2016.04.10 | 強迫性障害全般
強迫の不安に慣れるってどういうこと？
こんちは。鈴木です。
強迫性障害の方が集まるLINEグループ（OCDサロン）でも話題が出たし、カウンセリングでもよく聞かれます。
不安に慣れるってどういうことなのか？慣れる体験をするためにはどうすればよいのか？
今回は「不安に慣れる」について書きます。
不安に慣れることはよくあること
不安に慣れるというのはみなさんもすでに経験済みです。
・自転車に乗る時、最初は不安だけれど練習をしているうち平気になる
・進学や就職の時最初は緊張していたけど、何度もきているうちに平気になる
・デートで最初はドキドキしていたけれど、次第に飽きてきてマンネリ化してくる
最初は不安だけれど、何度も不安なことを避けずに経験することで慣れてきます。
基本的に不安や恐怖は十分に直面していると、何でも慣れが生じるものなんです。
24時間ずっと同じレベルの不安でい続けることはできません。
さらに繰り返していくと不安のピークが下がってきます。
これを図にするとこんな感じ。
よく教科書にのっている図なんですが注意点があります。
不安を下げることに一生懸命になるとこんな感じにはなりません。
不安を上げて、その状態を保っていると慣れがでてくるのです。
また実際には図のように一直線になりません。
不安は上がったり下がったりしながらマシになってきます。
不安に慣れなれない時 4つの原因と対策
それでも図のように不安に慣れないって時は、原因があります。
チェックしてみましょう。
1.十分な時間をかけていない
不安がピークに達してもしばらくそのままでいないと慣れません。
教科書的には2時間くらい様子を見ましょう言われています。
想像した以上にやるんだなぁって思いませんか？
そうすることで慣れが生じてきます。
ただし、逃げずにやっていればという条件付きですが。
2.挑戦回数が少ない
1〜2回やっただけではそりゃ慣れません。
また1回目より2回目が必ずしも不安の強さがマシとは限りません。
何度も何度も繰り返しましょう。
3.不安から逃げながらやっている
これが一番不安に慣れない理由のことが多いです。
・頭の中で「大丈夫。怖いことは起こらない」とやっている
・「普通の人でもこれくらいはやる」として手洗いや確認をして安心させている
・手は洗わないようにしているが、汚いものには触っていない
強迫行為や回避をしているってこと。
こんな感じだとあまり効果はありません。
そんなことしなくても不安には慣れていくことを経験するのが治療なのです。
きっちり不安と向き合いましょう。
4.そもそも直面するところが間違っている
手洗いが長いからといって不潔強迫とは限りません。
人によっては「ちゃんと洗えていたか」と「しっくり感」を求める不完全恐怖系のこともあります。
そういう人は汚いものに触るとか手を洗わないではなく「しっくりこない洗い方」「モヤモヤする洗い方」をしていく必要があります。
何が怖いかによってやることが違うんです。
自分が怖がっているところに直面しないといくらやっても慣れるわけもなく。
このあたりは一般の人が見分けるのはちょっと難しいかもしれません。
認知行動療法の専門家に相談した方がよいです。
あとはこちらの記事も参考にしてください。
理屈で考えず行動ることがポイント
必ず不安には慣れるといっても「さぁ、やるぞ」とはならず「慣れるってどんな感じだろう」「良くなるってどんな感じだろう」って考え続ける人は、おそらく不安に直面のすることを怖がって一方踏み出せない人でしょう。
やっていないのに体感はできません。
理屈で考えてもわかるわけがないのです。
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自転車に乗ったことない人に「自転車にのって本当に慣れてくるの？体感できないんだけど」と言われたら「とりあえず自転車に乗る練習しなきゃ体感できないよ」となりますよね。
強迫は理屈が大好きです。
「慣れるってどういうことか理屈で100％理解するまで挑戦しちゃだめ！」としむけてくるでしょう。
強迫の言い訳に耳をかさないようしてください。
習うより慣れろ。
考えるより行動。
これが強迫が最も嫌がることですよ。