2024.08.04 | 強迫性障害全般 確認・加害強迫
情報漏洩が怖い強迫症状の対処法
こんにちは。鈴木です。
強迫症の症状の一つに個人情報が外部に漏れることを過度に恐れるものがあります。
例
・SNSに個人情報を書き込んだか不安で履歴を確認する
・郵便物はシュレッダーをする
・レシートは外では捨てられない
・仕事で個人情報を郵送するときの確認を何度もしてしまう
自分の個人情報が漏れる、他人の個人情報を漏らすことが不安で確認したり、不安なことを避けたりします。
確認が止められない、インターネットなど生活に必要なものが使えないなどして生活に支障をきたすようになります。
そこで今回は情報漏洩が不安な強迫症状についての説明と対処法について説明します。
情報漏洩系の症状の例
よくある情報漏洩への不安症状について説明します。
インターネット系
・個人情報をメールに書き込んでいないか確認、送信に時間がかかる
・SNSで個人情報を書き込んでないかを確認、SNSを避ける
・個人情報が漏れそうなサイトを見ていないか履歴を確認
・パスワードの過度な変更
・ネットショッピングを避ける
・会員登録を避ける
・Wi-Fiをつなげない
・スマホのカメラから自分の姿がネットに流されると考えカメラを向けられない
生活全般
・郵便物を捨てる時は必ずシュレッダーを使う
・クレジットカードは使わず現金
・レシートは外では捨てられない
・免許証など個人情報がのっているものを落としていないか確認
・仕事で個人情報を扱う書類を過度に確認
・申込書などでも個人情報をなるべく書かない
・会話した後に話してはいけないことを言ったのではないかと不安で確認する
巻き込み
・周囲に「大丈夫だよね」と確認する
・ネットで情報漏洩について大丈夫かを確認する
これらのことをやっているからといって強迫症とは限りません。
怪しげなネットショップで会員登録や危険なWi-Fiに接続したりすることは避けたいのは普通のことです。
しかし、全てのネットショップやWi-Fiがダメ、100%安心と確信できなければダメ、となると強迫症っぽくなります。
「個人情報が漏れることで自分のお金が盗まれ破産してしまう」など破局的なイメージをしてしまうのも強迫症でよくあります。
強迫症の人は情報漏洩へのリスクの許容度が低すぎたり、破局的なことを考えやすかったりしてしまう傾向があります。
不安で確認に時間を費やす、生活に必要なものを利用できなくなるのも特徴です。
対処法
強迫症を改善させるにはあえて苦手なことをチャンレジして、安心させることはせず不安に慣らしていくことが必要です。
これを曝露反応妨害といいます。
知らない方はこちらの記事を参考にしてください。
曝露反応妨害法の基本的な考え方を解説 強迫性障害の方は必見です
不安に慣れることでリスクを許容できたり、何か起こっても何とかなると思えるようになります。
今回の症状は個人情報が漏れそうなことを避ける、個人情報が漏れていないかを過度に確認することが中心。
ということは個人情報が漏れるのではないかと避けていることをあえてして、確認など安心することはしない、を練習していくことになります。
個人情報を書き込んだか不安でSNSを避ける確認している人の場合は、あえてSNSをみて確認しないようにしましょう。
慣れてきたら自分から何か投稿してみるのもよいでしょう。
ネットショッピングやクレジットカードの使用を避けているなら、クレジットカードを使いネットショッピングをします。
シュレッダーを使わないと郵便物を捨てられないなら丸めて捨ててみてもよいかもしれません。
レシートから情報がもれるというなら、レシートはその場で捨ててください。
免許証のなど個人情報を落とすのではないかと確認しているなら、免許証をポケットに入れて自転車に乗ってみるとか極端にやってみるのも手です。
これらのことを何度も練習していくことで、不安に慣れてきて最初感じていた情報漏洩への不安は軽くなってきます。
本当に情報漏洩した時の考え方
多くの場合、練習していくことで恐れていることは起こらないことを学ぶことができます。
ただクレジットカードの不正利用、登録していたサイトの企業の情報流出、免許証の紛失など実際に情報漏洩が起こることはあります。
そうすると「ほら、やっぱり危険じゃないか」と不安になるでしょう。
その時は本当に最悪なことが起こるのか?
考え方を変えるチャンスととらえましょう。
先述したように強迫症の人は破局的なことが起こると考えがちです。
クレジットカードが不正利用されて自己破産に追い込まれるのではないか?など
その場合は最悪のストーリーになる確率はどれくらいか?他の結果はないか?を考えてみてください。そして本当に最悪のストーリー通りになるのか?を体験しましょう。
万が一情報流出がおこっても処理が面倒なだけで何とかなることを学べるでしょう。
最悪のストーリーの予想が当たると思っている人ほど考え方は変わってきますよ。
最終的には「不安なことは起こってから考えればいいだ」と考えられるようになります。
まとめ
以上のことを繰り返し練習することで、情報漏洩への過度な不安を下げ、リスクの対する許容度が高くなり、不安でできなったことが出来るようになるため、生活の利便性が上がります。
その結果として「不安なことについては起こってから考える」という態度が身についてきます。
情報漏洩に関する強迫症や不安を抱いている人は実践してみてください。