2018.01.28 | 強迫性障害全般
一つの強迫症状を克服できたら他の症状も改善するの?
こんにちは。鈴木です。
強迫への不安に挑戦している人から時々ある質問があります。
「この練習していたら、他の強迫症状も改善しますか?」というもの。
強迫症状はいっぱいある人にとって、一つ一つの症状を取り上げて挑戦ってのは難しいこともありますよね。
時々、不安のリストアップをするとたくさんありすぎて「これ全部やるのか」とげんなりする人もいるようです。
また逃げたいという思いから、強い不安に挑戦しなくても克服できないかなぁと思う人もいます。
結論から言えば、他の症状が改善しやすいものもあれば、やっぱり挑戦しないとダメというものがあります。
今回はどんな場合が他の強迫も改善しやすいのか?あまり改善しないのか?について説明していきます。
他の症状も 改善しやすいケース
ある苦手なことが改善されたら、別の苦手なことも改善されるのはどんな場合かというと、今練習していることと似ている場合です。
例えば、不潔強迫の人が「エアコンのリモコンを触る」という挑戦をしていたとします。
エアコンのリモコンに触れても不安を感じなくなったら、同じく汚いと思う対象のテレビのリモコンも平気になるということはあります。
「エアコンのリモコンもテレビのリモコンも似たようなものだよね」とどっかで思えそうなことは想像つきますよね。
もちろん、人によってそう思うかは違いますが。
今挑戦していることが、他のことと似ていれば似ているほど起こりやすくなります。
ただし、この現象は必ず起こるとは限りませんので注意が必要です。
また、同じ不潔強迫でもエアコンのリモコンを触る練習をしていて、便座に触っても平気になる可能性は低いです。
一般的にはリモコンと便座の汚さの程度だと便座の方が汚く感じる人が多いです。(人によって違いますが)
弱い不安を練習しているだけでは強い不安も大丈夫になりにくいでしょう。
「リモコンは平気になったから便座は大丈夫だよね」とはならないですよね。
逆にトイレの便座に触れるようになったから、リモコンも自然に不安感はなくなった、ということはあり得るでしょう。
他の症状は改善しにくいケース
改善しにくのは、先ほどとは逆で似ていない場合です。
例えば不潔強迫と確認強迫があったとします。
不潔強迫を克服したら、鍵の確認をしなくても外出できるようになるか?と言われれば可能性は低いでしょう。
不潔強迫や縁起強迫のようにある程度はっきり挑戦することが決まっていれば実行できるけれど、頭の中の強迫の人で曖昧にして行動することは苦手という人とか。
ただし、一つのところを克服すると不安に慣らすという感覚は学習できるし「不潔強迫を克服したから、確認強迫も同じように挑戦していけば改善するかもしれない」と、やる気につながるかもしれません。
地道に挑戦していきましょう
一つのことを挑戦していたら、他のことにも慣れる可能性があるとは書きましたが、そこは注意が必要です。
「不安に挑戦しなくても、今やっている挑戦しているだけで自然に慣れていかないかなぁ」って思って期待している人もいるかもしれません。
逃げてなんとかしようとしているものは克服できないので、地道に挑戦をしていくようにしてください。
もちろん、たくさん苦手なことがある人は、ある程度しぼってやる必要はあります。
やっていくことで、自然にほかの苦手なものも大丈夫になることが多いです。
関連記事
その時のコツは状況に慣れていくというよりは、怖さに慣らしていくということが大切です。
例えばテレビのリモコンに慣らすのが大切ではなく、その時に起こる怖さへの耐性をつけていくという発想でやった方がよいでしょう。
また不安に挑戦する時は一つのところを何度もやることもよいですが、いろんな状況でやった方が効果的です。
エアコンのリモコンに触って練習していたとしても、テレビのリモコンに触って練習した方がよいでしょう。
まとめ
一つのことに挑戦していたら、他のことも改善していく可能性があるか?については、今挑戦しているのと似ている場合に起こりやすいでしょう。
また今やっている挑戦よりも、低い不安のものは改善しやすいかもしれません。
しかし、それが起こるかどうかはわからないので、期待しすぎず不安なところは地道に練習していくことがおススメです。
やっていくと結果的に「そういえば、他のこともそれほど不安でなくてなっている」となるかもしれません。