2021.08.08 | 強迫性障害全般
これは強迫観念だ!と言い聞かせてもうまくいかない人の対処法
こんにちは。鈴木(komayamaco)です。
不安な考えが浮かんできたら「これは強迫観念だ!強迫観念の言うことなんて聞く必要ない!」と言い聞かせる。
そんな対処をしているけれどうまくいっていない人はいませんか?
この考え方は様々な本にも載っていますし、これ自体がダメなことではありません。
しかし、多くの人がこのように考えたとしても強迫が改善されることはありません。
それはなぜか?どうすればよいのか?について説明します。
この記事を読むことで「強迫観念だ!」と言い聞かせる方法を効果的するやり方がわかります。
本当に強迫観念か不安になる
「これは強迫観念だ!」と言い聞かせたらどうなりますか?
「いや、強迫観念じゃなかったらどうしよう」と不安になりませんか?
ほとんどの人が強迫観念じゃなかったら不安なことが起こって大変なことになってしまうと考えるのです。
それで次に考えることは
「どこから強迫観念でどこからが強迫観念じゃないのか?」「普通の人はどうなのか」
と考えだします。
「強迫観念だったら不安なことが起こらないから大丈夫」
「強迫観念じゃなかったら危険だから手洗いや確認をやる」
と考えますよね。
だから強迫観念かどうかの見分け方られればよいという理屈です。
ところがその理屈でいくと、どこからどこまでが強迫観念なんてわからないという問題が出てきます。
例えば「車で誰かをひいたのではいか?」という強迫観念が浮かんできたときに「それは強迫観念だから絶対にひいていない」ということは証明できないんです。
完璧に確認しない限りは。
完璧な確認もできないんですけどね。
下手をすると、強迫観念かどうかをはっきりさせるために確認して強迫行為をしてしまうんですよ。
どこまでが強迫観念かどうか?って考えている人は結局安心感を求めてしまっていることが多いです。
強迫観念かどうかをはっきりさせようとすること自体が強迫症状を悪化させることすらあるのです。
強迫観念は「私が強迫観念ですよー」なんて自己紹介はしてくれないのですよ。
強迫症が改善している人がやっていること
ではどうすればよいのでしょうか?
実は「これは強迫観念だ!」と言い聞かせてうまくいく人もいます。
それはどんな人かというと「強迫観念だ!」と言い聞かせているだけでなく、その後に不安なことに飛び込んだり、強迫行為をしなかったりができた人です。
強迫症が改善しない人は確実にここが抜けています。
「強迫観念だ!そんな考えに従う必要はない!」ということは
車で引いたと思っても確認しませんよね?
不潔強迫の人なら苦手な物に触って手を洗わないですよね?
縁起強迫の人なら苦手な観念、例えば「死」という文字を書いたり、見たり考えたり縁起の悪いことやれますよね?
ということなんですよ。
つまり、曝露反応妨害をできるということ。
曝露反応妨害についてわからない人はこちらの記事を読んでください。
強迫症が改善している人はこういうことを実行できている人なのです。
「これは強迫観念だから不安なことは起こらない。大丈夫」と確信もってやれている人なんていません。
「強迫観念って言い聞かせているけど、そうじゃなかったらどうしよう」
と不安な気持ちは抱えつつ、あえて苦手なことをやっているのです。
「強迫観念だ!」と言い聞かせるだけでなく、強迫観念かどうかわからない不安に飛び込んでいくことが強迫症を改善することにつながります。
改善したら強迫観念ってわかるようになるの?
強迫症が改善したらどこまでが強迫観念でそうじゃないのかがわかるのようになるのでしょうか?
確かに改善された人は「あー、これいつもの強迫観念だな」ってわかって流せるようなった、と聞くこともあります。
本にもやっていくうちにこれが強迫観念かわかってくる書いてあるものもあります。
しかし多くの人は「どうでもよくなった」「なんであんなことで悩んでいたんあろう」となっている人が多い印象です。
つまり強迫観念かどうかなんてどうでもよくなっています。
ハッキリ言って強迫観念かどうかをはっきりすることにこだわっている人はまず改善しないです。
人によっては「これが強迫観念なのか?」と考え込む強迫行為をしてしまう人もいるので注意が必要です。
強迫観念かどうかはっきりしない不安は受け入れて、苦手なことに飛び込んでいく練習をするようにしましょう。
動画はこちら