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強迫症の人が気をつけるべき3つの落とし穴 「○○だから大丈夫」が悪化につながる理由

こんにちは、鈴木です。

 

強迫観念が出てきた時に

「車にもし誰かにぶつかったなら、わかるはずだ」

「これは強迫観念だから大丈夫」

「自分の直感を信じよう」


と言い聞かせていませんか?

こうした対処法が一時的に安心を与える一方で、実は長期的には強迫症の症状を悪化させてしまうことが多いのです。

この記事ではこれらの「安心感」を求める行動がなぜ逆効果なのか、そして強迫症の悪循環に陥らないためにどのような考え方やアプローチが必要なのかを解説します。

対処法を学び、不安を強くなるための新しい視点を手に入れましょう。

 

 

 

「誰かにぶつかったらわかるはず」「これは強迫観念だと言い聞かせる」「自分の直感を信じよう」

というこれらの強迫症への対処法には共通していくつかの問題点があります。

一見すると強迫観念への対処法として有効に見えるかもしれませんが、実際には強迫症を悪化させるリスクがあります。

以下に共通する問題点を挙げます。

 

 

1.完璧な確実性がないと安心できなくなる

 

強迫症は不確実性に対する強い不安や耐性が低く、白黒ハッキリさせたくなり、安心やスッキリ感を求めて強迫行為をしてしまいます。

これらの方法はすべて、ある種の「確実性」を求める行動に依存しているところがあります。

  • 「誰かにぶつかったらわかるはず」は、ぶつかったかどうか確実な感覚や証拠を求めて、不安を解消しようとする
  • 「これは強迫観念だ」と言い聞かせるのは、強迫観念かどうかを明確に区別しようとすることで、安心を得ようとする
  • 「自分の直感を信じよう」は、自分の感覚や直感に基づく確信を得ようとする

 

完全な確信を得ることを目指すため、不確実性に対処する力を弱める結果となるのです。

だんだん完璧な確実性を求めてしまうようなり、安心できるハードルがどんどん上がってきてしまいます。

 

 

 

2.確認が増えやすい

 

これらの対処法は、いずれも新しい「確認行動」につながりやすいです。

 

具体的には

  • 「誰かにぶつかったらわかるはず」という考えは「自分のぶつかっている感覚が違っていたらどうしよう」と不安になるため何度も確認する結果になります。
  • 「これは強迫観念だと言い聞かせる」場合は「本当に強迫観念かどうか」を確認し続けることになります。
  • 「自分の直感を信じよう」は「直感が正しいかどうか」を繰り返し確認する行動に結びつきます。

このように不安を一時的に和らげるものの、その後さらに強い不安を引き起こす悪循環を作り出します。

 

 

 

3.曖昧を受け入れられなくなる

 

確実性を求め確認して安心させて一時的にうまくいくこともあるかもしれません。

しかし、安心かどうかわからない曖昧な状況に直面した時は通用しないでしょう。

むしろ、一時的にうまくいった成功体験から「もっと安心させなければならない」と考え、曖昧さを受けいれられなくなり悪化する要因となりやすいです。

不確実性を求め確認が増えることにより、曖昧な状況をどんどん受け入れられなくなるのです。

 

強迫症の改善において重要なのは、曖昧さを受け入れる能力を養うことです。

生活していく上で確実なものは一つもないからです。

不安なことは絶対起こらないことや、自分の感覚が絶対あっていることは証明できません。

だから曖昧さを受け入れながら生活していくことが必要なのです。

しかし、これらの対処法は不安や曖昧な状況を避けたり、確実な答えを求めたりするため、曖昧さを受け入れる機会を妨げてしまうのです。

 

 

 

 

実はメリットもある

 

これらの対処法の問題点を挙げましたが絶対ダメというわけではありません。

例えば停車している車に乗って誰かに車にぶつかってもらい、車にあたった感覚を体験するという実験もあります。

車に人があたった感覚と強迫観念との違いを体験的に理解することで、不安に思っていることが不合理であることに気づきやすくなります。

不合理であることに気づけると強迫観念の強度が弱くなり確認しにくくなることもあるでしょう。

 

また「これは強迫観念だ」と言い聞かせることで「これは考えに過ぎないんだな」と客観視できることがあります。

客観視することで強迫観念に巻き込まれにくくなるかもしれません。

 

しかし、これらの方法が安心する手段になったり、依存してしまうことで強迫観念への対処だったものが、強迫行為となってしまう可能性があります。

 

このため、そのやり方の目的を理解して対処法に依存しないようにすることが重要です。

 

 

 

対処法

 

代表的なものを2つ紹介します。

 

1.不安な考えはそのままにする

不安なときに安心させようとするのではなく、思考や感情をありのままに受け入れます。

強迫観念に対して過剰に反応せず、無視するでもなく、ただ「車で誰かをひいたかもしれないという考えがあるなぁ」だけにします。

答えを出そうとせず、思考の内容に深入りしない、「もしかしたら本当かもしれない」と思ったとしても、それに反応せずに「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」と曖昧さを受け入れる練習をします。

人によっては「はいはい、そうだね」と軽い感じで強迫観念に答えるだけにする練習もやりやすいかもしれません。

そのようにしたら、日常生活に戻りましょう。

何かしていても不安な考えがよぎりますが、その度に「考えているなぁ」として日常生活に意識を戻すようにしてください。

 

 

2.最悪のシナリオを考える練習をする

これは強迫観念が浮かんできた時の対応というより、普段から練習することで安心させなくてもやり過ごせるようになる方法です。

 

不安に思っていることの最悪のシナリオを作り、あえて考えることで不安なことを考えてもそれほど怖くなります。

 

詳細は別の記事で詳しく書いているのでこちらを参考にしてください。

 

個人的には一人でやるには難易度高かなぁと感じているので、専門家のもとでやることをオススメします。

イメージで強迫観念が軽くなる!?イメージを使った曝露を解説

 

 

 

注意点

 

強迫観念に対してはどんな対処法も強迫行為になってしまう可能性があります。

実は今回紹介した対処法も場合によっては強迫行為になってしまうこともあるかもしれません。

 

このため対処法を厳密に守るなど依存しすぎない柔軟な対応も時には必要となります。

もしも、うまくいっていないと考えるなら、早めに専門家に相談するようにしてください。

 

 

 

 

 

 

 

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