2015.11.08 | ブログ
強迫性障害のご家族必見!強迫を悪化させてしまう「巻き込み」について
こんにちは。鈴木です。
強迫性障害は家族を中心に他人を巻き込むことがあります。
家族に対して手洗いを強要したり、確認をしつこくしてしまったり。
「巻き込み」と言われているものです。
強迫性障害の人は巻き込みをしないことが治療の一つになります。
家族の方は巻き込まれないことが治療の手助けとなります。
強迫行為にやさしく応じることが理解ある家族ではありません。
どれが巻き込みかどうかわからない人もいますよね。
今回は巻き込みについて書いてみます。
巻き込みのあれこれ
洗浄・不潔強迫ではキレイか汚いかを確認したり、同じように「キレイ」にしてもらおうとします。
・手洗い、着替えを強要する
・トイレや寝る時の服装、やり方を自分がキレイとする方法をさせる
・キレイにさせておきたい場所を思い通りに掃除させる
・「さっき私何かに触った?」と、触ったかどうかを確認する
ちょっと見逃しやすいやつとしては
・「これ汚い?」「触っても大丈夫だよね」と確認する
確認強迫や不完全恐怖はそのまま安心を求めようとします。
・ガスやカギを家族に確認
・カードを落としていないか確認
・車の運転で何も当たっていないか確認
・自分の完璧なやり方を家族にも強要
・自分が間違ったことを言っていないか?書いていないか?を確認
・自分が間違った理解をしていないか?自分の言っていることが正確に伝わっているか?を確認
縁起強迫も同じような感じ
・儀式を家族にも強要
・「○○をしても何も起こらないよね」と確認
・縁起のよいことを言ってもらう、行動してもらう
不完全恐怖系の人はこれも
・「行動療法はこのやり方であっているのか?」を確認
少し良くなってきたときにはよくあるのがこれ
・「これは強迫観念なの?」と確認
他にもいっぱいあると思います。
わかりやすい巻き込みから、わかりにくいものまであるので最初はわかりにくいかもしれません。
巻き込みに対する家族の対応について
巻き込みには決して応じてはいけません。
「大丈夫だよ」「何も起こらないよ」など安心させるのは、一時的に安心させることはできても症状はもっとひどくなっていきます。
しつこく質問されたり、泣かれたりするとついつい応じてしまいがち。
また「手を洗いすぎるのはもっと細菌に感染しやすくなる」と理屈で説得しようとしても無駄です。
だから治療をすると決心するのは本人だけじゃなく家族も必要なんですよ。
家族に覚悟がないと巻き込みに応じてしまい、どんどん強迫は悪化していきます。
医療機関で「大丈夫って安心させてください」「それくらいは私も確認や手洗いしているからやっても大丈夫でしょう」と指示されることがあるかもしれません。
それは間違った対応です。
「強迫症状は幼いころのトラウマが・・・」「愛情不足が・・・」ってのは論外です。
残念ながら行動療法を専門としていないところがほとんどなので、間違ったアドバイスをされることが多々あります。
こんなこと書くと同業者から怒られるんですよね。医療不信になるじゃないか!って。でもホントのことだし。
じゃぁ、家族はどう対応したら良いの?ってことについてはこちらの記事をご覧ください。
家族の方だけでもカウンセリングを受けられます。
どうしてよいかわからない場合などご相談ください。
もちろん、強迫性障害で悩んでいる人は早めに治療しましょう。