」に切り替えるほうがスムーズに進みます。
実は、「強迫行為をやめよう」と強く意識するだけでは、うまくいかないことが多いです。
むしろ「やめなきゃ」と考えれば考えるほど、その行動のことが頭から離れなくなってしまうからです。
このため別の行動をすることによって、結果的に強迫行為をやりにくくするのです。
別の行動についてはなんでも構いません。
今やるべきこと、やりたいこと、意識が向きやすいことなどやりましょう。
あらかじめ「代わりにやる行動」を決めておくとやりやすいでしょう。
例
手を洗いたくなったら: 部屋に戻ってお茶を飲む
確認したくなったら: そのままスマホでニュースを1つ読む
考え続けそうになったら: その場で軽く体を動かす
「強迫行為をやめること」を目標にするのではなく、「別の行動に切り替えること」を目標にするのがコツです。
また事前にやることを決めておけば、その場で「どうしよう」と迷う時間を減らせます。
迷う時間がなくなれば、強迫行為を防ぎやすくなります。
3.回数制限ではなく「しない時間」を延ばす
よく「2回までの確認する」「手洗いを5分ずつ短くする」のような、回数や時間制限をやっている人を見かけます。
この方法で改善しているならよいのですが、うまくいっていない人も多いのではありませんか?
この方法にはデメリットがあります
・一回やったらなかなか止められない
ダイエット中にケーキを一口だけ食べる、ようなもの。
実はハードル高いことも。
・症状が残りやすい
回数が激減して生活に支障がなくなることもあるでしょう
しかし「2回確認したから大丈夫」は裏をかえせば「2回確認しないと危険」という考えが残ったたままです。
何かの拍子に「2回確認しても大丈夫と思えない」「今のは完璧な2回じゃなかった」など新たな強迫行為に発展することもあります。
うまくいっていないのなら、別の方法を試すのがおすすめです。
「しない時間」を少しずつ延ばす
回数ではなく、時間に注目する方法があります。
「衝動が来てから、○分間だけ待ってみる」という練習です。
・気になっても、まずは5分だけやらずに過ごす
・できそうなら10分、15分と少しずつ伸ばす
・その間は、前の章で決めた別の行動をやってみる
この方法のメリットは以下のことがあります。
・強迫行為をすぐやるクセを変えられる
強迫行為を繰り返すと、手洗いや確認衝動が来るたびにすぐ応じることが当たり前になっていきます。
待つ時間を少しずつ延ばすことは、その流れを崩すことができます。
「衝動が来たら即座に行為をする」という反応が少しずつ薄れ、衝動が来てもすぐに動かずにいられる時間が長くなっていきます。
さらに、「完全にやめる」ではなく「少し待つ」なので、取り組みやすいのも特徴です
・強迫行為をしなくても何も起きないことがわかる
多くの人は「この少しは手洗いや確認しないと、怖いことが起こる・ずっとこの苦しさが続く」と感じます。
しかし実際には、何もしなくても怖いことは起こりにくいですし、強迫行為への衝動は時間とともに変化することが体験できます。
その感覚を育てることで強迫行為をやめやすくなります。
まずは短い時間からでもよいのでやってみてください。
4.誰かと一緒にやる
強迫行為を減らそうと思っても、自分一人では難しいこともあります。
そんな時は、誰かと一緒にやるとやりやすくなることもあります。
まずは家族や身近な人、カウンセラーなどに、やり方を共有します。
そして以下のようなことを協力してもらいます
・強迫行為をしそうな場面で、声をかけてもらう
・あらかじめ決めた練習を一緒に行う
他人と一緒にやることで、最初の一歩が踏み出しやすくなることがあります。
そして、孤独な戦いではなくなることです。
「決めたことを誰かが見守ってくれている」と思うだけで、一人で耐えているときよりも、不安をやり過ごしやすくなります。
また、うまくいったときにその変化を一緒に確認してくれる人がいることは、次も頑張ろうという前向きな力につながります。
注意点としては周囲に「何も不安なことは起こらないよね」と安心を求めないようにしましょう。
またずっと一緒にやっていると「周りがやっていることだから悪いことが起こらない」となり「これはやってもよいこと?」など確認に代表される強迫行為が生まれることもあります。
最初は一緒にやっていても、少しずつ一人でできるようにしていきましょう。
5.気になるところをあえて増やす
強迫行為をやめようとするとき、「気になる箇所が一つだけある」という状態は、実はやめにくい状況です。
気になるのが一箇所だけだと、そこに意識が一点集中してしまい、離れられなくなるからです。
「ここさえスッキリすれば楽になる」と考え、強迫行為をしたくなります。
しかし気になる箇所が10箇所、20箇所になると、どうでしょうか?
一つのことに意識が向きにくいですし、「全部はとても手洗い・確認できない」という状態になります。
そうすることで手洗いや確認などやるのをあきらめやすくなります。
例
・「汚れている」と感じる場所に触れ、そのままあちこちに触れて回り全部を拭ききれない状態を自分から作る
・「イスから立った時に落とし物をしたのでは?」という場合、確認せずに次々と別のイスに座り続けて、全部は確認しきれない状況を自分から作る
ただ、この方法は注意点もあります。
あきらめきれるくらいまでやらず中途半端になったり、後で強迫行為をやると余計怖くなります。
このため、きちんと事前に計画し、最後までやり通すようにしましょう。
まとめ
強迫行為をやめるための5つの具体策は以下の通りです。
1 「その場」から離れる・環境を変える
2 「強迫行為をやめる」ではなく「別のことをする」
3 回数制限ではなく「しない時間を延ばす」
4 誰かと一緒にやる
5.気になるところを、あえて増やす
なかなか強迫行為を止められないと感じたら、上記のことを試してみて下さい。
