2016.03.06 | 強迫性障害全般
強迫行為を我慢するだけではダメ 調子に左右されない方法とは
こんにちは。鈴木です。
「強迫観念が少ない時は流せるけど、そうでない時はダメ」
「調子に左右されやすい」
「手洗いや確認をしないようにしているけどうまくいかない」
このように言う9割方の人が「やっていないこと」があります。
これを実行するだけで、良くなり方がグッと違うんです。
今回はそのお話しです。
「自分から」あえて不安なことをしていますか?
強迫性障害の治療でやることは以下の2つ。
①不安や恐怖にあえてさらして慣れていくこと(強迫観念をワザと出して慣れていく)
②これまで不安を下げるためにやってきたことをしないこと(強迫行為をしない)
多くの人は強迫行為をしないことに注意が向きます。
「手洗いをしない」「確認をしない」「打ち消さない」とか。
これはこれで大事なことなんですが、どちらかというと②を中心としたものです。
かなりの人が①の積極的に不安にさらされることをしていないのです。
いつまで経っても「強迫が来たら我慢する」と受け身になってしまいます。
受け身のままでいるので、強迫観念が出てこないように願うんです。
そもそも「強迫観念さん、出てこないで~」「強迫観念さん、いるかな」って考えている時点で、もう強迫観念について考えているのですよ。
考えないようにすると逆に考えてしまう効果があるので、強迫観念に悩まされ続けます。
そうすると強迫のご機嫌次第でその日の気分が左右される、強迫に支配された生活になります。
強迫観念が弱ければ穏やかに過ごせるけれど、強くなればまた悪くなっていませんか?
そうならないためにも①が必要なんです。
①の例としては・・・
・あえて不吉なことを考えながら、不吉なことをやる
・あえて汚いものに触って手を洗わない
・あえて「鍵はあいている」と考え、確認せずに外出する
「あえて」不安なことを実行し、毎日何度も練習していく。
そうすることで、強迫観念に対しての怖さが少なくなってきて、結果的に良くなっていきます。
筋トレと同じです。
ところがこれをやっている人がものすごく少ない印象です。
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「嫌な考えならいつも浮かんでくるので、わざわざ嫌なことを自分からする必要ないのでは?」
と考える人がいるかもしれません。
その人は②が中心で①をしていないことを思い出してください。
「あ~強迫がきちゃった。我慢するしかないか」と受け身で嫌々我慢するのと、「強迫さんこんにちは~!君の相手しないけど来てみました~」と自分から進んで不安に飛び込んで慣れていこうするのでは、良くなり方が全然違います。
「強迫観念がなくなるのがいいことだ」と思っている人は①をやるのに抵抗があるはずです。
あえて考えたくないですしね。つまり①を避けているということは強迫にとらわれている証拠なんです。
強迫性障害が良くなるって、強迫観念が起こらないことではありません。
考えないってことはできないのですから。
①と②を練習することで、観念があっても流せるようになり「強迫観念があるかどうか」「どれが普通かどうか」にこだわらなくなってきます。
こうなるためにも①は必須のことなのです。
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あなたは自然に出てくる強迫観念に対して我慢しているだけになっていませんか?
今一度、以下の治療の基本をおさらいしておきましょう。
・「自ら進んで」「あえて」不安なことをやること
・何度も練習すること(あきるくらい)
・不安な考えを避けず、強迫行為に逃げないこと
一人ではなかなか解決できない人はカウンセリングでご相談ください。
強迫性障害の方同士でお話しできるLINEグループ(OCDサロン)もやってます。