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イメージで強迫観念が軽くなる!?イメージを使った曝露を解説

こんにちは。鈴木です。

 

イメージを使った曝露って知っていますか?

 

強迫症に曝露は有効であることはご存じの方が多いと思います。

不潔強迫の人なら苦手なものを触る、とか。

苦手なものに直面することで不安に強くなることができます。

 

一方でイメージを使った曝露は恐れているイメージをあえて考えることで強迫観念に強くなるための方法です。

怖い映画を見ると最初はものすごく怖いですが、何度も見ていたら怖くなくなるのと一緒です。

 

これらの効果が期待できます。

・不安なことを考えても大丈夫と思えるため強迫観念を受け入れやすくなる

・悪いことを考えても悪いことが起こるわけではないことを学べる


強迫症の人は曝露のバリエーションの一つとして知っておくと便利なので参考にしてください。

 




こんな強迫症の人に使いやすい

 

様々な強迫に使えますが特に以下のようなタイプや条件の時に役に立ちやすいかもしれません。

 

・遠い未来に悪い結果が起こると考える

「何十年後にガンになってしまうかも」など曝露によって最悪のことが起こらないのをすぐには体験できない場合

 

・悪いことを考えたら悪いことをしてしまうと考える

「誰かを傷つけてしまう、と考えたら本当に傷つけてしまう」と考えるため、頭の中で打ち消し行為をしている

 

・現実の曝露の実行が倫理的なこと等で難しい・実際には試せない強迫観念がある

「泥棒がはいってしまうかも」「誰かを殴ってしまうかも」

 

・強迫観念が浮かぶのが受け入れられない人

 

・現実の曝露の難易度が難しくてチャレンジできない時

 

 

 

 

最悪のシナリオを作る

 

まずは強迫の「最悪のシナリオ」を作ります。

不安なストーリーを具体的に、そして最悪どうなるのかを細かく考えましょう。

 

まずあなたの強迫観念の内容を考えてみてください。

例えば不潔強迫の場合

「自分が汚染されたものに触れてしまい、その汚染が家族や友人に広がり、みんな重い病気にかかってしまう。最後には自分のせいで多くの人が命を落とす」

このように考えていたとしましょう。

 

これだと少し抽象的で、本当の最悪の結果かどうかが疑問です。

 

汚染されたものって?みんなどんな風に苦しんだの?周りが命をおとしたことで自分はどう苦しむの?

などもう少し「具体的」にすることと「最悪の結果」を考えましょう。

 

周りの環境、他人のセリフ、自分がどのように考えたか、その時の自分の体の状態など、考えて映画の一場面を再現するくらいに考えてみてください。

 

 

具体的にした最悪のシナリオの例

駅のトイレを使う必要に迫られる。清潔な環境でないことはわかっているが、どうしても避けられない状況だ。仕方なくトイレに入るが、ドアの取っ手や便座、手洗い場が目に入ると、強烈な不安が襲いかかる。何も触れずにトイレを使用しようとするが、どうしてもドアや便座に手をつかなくてはならない。トイレを出た後、すぐに手を洗おうとするが、洗面台が汚れているように感じがする。なんとか手を洗うが「本当に清潔になったのだろうか?」という疑念が頭を離れない。

 

帰宅後、手や衣服、持ち物が「汚染されている」という考えが頭を離れない。その夜、家族と夕食時、テーブルに座ると「自分がトイレで触れた汚染が食べ物や家族にうつってしまうのではないか」という考えが出る。手を洗ったにもかかわらず、まだ汚染が残っていると感じ、食べ物が「汚れている」ように見えてくる。

 

家族に汚染が広がり、食中毒にかかってしまうかもしれない、あるいはもっと恐ろしい病気に感染してしまうかもしれないという考えが出てくる。激しい不安に駆られ、家族に「食べるのをやめるように」と訴えるが、家族は理解せず食事を続ける。

 

家族の一人が体調不良を訴える。「自分のせいで汚染が広がり、家族が病気になった」と考え、強烈な罪悪感と不安に襲われる。夜になると、家族全員が具合が悪くなり、病院に運ばれる。医師から「重篤な感染症である」と告げられる。そして、家族が命を落としてしまう。周囲から責められ、自分が駅のトイレを使ったせいだと思い、一生自分を責め続ける人生をおくる。

 

 

こんな感じで最悪のシナリオを作ってみてください。

自分が鮮明にイメージ出来て怖いと思えるものを作りましょう。

 

参考までに自分の強迫タイプの最悪のシナリオの例を見てみたいなぁ、と思ったらChatGPTで「加害強迫の想像曝露に使う最悪のシナリオをつくって。1000字程度で」とか入れるとそれっぽい例を作ってくれます。

実は上記の例もChatGPTで作ってちょっと変えたものです。



イメージをして曝露

 

最悪のシナリオを作ったら、それを録音します。

目を閉じて録音したシナリオ聞きながらイメージをしていきます。

不快な感情、感覚が引き起こされるように鮮明にイメージしてください。

あたかもその現場にいるような感じです。

イメージして怖くなっていくなら十分に味わうようにしましょう。




時間、頻度


実施時間は1時間か不安の強さが半分くらいになるまでやりましょう。

時間についてはもっと短い時間で大丈夫なこともあります。

最低限、不快さがマシになることが学習できるところまでやること大切。

一日2回は練習してください。

 

「え!そんなにやるの?」と思った方。

現実の曝露もそれくらいやります。

もし、やっていないというならイメージとかそういう問題ではなく、曝露のやり方をもう一度練り直した方がよいかもしれません。

 

 

練習で得られること


通常の曝露と一緒で時間とともに不安の度合いが軽くなりまし、何度も練習するうちに想像してもそれほど怖くなくなります。

10分くらい毎に不安の度合い(0~100)を記録してすると、時間と不安の変化や、練習回数による不安の変化がわかりやすいかもしれません。

 

考えたくない!って思っているものなら、考えても平気になり、強迫観念を受け入れやすくなります。

それにより強迫行為をしなくてもいいかなぁと思いやすくなるかもしれません。

考えたら恐れていることが起こる!と不安になっている人なら、現実に起こらないことが学習されるでしょう。

 

 

不向きな人

 

イメージの曝露が不向きな人もいます。

例えば

・強迫について恐れいている最悪の結果が具体的に思い浮かばない場合

・イメージするだけなら怖くない場合

など。

 

このような場合は現実の曝露を行いましょう。

 

 

注意点


イメージを使った曝露を実施することで、現実での曝露が困難な場合や強迫観念中心の症状に対応が出来るようになります。

ただ現実的な曝露が必要な場合はそちらが優先となるので注意しましょう。

 

通常の曝露と同様、中途半端にやると怖い経験だけが残るので注意が必要です。

説明を聞いただけでは難しいと感じる人や、自分の症状に適用できるのか?した方がよいのか迷う人は認知行動療法の専門家に相談してから実施してください。

 

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