2019.02.24 | 縁起強迫
5分でわかる！縁起強迫の治し方とコツ
こんにちは。鈴木（@komayamaco）です。
こんな症状で困っていませんか？
・殺人など不吉なニュースをみると自分も不吉なことが起こると考えて別のニュースをみる
・4などの数字が不吉で避ける
・自分にとって悪いことが思い浮かぶと、良いことを思い浮かべる
縁起強迫と言われる症状です。
「不吉なことが起こるのでは」と不安で悩むのが縁起強迫。
不安になると、頭の中で打ち消したり、行動をやり直したり、手を洗ったりなどして日常生活に支障をきたすようになります。
縁起強迫は人によっては神仏に対しての恐れもあるので、恐怖感も強いと言われています。
しかし、認知行動療法で結構よくなりますのでご心配なく。
今回は縁起強迫の治し方について説明します。
悩んでいる人は是非実践してみてください。
なぜ縁起の悪いものが怖くなるのか？
まずはなぜ縁起が悪いと思うものを過度に恐れるようになるのかを理解しておきましょう。
例えば4という数字が「死」に結び付き不安になっている場合。
4の数字を見ると「不吉なことが起こるのでは？」と不安な考えが浮かびます。
これが「強迫観念」です。
4の数字を避けていても、日常生活では見ることになりますし、4という数字が思い浮かんだだけでもダメになります。
そうすると不安から逃れるために不吉なことを打ち消すようなことをして安心させます。
例えば別の数字をみたり考えたりします。
これが「強迫行為」です。
強迫行為をすれば一時的な安心はあります。
しかし、不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるので、今度4を見た時にもっと怖くなります。
それでまた強迫行為をして、安心して、また怖くなって・・・を繰り返します。
強迫行為は麻薬のようなものなのです。
さらにきちんと強迫行為をしないと済まなくなり、強迫行為をしている途中に少しでも雑音が入るとやり直すなど100％の強迫行為をしなくてはいけないと思うようになります。
こうなると強迫行為にかける時間が増えて日常生活に支障をきたすようになります。
縁起強迫の治し方
縁起強迫を改善するためには「不吉なことが起こるのではないか」という不安に慣らす方法が有効です。
不安に慣らすためには、あえて不吉なことに立ち向かう必要があります。
例えばあえて4を見るようにします。
その後にこれまでやっていた強迫行為をしないでおくのです。
強迫行為をしないとおそらく不安になるかと思います。
「この不安が一生続くのではないか」と考えるかもしれません。
ところが不安はずっと続くものでもなく必ず収まります。
何度も4を見て強迫行為をしないでおくと、4を見ても不安な感じは薄らいできます。
ジェットコースターが怖い人が、何度もジェットコースターに乗っていたら怖くなくなるのと同じです。
この方法を「曝露反応妨害」と言います。
曝露反応妨害の理屈についてもう少し知りたい！という方はこちらの記事をご覧ください。
では、縁起強迫の人が曝露反応妨害をどんな手順で進めていったらよいか説明します。
きっかけ、強迫観念、強迫行為を把握する
まずは自分が悩んでいる強迫症状の「きっかけ」「強迫観念」「強迫行為」を把握することがからはじめます。
下記に例をあげたので参考にしてください。
一週間くらい自分がどんなきっかけで、どんな強迫観念があって、どんな強迫行為をしているかをメモしてみるとよいでしょう。
きっかけ
不安なことが起こる「きっかけ」は何かを把握します。
要するにどんな時に不安になるの？ってことです。
例
・4や9の数字を見た時
・殺人事件のニュースを見た時
・部屋から出る時に苦手なことが思い浮かんだ時
・嫌な数字、人の顔、言葉（「○○死ね」など）が頭に思い浮かんだ時
強迫観念
「きっかけ」となることが起こった時にどんな「強迫観念」が出てくるかを把握しましょう
・「何か悪いことが起こる」
・「家族が死ぬ」
・「嫌なイメージが一生くっつく」
強迫行為
「強迫観念」が出てきた時、安心するための行動である「強迫行為」を把握しましょう。
強迫行為は目に見えるものだけでなく、頭の中でやるものまであるので忘れないようにしてください。
例
・「良い」イメージ、数字を思い浮かべる
・その時の行動をやり直す
・手洗いをする
・頭の中で「死なない」「自分はそんなこと考えていない」と言い聞かせる
・打ち消しの言葉を頭中で言う
