2017.11.19 | 強迫性障害全般
一つの強迫が良くなったら別の強迫が出てくる理由
こんにちは。鈴木です。
一つの強迫行為をやらずに済むようになり「あー良くなったー」と思ったら、新しく別のことがことが気になりだした、ってことありませんか?
鍵の確認が大丈夫になったらガスの確認が気になりだしたとか、手洗いが治ったら鍵の確認が気になりだしたとか。
「強迫に挑戦したから悪くなったのでは?」
「強迫に挑戦しても結局いつまでも症状がどんどん出てくるだけでは?」
と不安になるかもしれません。
結論を言えば、そんなことはないです。
間違っても「表面的な行動変えても意味がない。根本的な原因があるはずだ」と考えて、深層心理を探るとか瞑想とかやらないようにしましょう。
治ることから遠ざかるだけですから。
では、どうしてこのようなことが起こるのか?
どうすればよいのか?について説明していきます。
一つの症状が良くなったら、新しい症状が出る理由
新しい症状が出てくるのにはいろいろ理由はありますが、代表的なものを挙げておきます。
鍵の確認が良くなったら、ガスの確認が気になるようになったとします。
そういう時の理由は次のようなことが考えられます。
今までは鍵の確認の方に注意が向いていたけれど、鍵の確認が気にならなくなったことによって、ガスの方が気になってきたのです。
言い換えれば元々ガスの方も心配だったけれど、これまでは不安の割合が少なかっただけで。不潔強迫と縁起強迫がある人が、不潔強迫がやたらとひどくなったら縁起強迫がマシなって、不潔強迫が良くなったら縁起強迫がひどくなるってことがあるんです。
大きな不安があると、それより小さな不安は気にならなくなるって経験ありませんか?
もちろん、前は全然気になっていなかったことが気になることもあります。
不安なことはむすびつけようとすれば無限に結び付けられますので。
だから新しく不安ネタが出てくることはおかしなことではありません。
特に苦手なことを避けたり安心させながらの対応しているうちは、何度でもいろんな強迫が出てくるものだと思ってください。
では、どうすればいいのか?
その都度挑戦していけばよいのです。
こういうと、永遠に挑戦しなくてはいけないの?って思うかもしれません。
しかし、繰り返し克服していけば不安ネタがあっても対処できる自信がついくるので、結果として新しい不安も減ってきます。
きちんと不安なことから回避せずにやっていれば、ですが。
同じ症状の繰り返しで困っているならこちらの記事を参考にして下さい。
「新しい症状が出るのは何か他に根本的な問題あるはずだ」と考えて、おかしな方法に走らないようにしましょう。
これらの方法は強迫に対して効果が認められていませんので注意してください。
・瞑想(最近流行のマインドフルネス瞑想だけをしてもダメ)
・ポジティブに考えるなどの自己啓発
・深層心理を探る系、「強迫は幼少時の心の傷」系のカウンセリング
・漢方、サプリメント
・栄養療法
・リラクゼーション
・催眠
・○○式など独自の方法を展開しているもの
ついつい、薬に抵抗があったり認知行動療法が怖いなぁーって思うと「他にいい方法を探そう」って思っちゃうんですよね。
そんな方法は今のところありません。
薬や認知行動療法から、目を背けない方がよいかと思います。
以前の成功体験が症状を長引かせることもある
症状が移り変わった時に、以前の経験が邪魔してしまうことがあります。
例えば、以前は何もしなくてもなんとなく収まったからまた今回も何もしなくても収まるのではないかと考え、そのまま様子をみてしまうとか。
もしくは以前自分なりにやったことがうまくいったような気がしたから、以前のやり方でやろう、とか。
特に強迫行為をやりながらでもなんとなく症状が良くなってきた人は強迫行為をやりながら治そうとします。
「大丈夫」って言い聞かせて良くなったから、今回も同じやりかたでやろうとか。
「前はこれでよくなったから」という経験が、改善を妨害していることがあるのです。
時々「自分で強迫を克服しました」という人の話を聞くと、克服しているのではなく不安なことを回避しているから症状がでていなかったり、以前より症状が減っただけで強迫行為は結構していたりって人もいます。
苦手なものを避けてもなんとかなってきたものは、いつか直面しなければならない時が来るものです。
症状が変わっていくだけで強迫に悩まされ続けている人や、何度もぶり返している人はどこかで自分の恐れていることと向き合うことをおススメします。
今回のまとめ
一つの強迫症状を良くなったあと、他の症状が出てきても気にする必要はありません。
良くなっていくプロセスと考えて、不安に挑戦し続けましょう。
なかなか克服できないと思った方は、私がお手伝いしますよー。