・他人に「何も起こらないよね」と確認する
改善のためにやるべき3つのこと
きっかけ、強迫観念、強迫行為を把握したらいよいよ実践です。
治し方の基本は以下の3つです。
①あえて「きっかけ」になること、避けていることをやる
4が苦手な場合（それ以外の人は4を自分の苦手なものと置き換えてください）
・4を100回くらい連続で書く
・4をスマホの待ち受けにする
・4を部屋中に貼る
・4を頭の中で何度も考える
・4を考えながら行動する
・わざと4時44分に動く
イメージとしては「どんだけ4が好きなんだ！」「4のファンかよ！」ってくらいの行動をすると良いです。
飽きるくらいまでやります。
殺人事件などニュースが怖い人なら、あえて殺人事件のニュースをみたり、ホラー映画やサスペンス、殺人事件がのっている漫画などを見るのも手です。
自分にとって怖いことならば何でもOKです。
②強迫観念は肯定する
「不吉なことが起こったらどうしよう」と考えたら「不吉なことは起こる」と肯定します。
人によっては「はいはい、不吉なことは起こるね」くらいの強迫をバカにしたノリでもよいかもしれません。
これをやることで怖い考えに慣れやすくなりますし、これまで頭の中で安心させようとしていた強迫行為（「考えていることは自分が本当に思っていないこと」など）を邪魔することができます。
③強迫行為はしない
これまでやっていた強迫行為をしてはいけません。
一回くらいはいいだろうなど思っちゃだめですよ。
強迫行為は麻薬と同じようなものなで、一回やると止まらなくなります。
これらの①～③はセットでやりましょう。
できるだけ毎日のようにやります。
ちょっとだけやってお終い！はダメですよ。
筋トレと一緒です。
何度もやっていくうちに、不吉なことが浮かんで強迫行為をしなくても怖くなくなってきます。
改善のコツ
縁起強迫の改善のコツは、「あえて」自分から不吉だと思っていることをやること。
先ほどの例にあったように、あえて4の数字を書いたり、思い浮かべたりします。
なかなかうまくいかない人の多くは、自分からあえて不安なことをせずに、自然に出てきた強迫観念に対して強迫行為をしないで我慢することばかりしています。
4が出てきたら強迫行為せずじーっと我慢しているとか。
そうなると、練習量も少ないのでなかなか不安に慣れません。
曝露反応妨害法を成功させるにはポイントは、怖いことをひたすら不安が収まるまでじっと我慢するような守りの姿勢ではなく、自分から不安に飛び込み続けていった結果不安が薄まってくるという「攻め」の姿勢を継続していくことです。
「怖いことは何も起こらない」と考えることは有効か？
「強迫行為をしなくても何も悪いことは起こらない」と考えることは注意が必要です。
確かに怖いなと思うことをやっても、誰も死なないことはわかります。
4を書いても自分は死なないし、家族も死にません。
ただそれは「何も起こらない」と考えるだけではそうなりません。
自分が恐れていることをやった後にそのように思うのです。
また「不幸なことはいつ起こるかわからない」って考える人が多いので「何も悪いことは起こらない」と言い聞かせることはあまりうまくいきません。
生きていれば悪いことは起きますので「やっぱり強迫行為をしなかったらから起こったのだ」と考える人も多いです。
人によっては「何も起こらないから大丈夫」と理屈で考えることが強迫行為となることもあります。
「絶対に何も起こらないから苦手なことをする」では不安に慣らす練習になりません。
理屈で安心感を求めようとしても縁起強迫は理屈では証明できないことが多いのであまり役に立ちません。
何も不幸なことが起こらない保証なんて絶対できませんからね。
医師やカウンセラーに「強迫行為をしなくても何もおこりませんよね」と確認するのも強迫行為です。
要するに頭で言い聞かせるだけやっても無駄だし、下手すれば悪化要因なるのです。
このため「何も怖いことは起こらない」と頭でなんとかしようとはせず、怖いことをあえてやって不安に慣れさせるようにしましょう。
まとめ
基本的に縁起強迫は不吉だと思っていることをどんどんやっていけば克服する方向にいきます。
不安なことをじーっと我慢するのではなく、積極的にやっていきましょう。
そうすることで縁起強迫に囚われた生活から抜け出すことができますよ。
自分では何をどうすればよいかわからない、一人ではなかなか不安への挑戦が続かないって人はカウンセリングでご相談ください。
ちなみに動画バージョンはこちら